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脚本25「転校生は遠藤君」

《こんな転校生は嫌だ》


●登場人物
◯千丈(せんじょう)
◯花笠(はながさ)
◯遠藤ティーレックス

●花笠は教室で机に座っている。朝のホームルームが始まる。千丈先生が入る。

千丈「みんなおはよう!」

●勢いよく開けたドアが戻ってきて千丈が見えなくなる。

千丈「みんなおはよう! 今日も朝から元気に行こう!」
花笠「言い直したよ!」
千丈「今日は新しいお友達を紹介するぞぉ」
花笠「幼稚園みたいな言い方やめてぇ」
千丈「さぁ、入りなさい遠藤君」

●遠藤が教室に入ってくる。

遠藤「遠藤ティーレックスです」
花笠「ティーレックス!? すげぇ名前だな!」
遠藤「ガオ」
花笠「ガオて!」
遠藤「おふざけはこの辺にしてやろう」
花笠「ふざけまくってんな」
遠藤「貴様の名は?」
花笠「貴様ぁ!? てか目ぇつけられちゃったよ!」
遠藤「電光石火、それは即ちハーツonハーツ」
花笠「……は?」
千丈「良かったなぁ遠藤~、もう心の友ができたかぁ!」
遠藤「エスケープof the ジューンブライド」
千丈「結婚式に乱入して連れ出されるような、ドラマチックな出会いを花笠に感じたそうだ」
花笠「この数秒で俺に何を感じたのさ! しかもそれすっげぇ迷惑な出来事」
遠藤「スタンド」
花笠「急にジョジョ立ちしたぁ!」
遠藤「桜を乗せた春風が、純白の雪原を超えてゆく。桃源郷へようこそ花笠君」
花笠「意味わかんねぇよ……」
千丈「これからよろしくね、花笠君。と言ってるんだから答えてやりなさい。冷たいぞ冷酷人間か」
花笠「生徒に向かってひでぇこと言うなあんた」
遠藤「箱庭の侵略者」
千丈「校内の案内を」
遠藤「サバイバー花笠」
千丈「花笠君にしてもらいたい」
花笠「嫌だよ、意思疎通ができない」
遠藤「ヘイ、Mr.サンシャイン。俺と一緒に時を駆けようぜ」
花笠「時を駆ける?」
千丈「そこの照屋さん、俺と一緒に時を駆けようぜ」
花笠「そこがわかんねぇんだよ!」
遠藤「スタンド」
花笠「だから何なんだよそれ」
千丈「おれの力になってほしいとさ」
花笠「あ、さっきからそれ、そういうことだったのね」
遠藤「薫風漂う魅惑の舞台。妖精の宴は開かれる」
千丈「食堂はどこかな、昼時はさぞかしさぞかし賑わうのだろう」
花笠「さぞかしなんで二回言った」
遠藤「ミストーク」
花笠「先生、違うみたいですよ」
遠藤「花笠君。ハーツonハーツ」
花笠「やめろよ、触るなよ」
遠藤「追憶の江戸切子、カッシャァン」
花笠「ついに擬音入れてきたな」
千丈「ここが食堂だ」
遠藤「ミストーク……」
花笠「薫風ってさ……トイレのこと?」
遠藤「ハーツonハーツ」
花笠「なんとなくわかっちゃったのがすっごい嫌だ」
千丈「ハーツon、ハーツ、花笠」
花笠「かっこつけてんじゃねーぞおっさんよぉあぁん!?」
千丈「革命の愚民よ、我は全知全能の神ぞ」
遠藤「生徒の癖に教師になんて口の利き方だ。ってさ」
花笠「普通に喋れんのかよ!」
千丈「神に隷属せよ」
花笠「蔑みがすげぇ! 教師だろ!」
遠藤「生徒は教師の下僕だそうだ」
花笠「何となく想像ついたわ!」
千丈「ふはははは、我が洗脳の時が迫る。帰還せよ!」
遠藤「先生の授業が始まるから教室に戻るぞーってさ」
花笠「先生がおかしくなっちゃったよぉ!」

おわり

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