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松本山雅 2021シーズン“裏”新体制発表会を開催しました|前編


松本山雅(以下、山雅)は1月11日(月・祝)、松本山雅 2021年シーズン“裏”新体制発表会を開催しました。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を鑑み、公式YouTubeチャンネルでライブ配信。長野県内メディア関係者の方々のみ、会場である喫茶山雅(松本市)にお越しいただけるようご案内しました。

▼アーカイブ動画はこちら:

“裏”新体制発表会とは

松本山雅FCはJリーグの中でも「地域との繋がりが強いチーム」として評価いただいています。2020年も、「スマイル山雅農業プロジェクト」をはじめ地域の子どもたちに向けた運動教室「バルシューレ」や、試合で訪れたアウェイサポーターに地域に触れてもらう「松本山雅ジャーニー」「あやまる」など、地域の一員として様々な活動を行ってきました。

2021年、「地域と共に」成長する松本山雅の取り組みを伝えていくため、サポーターの方々だけでなく、地域の方々、メディアの皆さまに向けて、2020年の地域活動をご報告するとともに、2021年の取り組みの展望や、松本山雅が目指す地域との関係性についてご説明する機会を設けました。

“裏”新体制発表会というネーミングは、同日に行われたトップチームの新体制発表会にちなんだもの。
プロサッカークラブとしての方針だけでなく、もうひとつの山雅の側面であるサッカーを通した地域との取り組みについて発表をするという意味合いでそう名付けました。

当日は、株式会社松本山雅から代表取締役社長神田文之、渡邉はるか(コミュニティ推進部)、星野亜紀子(経営企画室)、薄隅雄樹(事業本部)、NPO法人松本山雅スポーツクラブから今井昌太、また松本短期大学の白金俊二准教授が登壇。事業PRパートナーquod,LLC共同代表の中川雅俊がファシリテーターとして会を進行しました。

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 ▼目次
 (前編)
 ■「地域と共に」
  ・松本山雅の歴史
  ・「地域がチームを強くする、チームが地域を良くする」
 ■山雅が目指す地域の役割

 (後編)
 ■地域での取り組み
  ・「農業」
  ・「観光」
  ・「教育」
 ■事業、集客について
 ■地域プロジェクトのパートナー
 ■「二推しに山雅」企画
 ■おわりに

「地域と共に」

山雅が2019年に行ったホームタウン活動・地域活動の数は649に及びます。2020年も、コロナ渦でありながら約450のホームタウン活動を行いました。

「ホームタウン活動」とは、Jリーグが推進する地域貢献活動。一方で山雅の場合は、地域に貢献するだけでなく、地域からも貢献してもらってきたクラブであると私たちは考えています。
これは、山雅にとって地域が重要な存在であるということ。「地域のために」ではなく、「地域と共にある」「地域と共に成長する」、そんなプロスポーツチームと地域との関係を目指しています。

なぜ、山雅にとって「地域」がここまで重要なキーワードなのか。クラブの歴史から、それを紐解いていきたいと思います。

松本山雅の歴史

山雅の始まりは、昔松本市内にあった小さな喫茶店「純喫茶山雅」。喫茶店の常連客だった国体サッカー長野県選抜メンバーが集まり、現在の松本山雅FCの前身となる松本山雅フットボールクラブが結成されました。

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2001年に現在のホームスタジアムであるアルウィンが竣工し、クラブの歴史が大きく変わりました。翌年の2002年、日韓W杯の前にパラグアイ代表がキャンプでスタジアムを訪れた際、キャプテンの(ホセ・ルイス)チラベルト選手が「こんなに素晴らしいスタジアムがあるのに、どうして地元にプロサッカークラブが無いんだ?」と言ったそう。

『ならば、松本のチームを本気で作ろう』と盛り上がり、2004年に山雅サッカークラブを母体に、松本青年会議所をはじめ松本地方の有志が「NPO法人 アルウィンスポーツプロジェクト」を発足。松本にJリーグチームを目指す夢がスタートしました。

その後、地元企業がスポンサーについてくれたことや、地域の皆さんの後押しで2005年から少しずつメンバーが増えていきました。

地域の頑張りに応えるようにチームも成長。大きな転機は、2009年、当時地域リーグの山雅が天皇杯で浦和レッズに勝利し、ジャイアントキリングを起こしたことです。これをきっかけに、サッカーに関心のなかった地域の方々や松本市長までもが山雅を応援するようになってくれました。

そうしてサッカーに対する地域の熱が高まってきたことで、スポンサーの数も少しずつ増えていき、有力選手の獲得やJリーグ初年度の2012年から反町康治監督を迎えました。

2007年に平均2000人台だった観客動員が、2009年には5000人になり、2013年には1万人を突破するようになりました。

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初めてJ1に昇格した2014年の最終戦では、北信越1部、JFL、J2のそれぞれの昇格時にサポーターと一体となって四方のスタンドから紙テープを投げ込む恒例儀式 ”歓喜のグリーンシャワー”が行われ、松本市の中心市街地で行われた昇格記念パレードには計5万人の市民やサポーターが参加。地域が一緒になってお祝いしてくれました。このように、小さな喫茶店からスタートしたクラブがJ1のステージで戦えるまでに成長したのは、チームや選手の力だけではなく、サポーター、そして地域の力が大きく影響しています。
松本山雅のストーリーにおいては「地域」が不可欠な存在だったのです。

「地域がチームを強くする、チームが地域を良くする」

これは、山雅がめざすプロスポーツと地域の関係性。地域のおかげで成長してきた山雅は、これからも地域とともに成長していき、そして山雅の存在が地域を良くしていく。

「地域と共にある」ことこそが山雅のアイデンティティであり、これからもこの関係を強く築いていきたいと考えています。

山雅が目指す地域の役割

そんな山雅が地域の一員として、地域にとってどんな役割を担っていこうとしているのか。「地域を良くする」とは具体的にどういうことなのか。

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①地域のコミュニティのハブとなって活動していくこと

2018年から、地域の様々なステークホルダーが山雅をきっかけに重なっていけるような「ハブ構想」を進めています。一緒にアクションを起こし、その活動のなかで結びついていくという繋がり。
代表的な事例として、地域の農業従事者、農産物の直売所、障がい福祉サービス事業所と連携して地域の遊休農地を活用した農業プロジェクトを進めています。

②地域のPRマンになること

山雅が試合に勝てば注目が集まりますし、それだけでなく、フィールド外でも地域でアクションを起こし、情報発信していくことで、地域全体への関心につながると考えています。

例えば一昨年から取り組んでいる、試合に訪れたアウェイサポーターに地域の魅力に触れてもらうツアー・松本山雅ジャーニー
この取り組み自体もニュースになって、Jリーグのなかでも注目いただいたり、他の自治体からお問い合わせをいただいたりしています。

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(山雅が目指す地域の循環「OneSoulマネジメントサイクル」の図)

人口減少、高齢化社会、産業の衰退など、地方には様々な課題があります。山雅が拠点をおく信州も、もれなく様々な課題を抱えています。課題解決のための一助として、「地域資源」ともいえる、山雅をはじめとするプロスポーツチームを活用してもらいたいのです。スポーツをきっかけにした、地域循環をつくっていきたいと考えています。

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そして、この地域循環を目指して活動してきた結果、地域との関係が少しづつ形になってきました。
これまでの活動の中で見えてきたものは、主に「農業」「観光」「教育」の三軸。
今後はよりこの3つの軸に注力して取り組んでいきます。

「後編」記事では、この3つについてこれまで取り組んできた具体的な活動と今後の展望を紹介します。

ライティング:quod,LLC 宮本倫瑠
編集:quod,LLC 柴田菜々


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