DEI推進について、いま思うこと(21年11月版)
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DEI推進について、いま思うこと(21年11月版)

松尾 和世司 (MATSUO Kazuyoshi)

 このところ、組織の内外で「DEI(Diversity, Equity and Inclusion)」について耳にし、考えを深める機会に多く恵まれるようになりました。
 このたび自社にて業務の一つとしてDEI推進を担当していくことになったので、私が思うDEI推進について、現時点の気持ちを記しておきたいと思います。

そもそもDEIとは何か

 詳しい定義は各種書籍や記事に譲りますが、DEIとは「Diversity, Equity and Inclusion」の略、すなわち「組織の全ての人の多様性を重視し受け容れ、公平な活躍の機会を提供すること」とされています。
 背景にあるのは、人種や性別、置かれている環境など様々な要因によって一部の人が冷遇されたり、活躍の機会をそもそも与えられない状況をなくそう、と言う取り組みです。

なぜ今DEI推進か

 これまでの日本社会は「24時間戦える」男性、または男性のように働ける女性が動かしてきたと言っても過言ではありません。今の若い世代はそんな会社に見向きもしませんから、このままでは淘汰されていく。だからこそ、世の大企業の経営者はこぞってDEI推進を謳うのでしょう。

DEI推進のために必要と言われていること

 業種にもよりますが、例えば製造業のようなレガシーな業界においてはDEI推進の一番槍は「女性活躍」とされることが多いです。今まで能力がありながら出産や育児、そもそも「女性であること」を理由に十分にスポットライトが当たらなかった人々の活躍を推進する。具体的には「女性責任者を○%に増やす」など、積極的に責任あるポストに登用すると言った動きが活発になっています。
 もう一つは若手の責任者への登用です。これまでの「課長になるには最低でも○歳にならないといけない」「最低でも○年は主任を経験しないといけない」といった、何の根拠にも基づかない基準をなくし、年齢の別なく能力や資質のある人を責任者に登用する。この辺りの動きも活発です。
 くわえて性的マイノリティや外国人、障碍を持つ人が不当に差別されない組織。この辺りが、世の企業がアピールしているDEI推進の主要な施策と思っています。

マイノリティの救済だけがDEIか?

 若手や女性、マイノリティの活躍。国内の多くの企業においてこういった方々が冷遇されてきたのは事実。何よりこういった施策は見た目も派手で耳障りが良く、市場におけるマーケティングとしても非常に有用です。何もやらないよりは、どんどんやった方が良い。
 ただ一方で思うのは「それだけでエエんか」ということです。マジョリティの中にも上司との折が合わなかったり、配属された部署が日陰ゆえに万全に能力を発揮できていない人も、山ほど居る。
 そういった人を置き去りにして、例えば女性活躍を推進しても、「彼女は下駄を履かせてもらったから」と針のむしろにしかならない。そういった誹謗中傷に耐えられる女性しか活躍できないのであれば、それは真のDEIとは言えません。
 また、いくら会社が「若手や女性の活躍を推進する」と謳っても、身近に居る「そうなれなかった先輩たち」が死んだ魚のような目をしている組織に、次の世代が希望を抱いて未来を託してくれるとは到底思えません。

補足:DEI推進のために女性や若手を一定数登用する、いわゆるクオータ制を否定するものではありません。むしろ「明らかに偏った組織」においては短期的にはどんどん指標を設けて推進すべきと思います。

真に目指すべきは自身の「ありたい姿」とのギャップの解消ではないか

 男性だろうと女性だろうと、「責任者なんて柄に合わないし、ヒラでいいから日銭を稼いで趣味や複業をがんばりたい」という人も居るでしょうし、「責任者までは考えられないが、せめて一定の自己裁量とやりがいのある主任級の仕事をしてみたい」と言う人も居るはずです。一方で「私は是が非でも経営者を目指したい」と言う人も居るでしょう。
 こういった百人百様の「自身のありたい姿」に対し、性別や年齢など、個人の力でどうする事もできないパラメーターによって非合理的かつ不条理に「そこへ至る道が阻害される」事に問題があると考えています。

「ありたい姿」とのギャップの解消のためにすべきこと

 ではどうすればいいか? まだ確かな答えは出ていませんが、概ね以下の3点に集約されるのではないかと考えています。

①個人の「ありたい姿」を引き出し、明らかにするための仕組み
②「ありたい姿」に至るキャリアパス実現を、組織としてサポートできる仕組み
③性別や人種・年齢によらない、個人の実績や能力・ポテンシャルを公平に評価する仕組み


 これから自社でDEI推進に携わっていくことになりますが、ただ単に「今活躍している女性や若手の成功談・失敗談」のシェアに留まるのでない、全ての人が自分の未来を賭けたくなる、そんな組織を目指していきたいと思います。

 本日は以上です。長文駄文失礼しました。
 まだ私自身考えが深められていないので、もう少し考えがまとまったら、また続編を綴りたいと思います。

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松尾 和世司 (MATSUO Kazuyoshi)
パナソニック インフォメーションシステムズ株式会社にて、B2Bマーケティングを実践中。 過去に製造業向けデータセンター運用、社内複業で組織の働きがい改革やデジタルリテラシー向上に従事。 投稿内容は全て個人の見解であり、所属する組織・団体とは一切関係ありません。