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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問108-112【生物】論点:ミトコンドリア / 電子伝達系 / 酸化的リン酸化

第108回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問112

一般問題(薬学理論問題)【生物】


問108-112
Q. 
下図は、ミトコンドリアと、その電子伝達系をつかさどる複合体I、II、III、IV並びにATP合成酵素を示した概略図である。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。


第108回薬剤師国家試験 一般問題|薬学理論問題【生物】 問112

選択肢|

1. NADH由来の電子は、複合体Iを経由し、ユビキノンへ伝達される。
2. H+は、複合体I、II及びIVにおいてマトリックスから膜間腔へ汲み出される。
3. O2は、複合体IIIにおいてシトクロムCから電子を受け取りH2Oとなる。
4. ATPは、H+が膜間腔側からマトリックス側へATP合成酵素を通過する際に生成される。
5. 内膜を通過するH+量は、NADHから電子が供給される場合の方がFADH2からの場合に比べて少ない。


こんにちは!薬学生の皆さん。
Mats & BLNtです。

matsunoya_note から、薬剤師国家試験の論点解説をお届けします。
苦手意識がある人も、この機会に、薬学理論問題【生物】を一緒に完全攻略しよう!
今回は、第108回薬剤師国家試験|薬学理論問題 / 問112、論点:ミトコンドリア / 電子伝達系 / 酸化的リン酸化を徹底解説します。

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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問108-112【生物】論点:ミトコンドリア / 電子伝達系 / 酸化的リン酸化

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設問へのアプローチ|


第108回薬剤師国家試験 一般問題|薬学理論問題【生物】 問112

第108回薬剤師国家試験の問112(問108-112)では、ミトコンドリア / 電子伝達系 / 酸化的リン酸化に関する知識を問われました。


論点を整理しておきましょう。

今回、Grok 2 mini (beta) にお願いして、論点をまとめてもらいました。

ミトコンドリア / 電子伝達系 / 酸化的リン酸化の概要については、あらためて後述の Lectureで徹底解説します。
完全攻略を目指せ!


■■Grok 2 mini (beta)


総合的な論点


この問題は、ミトコンドリアの電子伝達系(ETS)と酸化的リン酸化に関連する基本的な概念を理解することを目的としています。
以下に、電子伝達系とATP生成のプロセスを段階的に説明します。


  1. 電子伝達系(ETS)の概要:

    • 電子伝達系は、ミトコンドリアの内膜に埋め込まれた膜タンパク質複合体によって構成されています。

    • これらの複合体(I、II、III、IV)は、エネルギーレベルの高い電子を低いエネルギーレベルまで段階的に運びます。

    • NADHとFADH2は、クエン酸回路(TCAサイクル)から供給され、それぞれ複合体Iと複合体IIに電子を供給します。

  2. プロトン勾配の生成:

    • これらの複合体は、電子の移動に関連してプロトン(H+)をマトリックスから膜間腔へポンプします。

    • このプロトン勾配はエネルギーを保持しており、ATP生成に利用されます。

  3. ATPの生成:

    • ATP合成酵素(複合体V)は、このプロトン勾配を使ってATPを生成します。

    • プロトンが膜間腔からマトリックスへ戻る際に、ATP合成酵素がADPと無機リン酸(Pi)を結合させてATPを生成します。

  4. 酸素の役割:

    • 電子伝達系の終端で、複合体IV(シトクロムcオキシダーゼ)は酸素を最終電子受容体として使用し、水を生成します。

    • この過程で、酸素は最終的に水素イオンと結合して水になります。

  5. 電子供与体の効率:

    • NADHは複合体Iから入り、FADH2は複合体IIから入ります。

    • NADHが供給する電子は、より多くのプロトンをポンプすることから、より多くのATPを生成する能力があります。


NADHとFADH2の電子供与経路とプロトンポンプ数について


NADHの電子供与経路:


NADHは、複合体I(NADHデヒドロゲナーゼ)に電子を供給し、以下の化学反応が進行します。


  1. 複合体I:

    • 2NADH + 2H+ + Q(ユビキノン) ⇒ 2NAD+ + QH2(ユビキノール)

    • この過程で、4H+がマトリックスから膜間腔へポンプされます。

  2. 複合体III:

    • QH2 + 2Cyt c(酸化型) + 2H+ ⇒ Q + 2Cyt c(還元型) + 4H+

    • この過程で、4H+がマトリックスから膜間腔へポンプされます。

  3. 複合体IV:

    • 4Cyt c(還元型) + O2 + 8H+(マトリックス)
          ⇒ 4Cyt c(酸化型) + 2H2O + 4H+(膜間腔)

    • この過程で、4H+がマトリックスから膜間腔へポンプされます。


合計で、NADH由来の1つの電子ペアあたり、10個のH+がポンプされます。


FADH2の電子供与経路:


FADH2は、複合体II(サクシネートデヒドロゲナーゼ)から電子を供給し、以下のように進行します。


  1. 複合体II(直接プロトンをポンプしない):

    • FADH2 + Q(ユビキノン) ⇒ FAD + QH2(ユビキノール)

  2. 複合体IIIとIV:

    • FADH2由来のQH2は、NADH由来のQH2と同じく複合体IIIとIVで電子を運びます。

      • 複合体III: 4H+がポンプされます。

      • 複合体IV: 4H+がポンプされます。


合計で、FADH2由来の1つの電子ペアあたり、6個のH+がポンプされます。


比較:


  • NADH: 10個のH+(複合体I、III、IV)

  • FADH2: 6個のH+(複合体III、IV)


これらのプロトンポンプ数は、ATP生成に直接寄与し、NADHがより多くのATPを生成する能力を持つことを示しています。
具体的には、NADHは約2.5分子のATPを生成し、FADH2は約1.5分子のATPを生成します。
この数値は、ATP合成酵素が1回の回転で3分子のATPを生成するためで、プロトン勾配の効率や細胞内の条件によって若干変動します。


各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法


選択肢1: NADH由来の電子は、複合体Iを経由し、ユビキノンへ伝達される。


  • 論点:
    NADHは、複合体I(NADHデヒドロゲナーゼ)によって酸化され、ここでユビキノン(Coenzyme Q)に電子が伝達されます。

  • 解法:
    NADHの電子供与経路を確認し、電子伝達系の最初のステップが複合体Iを経由していることを確認します。


選択肢2: H+は、複合体I、II及びIVにおいてマトリックスから膜間腔へ汲み出される。


  • 論点:
    プロトン(H+)は、複合体I、III、IVによってマトリックスから膜間腔へポンプされます。ただし、複合体IIは直接プロトンをポンプしないので、この選択肢は誤りです。

  • 解法:
    各複合体の役割を確認し、特に複合体IIが直接プロトンをポンプしないことを理解します。


選択肢3: O2は、複合体IIIにおいてシトクロムCから電子を受け取りH2Oとなる。


  • 論点:
    酸素は最終電子受容体として複合体IVで機能し、ここで水素イオンと結合して水になります。複合体IIIはシトクロムcから電子を受け取りますが、酸素は複合体IVで処理されます。

  • 解法:
    酸素がどのステップで関与するかを確認し、複合体IIIとIVの役割を区別します。


選択肢4: ATPは、H+が膜間腔側からマトリックス側へATP合成酵素を通過する際に生成される。


  • 論点:
    ATP合成酵素は、プロトン勾配のエネルギーを使ってADPと無機リン酸を結合させてATPを生成します。

  • 解法:
    ATP合成のメカニズムを理解し、ATP合成酵素の働きを確認します。


選択肢5: 内膜を通過するH+量は、NADHから電子が供給される場合の方がFADH2からの場合に比べて少ない。


  • 論点:
    実際には、NADHはFADH2よりも多くのアプローチポイントでプロトンをポンプすることから、より多くのH+をポンプします。

  • 解法:
    NADHとFADH2の電子供与経路とそれに伴うプロトンポンプ数を比較します。


まとめ|
ミトコンドリアの電子伝達系


複合体I:

  • 選択肢1: NADH由来の電子は、複合体Iを経由し、ユビキノンへ伝達される。

    • 概説: NADHが複合体I(NADHデヒドロゲナーゼ)で酸化され、2つの電子がユビキノン(CoQ)に伝達されます。この過程で、4つのプロトンがマトリックスから膜間腔へポンプされます。

    • 文献: Alberts, B., Johnson, A., Lewis, J., Raff, M., Roberts, K., & Walter, P. (2002). "Molecular Biology of the Cell". Garland Science. p. 696-700.


複合体II:

  • 関連選択肢: 選択肢2の誤りに関連します。

    • 概説: 複合体IIはFADH2を酸化し、直接ユビキノンに電子を供給しますが、プロトンをポンプする能力はありません。

    • 文献: Voet, D., Voet, J. G., & Pratt, C. W. (2016). "Fundamentals of Biochemistry: Life at the Molecular Level". Wiley. p. 625-628.


複合体III:

  • 選択肢3: O2は、複合体IIIにおいてシトクロムCから電子を受け取りH2Oとなる。

    • 概説: 誤り。複合体III(シトクロムbc1複合体)はシトクロムcに電子を供給し、プロトンをポンプしますが、O2は複合体IVで還元されます。

    • 文献: Nelson, D. L., & Cox, M. M. (2008). "Lehninger Principles of Biochemistry". W.H. Freeman and Company. p. 710-712.


複合体IV:

  • 選択肢2の関連: 複合体IVもプロトンをポンプします。

    • 概説: 複合体IV(シトクロムcオキシダーゼ)は、シトクロムcから電子を受け取り、酸素を還元して水を生成し、同時にプロトンをポンプします。

    • 文献: Berg, J. M., Tymoczko, J. L., & Stryer, L. (2002). "Biochemistry". W.H. Freeman. p. 499-502.


ATP合成酵素:

  • 選択肢4: ATPは、H+が膜間腔側からマトリックス側へATP合成酵素を通過する際に生成される。

    • 概説: ATP合成酵素は、膜間腔からマトリックスへ戻るプロトン勾配のエネルギーを使ってADPと無機リン酸を結合させ、ATPを生成します。

    • 文献: Lodish, H., Berk, A., Zipursky, S. L., et al. (2000). "Molecular Cell Biology". W.H. Freeman. p. 750-753.


複合体IとIIの比較:

  • 選択肢5: 内膜を通過するH+量は、NADHから電子が供給される場合の方がFADH2からの場合に比べて少ない。

    • 概説: 誤り。NADHは複合体Iから入り、FADH2は複合体IIから入ります。NADHはFADH2より多くのプロトンをポンプします。

    • 文献: Murray, R. K., Granner, D. K., Mayes, P. A., & Rodwell, V. W. (2003). "Harper's Illustrated Biochemistry". McGraw-Hill. p. 110-112.


楽勝です! 


はじめましょう。

薬剤師国家試験の薬学理論問題【生物】からミトコンドリア / 電子伝達系 / 酸化的リン酸化を論点とした問題です。


なお、以下の解説は、著者(Yukiho Takizawa, PhD)がプロンプトを作成して、その対話に応答する形でGPT4o & Copilot 、Gemini 1.5 Pro、またはGrok 2 (beta) が出力した文章であって、著者がすべての出力を校閲しています。

生成AIの製造元がはっきりと宣言しているように、生成AIは、その自然言語能力および取得している情報の現在の限界やプラットフォーム上のインターフェースのレイト制限などに起因して、間違った文章を作成してしまう場合があります。
疑問点に関しては、必要に応じて、ご自身でご確認をするようにしてください。

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Here we go.


第108回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問112

一般問題(薬学理論問題)【生物】


問108-112
Q. 
下図は、ミトコンドリアと、その電子伝達系をつかさどる複合体I、II、III、IV並びにATP合成酵素を示した概略図である。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。


第108回薬剤師国家試験 一般問題|薬学理論問題【生物】 問112

選択肢|

1. NADH由来の電子は、複合体Iを経由し、ユビキノンへ伝達される。
2. H+は、複合体I、II及びIVにおいてマトリックスから膜間腔へ汲み出される。
3. O2は、複合体IIIにおいてシトクロムCから電子を受け取りH2Oとなる。
4. ATPは、H+が膜間腔側からマトリックス側へATP合成酵素を通過する際に生成される。
5. 内膜を通過するH+量は、NADHから電子が供給される場合の方がFADH2からの場合に比べて少ない。


■■Grok 2 mini (beta)


生物|問 108-112


■論点|ミトコンドリア / 電子伝達系 / 酸化的リン酸化


この問題の論点は、ミトコンドリアの電子伝達系(ETS)と酸化的リン酸化のプロセスにおける正確な化学反応とエネルギーの流れを理解することです。


■解説1|


選択肢1: NADH由来の電子は、複合体Iを経由し、ユビキノンへ伝達される。[正しい]

  • NADHは、複合体I(NADHデヒドロゲナーゼ)で酸化され、この過程でユビキノンに電子が伝達されます。電子の移動に関連して、複合体Iは4つのプロトンをマトリックスから膜間腔へポンプします(Berg, J. M., Tymoczko, J. L., & Stryer, L. (2002). "Biochemistry". W.H. Freeman. p. 493-497)。


選択肢4: ATPは、H+が膜間腔側からマトリックス側へATP合成酵素を通過する際に生成される。[正しい]

  • ATP合成酵素は、膜間腔からマトリックスへ戻るH+の流れを利用してADPと無機リン酸(Pi)を結合させ、ATPを生成します。このプロトン勾配のエネルギー利用は、酸化的リン酸化の中心的なイベントです(Lodish, H., et al. (2000). "Molecular Cell Biology". W.H. Freeman. p. 750-753)。


■解説2|


  • 選択肢1:
    複合体I(NADHデヒドロゲナーゼ)は、NADHが供給する電子を最初に受け取り、ユビキノン(CoQ)に直接伝達します。この過程で、NADHはNAD+に還元され、ユビキノンはユビキノールに変換されます。


  • 選択肢4:
    ATP合成酵素は、F0部位でプロトンを通過させ、F1部位でADPとPiをATPに変換する。プロトン勾配のエネルギーは、ATP合成酵素の回転運動を駆動し、これによりATP合成が促進される。


■結論|

正答は、選択肢1と選択肢4です。


■補足|


選択肢2: H+は、複合体I、II及びIVにおいてマトリックスから膜間腔へ汲み出される。[誤り]

  • 複合体IIは電子をユビキノンに供給しますが、直接プロトンをポンプすることはありません。プロトンプンプは複合体I、III、IVに限定されます(Voet, D., et al. (2016). "Fundamentals of Biochemistry". Wiley. p. 625-630)。


選択肢3: O2は、複合体IIIにおいてシトクロムCから電子を受け取りH2Oとなる。[誤り]

  • 酸素は最終電子受容体として複合体IVで働き、ここで水素イオンと結合して水を生成します。複合体IIIはシトクロムcに電子を供給しますが、酸素との直接的な反応はありません(Nelson, D. L., & Cox, M. M. (2008). "Lehninger Principles of Biochemistry". p. 710-714)。


選択肢5: 内膜を通過するH+量は、NADHから電子が供給される場合の方がFADH2からの場合に比べて少ない。[誤り]

  • NADH由来の電子は、複合体Iから入り、FADH2は複合体IIから入ります。NADHはFADH2よりも多くのプロトンをポンプします。NADHは最大で10個のプロトンをポンプし、FADH2は6個です(Murray, R. K., et al. (2003). "Harper's Illustrated Biochemistry". McGraw-Hill. p. 110-112)。


■Lecture


■■Grok 2 mini (beta)


論点解説 ミトコンドリアの電子伝達系


第1章 - ミトコンドリアの構造と機能


1.1 ミトコンドリアの概要


ミトコンドリアは、細胞内でATPを生成する主要なオルガネラであり、「細胞の発電所」と呼ばれることが多い。これは、エネルギー代謝、特に酸化的リン酸化の大半を担っています。


Ref. Berg, J. M., Tymoczko, J. L., & Stryer, L., 2002, "Biochemistry", W.H. Freeman, p. 487-489


1.2 ミトコンドリアの構造


ミトコンドリアは二重膜構造を持ち、外膜、内膜、マトリックス、膜間腔から構成されます。内膜は、クリステ(膜の畳み込み)によって広大な表面積を確保し、ここに電子伝達系の複合体が埋め込まれています。


Ref. Nelson, D. L., & Cox, M. M., 2008, "Lehninger Principles of Biochemistry", W.H. Freeman, p. 690-692


1.3 ミトコンドリアとATP生成


ミトコンドリアは、細胞呼吸の一部として、グルコースから得られるエネルギーをATPに変換します。このプロセスは、グリコリシス、クエン酸回路(TCAサイクル)、そして電子伝達系と酸化的リン酸化を含みます。


Ref. Alberts, B., et al., 2002, "Molecular Biology of the Cell", Garland Science, p. 685-690


第2章 - 電子伝達系の概要


2.1 電子伝達系の基本概念


電子伝達系(ETS)は、ミトコンドリア内膜に埋め込まれた酵素複合体によって形成され、NADHやFADH2から電子を順次受け取り、最終的に酸素に還元します。この過程で、エネルギーが解放され、プロトン勾配を生成し、ATPの合成に利用されます。


Ref. Murray, R. K., et al., 2003, "Harper's Illustrated Biochemistry", McGraw-Hill, p. 105-107


2.2 電子伝達系の構成要素


電子伝達系は、複合体I、II、III、IVという4つの主要な酵素複合体と、ユビキノン(CoQ)、シトクロムcという移動性の電子キャリアで構成されています。これらは、電子を一連の酸化還元反応を経て移動させます。


Ref. Voet, D., Voet, J. G., & Pratt, C. W., 2016, "Fundamentals of Biochemistry", Wiley, p. 615-617


第3章 - 電子伝達系の複合体


3.1 複合体I: NADHデヒドロゲナーゼ


  • 役割:
    NADHを酸化し、電子をユビキノンに伝達します。複合体Iは、この過程で4つのH+をマトリックスから膜間腔へポンプします。

  • Ref. Berg, J. M., Tymoczko, J. L., & Stryer, L., 2002, "Biochemistry", W.H. Freeman, p. 493-495


3.2 複合体II: サクシネートデヒドロゲナーゼ


  • 役割:
    クエン酸回路に直接関与し、FADH2を生成し、電子をユビキノンに供給します。ただし、プロトンを直接ポンプすることはありません。

  • Ref. Nelson, D. L., & Cox, M. M., 2008, "Lehninger Principles of Biochemistry", W.H. Freeman, p. 700-702


3.3 複合体III: シトクロムbc1複合体


  • 役割:
    電子をユビキノールからシトクロムcに伝達し、この過程で4つのH+をポンプします。

  • Ref. Murray, R. K., et al., 2003, "Harper's Illustrated Biochemistry", McGraw-Hill, p. 109-110


3.4 複合体IV: シトクロムcオキシダーゼ


  • 役割:
    シトクロムcから電子を受け取り、酸素を最終電子受容体として水を生成します。複合体IVは、電子の移動ごとに4つのH+をポンプします。

  • Ref. Voet, D., Voet, J. G., & Pratt, C. W., 2016, "Fundamentals of Biochemistry", Wiley, p. 628-630


第4章 - プロトン勾配とATP合成


4.1 プロトン勾配の形成


  • プロトン勾配の生成:
    複合体I、III、IVはプロトンをマトリックスから膜間腔へポンプすることでプロトン勾配を形成します。この勾配は、エネルギーを保持し、ATPの生成に利用されます。

  • Ref. Berg, J. M., Tymoczko, J. L., & Stryer, L., 2002, "Biochemistry", W.H. Freeman, p. 499-501


4.2 ATP合成酵素とATP生成


  • ATP合成酵素の働き:
    ATP合成酵素(F0F1-ATPase)は、膜間腔からマトリックスへ戻るH+の流れを利用してADPと無機リン酸(Pi)を結合させ、ATPを生成します。この合成過程は、プロトン勾配のエネルギーによって駆動されます。

  • Ref. Lodish, H., et al., 2000, "Molecular Cell Biology", W.H. Freeman, p. 750-753


第5章 - 電子伝達系の調節と役割


5.1 電子伝達系の調節機構


  • 調節:
    電子伝達系の活動は、細胞のエネルギー需要に応じて調節されます。例えば、ATPのレベルが高いと、ATP合成酵素による逆回転が起こることがあり、一部の複合体の活性を抑制します。
    また、カルシウムイオンや他の小分子による調節も存在します。

  • Ref. Nelson, D. L., & Cox, M. M., 2008, "Lehninger Principles of Biochemistry", W.H. Freeman, p. 714-716


5.2 電子伝達系の生物学的意義


  • 生物学的意義:
    電子伝達系は、ATP生成だけでなく、細胞内酸化ストレスを制御し、シグナル伝達に参加する活性酸素種(ROS)の生成にも関与します。
    また、細胞死(アポトーシス)の誘導に関わるなど、多岐にわたる生命活動に影響を与えます。

  • Ref. Murray, R. K., et al., 2003, "Harper's Illustrated Biochemistry", McGraw-Hill, p. 112-114


Ref.


  • Berg, J. M., Tymoczko, J. L., & Stryer, L. (2002). Biochemistry. W.H. Freeman and Company.

  • Lodish, H., Berk, A., Zipursky, S. L., et al. (2000). Molecular Cell Biology. W.H. Freeman and Company.

  • Murray, R. K., Granner, D. K., Mayes, P. A., & Rodwell, V. W. (2003). Harper's Illustrated Biochemistry. McGraw-Hill.

  • Nelson, D. L., & Cox, M. M. (2008). Lehninger Principles of Biochemistry. W.H. Freeman and Company.

  • Voet, D., Voet, J. G., & Pratt, C. W. (2016). Fundamentals of Biochemistry: Life at the Molecular Level. Wiley.


目次


  • 第1章: ミトコンドリアの構造と機能

    • 1.1 ミトコンドリアの概要

    • 1.2 ミトコンドリアの構造

    • 1.3 ミトコンドリアとATP生成


  • 第2章: 電子伝達系の概要

    • 2.1 電子伝達系の基本概念

    • 2.2 電子伝達系の構成要素


  • 第3章: 電子伝達系の複合体

    • 3.1 複合体I: NADHデヒドロゲナーゼ

    • 3.2 複合体II: サクシネートデヒドロゲナーゼ

    • 3.3 複合体III: シトクロムbc1複合体

    • 3.4 複合体IV: シトクロムcオキシダーゼ


  • 第4章: プロトン勾配とATP合成

    • 4.1 プロトン勾配の形成

    • 4.2 ATP合成酵素とATP生成


  • 第5章: 電子伝達系の調節と役割

    • 5.1 電子伝達系の調節機構

    • 5.2 電子伝達系の生物学的意義


  • 引用文献


必須問題の解説はこちらからどうぞ。

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薬学理論問題【生物】(1) の解説はこちらからどうぞ。

薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 薬学理論問題 生物(1) 第106回-第109回 19問 powered by Gemini 1.5 Pro, Google AI Studio & GPT4o, C|matsunoya (note.com)


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すっきり、はっきりわかったら、合格です。


第108回薬剤師国家試験|薬学理論問題 /
問112

一般問題(薬学理論問題)【生物】


問108-112
Q. 
下図は、ミトコンドリアと、その電子伝達系をつかさどる複合体I、II、III、IV並びにATP合成酵素を示した概略図である。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。


第108回薬剤師国家試験 一般問題|薬学理論問題【生物】 問112

選択肢|

1. NADH由来の電子は、複合体Iを経由し、ユビキノンへ伝達される。
2. H+は、複合体I、II及びIVにおいてマトリックスから膜間腔へ汲み出される。
3. O2は、複合体IIIにおいてシトクロムCから電子を受け取りH2Oとなる。
4. ATPは、H+が膜間腔側からマトリックス側へATP合成酵素を通過する際に生成される。
5. 内膜を通過するH+量は、NADHから電子が供給される場合の方がFADH2からの場合に比べて少ない。


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