たんぱく質はどれくらい必要?

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この記事では、三大栄養素であるたんぱく質について解説していきます。2つのパートに分かれていますが、ダイエットやボディメイク、健康維持の為には①だけ読んで頂くだけで構いません。②はよりたんぱく質について詳しく知りたい方のみ読み進めて下さい。

①たんぱく質はどんな栄養素でどれぐらい摂れば良いのか

たんぱく質はどんな食品に含まれている?


たんぱく質が含まれる主な食品

たんぱく質は主に肉、魚介類、豆類、卵、乳製品などに含まれています。また補助食品としてプロテインパウダーなどもあります。

たんぱく質の役割

  • 筋肉や臓器、髪や爪などの材料

  • 代謝の調整
    (酵素やホルモンの材料)

  • 栄養や物質の運搬
    (鉄や酸素など)

  • 抗体として生体防御
    (γ-グロブリン)

  • 神経伝達物質やビタミンの前駆体

  • 身体を動かすエネルギー源
    (1gあたり4kcal)

たんぱく質は筋肉の材料というイメージが強いですが、実際にはそれ以外にも髪や爪などの材料にもなります。その他にも体内の様々な機能を保つ為に重要な働きをする栄養素です。

必ず摂取しなければいけない栄養素

たんぱく質は体内で合成する事が出来ないので、必ず食事から摂取しなければいけない栄養素です。

では、実際にどれくらいの量が必要なのでしょうか?
目的や現在の体型によって必要が異なり、

健康維持
現在の体重1kgあたり1.0g

筋肉量アップ
体重1kgあたり1.2~2.0g

痩せ・隠れ肥満
現在の体重1kgあたり1.2~1.5g

肥満(ダイエット)
健康体重(BMI22程度)の体重1kgあたり1.5g

となります。
これらを大まかに体重別にまとめると下記のようになります。

体重・目的別たんぱく質必要量

この数字を見てもどれくらいたんぱく質源を食べればいいかピンと来る方はほとんどいないと思うので、下の表も参考にして下さい。

食品毎のたんぱく質量の目安

計量器を使うのが正確ですが、お肉やお魚はおおよその目安として手のひら一枚分程度の大きさが100g程度です。

100gの目安

どんな食品を選べば良い?

ここからは食材の選び方について解説していきます。

【推奨グループ・メイン】

推奨たんぱく質源

基本的には、低脂質な鶏肉、魚介類を中心に食材を選びましょう。
鶏肉は皮やぼんじりは脂質が多く、魚は鯖などが脂質が多くなっています。

【推奨グループ・補助】

補助たんぱく質源

卵、大豆製品、牛乳は少量のたんぱく質と脂質を含み、補助的にたんぱく質をとるのに役立ちます。赤身肉は脂身の量に注意しながら摂ることをお勧めします。

プロテインは脂質を抑えながらたんぱく質を摂る事ができる心強い食品ですが、まずは推奨グループから摂ることを意識してみましょう。またヨーグルトはギリシャヨーグルトやオイコスなどの高タンパクなものがお勧めです。

【週に1~2食程度を目安に】
・鯖
・レバー

鯖は体に良い成分が多いものの、脂質も多く、食べる頻度が高いと脂質過剰になります。またレバーは低脂質で、ビタミンやミネラルが多いものの高頻度で食べると栄養過多になる可能性があるので、週に数回程度にするのが良いでしょう。

【嗜好品グループ】

嗜好品グループ


たんぱく質源かと思いきや、脂身の多い豚肉や牛肉、加工肉などは脂質が多く含まれます。またプロテインバーも脂質が高いものが多く、たんぱく質が摂れるお菓子という位置付けにするのが良さそうです。

実際にメニューを考えてみよう

自分に必要な量やどんな食品からとれば良いか分かったところで、実際にメニューを考えてみましょう。

例.)1日に80gのたんぱく質が必要な場合

・鶏もも肉 150g
・紅鮭 90g
・卵 2個
・納豆 1パック
・豆腐 半丁(150g)
・ヨーグルト 200g

これらを1日で摂れば、たんぱく質が約80g摂れます。※ちなみにこの食品だと脂質も程よく(約36g)摂ることが出来ています。

これを一食のメニューにしてみると、この様になります。

たんぱく質をとるためのメニュー例

シンプルな構成ですが、主食、主菜、副菜、汁物と揃える事で様々な栄養素がとれるようになっています。※たんぱく質は主に主菜に含まれる。

ここまでの内容を参考に是非、お食事を見直してみて下さい。健康維持、ダイエットやボディメイクの為に大いに役立つはずです。

②たんぱく質についてより詳しく知りたい方へ

ここからはより細かくたんぱく質について解説していきます。ダイエットやボディメイクにおいては、ここまの内容を把握しておけば問題ないので、詳しく知りたい方のみ読み進めてください。

「たんぱく質」「ペプチド」「アミノ酸」の違い

たんぱく質はアミノ酸が多数結合(ペプチド結合)した化合物です。50個以上のアミノ酸が繋がったものを「たんぱく質」、それ以下のものを「ペプチド」と呼びます。

アミノ酸の繋がっている数でペプチドは更に細分化されます。

  • 2個 ジペプチド

  • 3個 トリペプチド

  • 4〜9個 オリゴペプチド

  • 10個以上 ポリペプチド

たんぱく質は常に作り替えられている

体内のたんぱく質は一度作られたらずっとそのままということはなく、常に分解と合成を繰り返しています。組織や臓器ごとにその長さは異なりますが、その組織に含まれるたんぱく質の半分が分解される期間を「半減期」といいます。

「半減期」

  • 肝臓 12日

  • 骨格筋 180日

骨格筋は約180日で半分が分解されるので、1年後に今ある筋肉は全て分解されるという事になります。

しかし、実際に1年後に筋肉が無くなるという事はありません。これは分解される一方で、同じだけ新たにたんぱく質が合成されているからです。この様に分解と合成が行われながらも安定した状態を保っている事を「動的平衡」といいます。

体重60kgの人で、1日に約180gのたんぱく質が分解され、アミノ酸プールと呼ばれる体内内のアミノ酸貯蔵庫に送られます。食事から摂ったたんぱく質もアミノ酸に分解され、このアミノ酸プールに送られます。これらを元に新たなたんぱく質を合成しています。

また食事から摂ったたんぱく質と同量のたんぱく質を体外に排出する事で、体内のたんぱく質の品質を保持しています。

たんぱく質の合成は食事などでたんぱく質を摂取する事で促進され、逆に分解は空腹などの状態で亢進します。

トレーニングにより筋肉の分解と合成が高まる

基本的に体内のたんぱく質は「動的平衡」が保たれています。しかし、筋肉を大きくする場合は分解に比べて合成量が多くなる必要があります。

そのためには筋力トレーニングが有効です。

筋力トレーニングは筋たんぱく質の合成を促進し、トレーニング後48時間程はその状態が続く事がわかっています。

ただし、トレーニングはあくまでも合成を促進する刺激であり、栄養が足りないと分解が進むため、適切な栄養補給が必須です。そのためにはトレーニン直後のゴールデンタイムだけでなく、常に血中アミノ酸濃度を高めておくことが重要です。

たんぱく質の質を決めるアミノ酸スコア

たんぱく質は20種類のアミノ酸によって構成されています。このうち体内で合成できる11種類のアミノ酸を「非必須アミノ酸」、体内で合成できない(食事から摂らなければいけない)9種類のアミノ酸を「必須アミノ酸」と言います。

この9種類の必須アミノ酸はそれぞれ必要量が提唱されており、必要量が食品の中にどれだけ含まれているかを点数化したのが「アミノ酸スコア」です。

アミノ酸スコアは全ての必須アミノ酸の必要量が満たされている場合は、100となり、良質なたんぱく質と言えます。反対に一つでも基準を満たしていない場合は、アミノ酸スコアは低くなり、「制限アミノ酸」と呼ばれます。

一般的にたんぱく質源となる肉、魚、卵、大豆はアミノ酸スコアが良好ですので、基本的にはこれらを食べておけば問題ありません。

厚生労働省が出している指標の見方

この記事の前半では目的別にそれぞれの体格差を考慮した、たんぱく質の必要量をまとめました。ここでは厚生労働省が定める年齢、性別毎に健康維持に必要な数値がまとめられています。

「日本人の食事摂取基準」では、推定平均必要量、推奨量、目安量、目標量を定めています。初見ではそれぞれの違いが非常に分かりにくいのでそれぞれの定義と合わせて解説していきます。

「日本人の食事摂取基準(2020)

※推定平均必要量
特定の集団を対象として測定された必要量から、性・年齢階級別に日本人の必要量の平均値を推定した。当該性・年齢階級に属する人々の50%が必要量を満たすと推定される1日の摂取量。

※推奨量
ある性・年齢階級に属する人々のほとんど(97~98%)が1日の必要量を満たすと推定される1日の摂取量。

※目安量
推定平均必要量・推奨量を算定するのに十分な科学的根拠が得られない場合に、ある性・年齢階級に属する人々が、良好な栄養状態を維持するのに十分な量。

※目標量
生活習慣病の一次予防のために現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量(または、その範囲)

これらは健康の維持・増進と欠乏症予防のために設定されています。推定平均必要量と推奨量の間でたんぱく質を摂取することができれば、ほとんどの方は欠乏症や過剰症の心配はないと言えます。

たんぱく質の摂り過ぎは腎臓に悪い?

たんぱく質の摂り過ぎによる影響として最も心配されるのが腎機能です。

厚生労働省によると、1日の摂取カロリーのうちたんぱく質の摂取量は13~20%が目標量としていますが、35%未満であれば腎機能に与える影響はないとしています。

※慢性腎臓病においては、たんぱく質摂取が腎機能の低下を促進させるおそれがあるので注意が必要です。

不足は隠れ肥満や体力や免疫力の低下の原因に

  • 免疫力、体力の低下

  • 隠れ肥満

  • フレイル
    身体的機能や認知機能の低下が見られる状態

  • サルコペニア
    加齢や疾患により、全身の「筋力低下が起こること」

食事からのたんぱく質が不足すると、体内のたんぱく質が分解され、不足分を補うため、隠れ肥満や体力や免疫力が低下します。またサルコペニアやフレイルはたんぱく質不足に強い関係がある事がわかっています。

最後に

たんぱく質は不足しやすい栄養素です。不足することで隠れ肥満やサルコペニアなどの原因になります。ダイエットやボディメイクだけでなく、健康寿命を伸ばすためにも大切な栄養素です。これを機に普段の食生活を確認して頂けると嬉しいです。

参考文献
日本人の食事摂取基準(2020).厚生労働省.https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf.(参照2022年4月6日)
NEXTFIT Kento(2021年).『忖度なしの栄養学』.ベースボールマガジン社.中村丁次(2015).『栄養の基本がわかる図解辞典』.成美堂出版.
寺田新(2017).『スポーツ栄養学科学の基礎から「なぜ?」にこたえる』.東京大学出版会.

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パーソナルトレーナーの備忘録的note。 食事だけでなく、トレーニング的な事も載せていく予定です。