賞金問題、再び。

かなり久しぶりの更新となります。
ここ半年以上、とあるeスポーツプロジェクトに関わり、
朝早くから夜遅くまでびっちりと仕事してました。
とはいえ、ブラックではなく、グレーくらいな感じでした。

さて、久々の更新ですが、以前こちらでも書かせていただいた賞金問題についてですが、先日開催された東京ゲームショウ2019で、日本eスポーツ連合(以下、JeSU)から新たな発表がありました。
私が詳しく書いてもしょうがありませんので、各メディアの書かれた記事をご覧ください。

【JeSUからの発表】
https://www.4gamer.net/games/999/G999905/20190912087/

この発表を前に、消費者庁へのノンアクションレターも話題になっていましたね。
それも一応載せておきます。

【JeSUが出したノンアクションレター】
https://www.caa.go.jp/law/nal/pdf/info_nal_190805_0001.pdf?fbclid=IwAR0eqYmVfRZ1G4qumpA9MoZQUwMn0beYCbKXi6T6KDCaPRrXxzTESG2TSyg

賞金に関する発表については、有意義だったと個人的には思いました。
これまでプロのみに限られていた高額賞金の受け取りが、プロ以外も対象となること改めて発表した部分だけですが。

大手メディアの報道も含め、非常にインパクトのあるものでしたが、
発表後、また新たな問題を起こしてしました。

ご存じの方も多いとは思いますが、まとめサイトに詳細が記載されておりますので、ご存じでない方は以下からご確認ください。

【ももち選手のアジアプレミア優勝賞金は6万円だったことが判明「連絡が来て、60,200円になった。副賞のモニター代39,800円とあわせて合計10万円」】
http://chigesoku3.doorblog.jp/archives/55842503.html

【優勝賞金500万円のパズドラ大会で中学生が優勝するも、規定により全額没収になる】
https://togetter.com/li/1404632

どういうことでしょうか。
JeSUの発表をそのまま受ければ、賞金は受け取れるはずなのに・・・・。


実は、先日JeSUが消費者庁に出したノンアクションレターに、そのからくりがあったようです。
※ここからはあくまでも解釈が関わるところです。
 私は法律の専門家ではないので、あくあで一個人の読み取り方です。
 それが正しいという保証はありません。
 おそらく法律家の先生がいずれ詳しく説明してくれるでしょう。


ノンアクションレターの内容の中にある照会事項内に以下の記載があります。

「イ.賞金の提供先に資格制限を設けないが、一定の方法で参加者を限定した上で大会等の成績に応じて賞金を提供するケース

当該ケースにおける参加者は、上記のとおり、所定の審査基準に基づい
て大会等運営団体から審査を受けて、参加資格の承認を受けなければなら
ない。当該基準によって選抜される選手は、上記ア.と同様に、高い技術を
用いたゲームプレイの実技若しくは実演又はそれに類する魅力のあるパ
フォーマンスを行い、多数の観客や視聴者に対してそれを見せることが仕
事の内容として期待されており、大会等の競技性及び興行性の向上に資す
る者であることが類型的に保証されていると考えられる。そして、当該大
会等に参加する選手は、各試合を自らの業務として実施し、その報酬とし
て当該賞金をゲーム会社等から受領している。
したがって、本ケースにおいて賞金を受け取る可能性のある選手は、仕
事の内容として、高い技術を用いたゲームプレイの実技若しくは実演又は
それに類する魅力のあるパフォーマンスを行い、多数の観客や視聴者に対
してそれを見せ、大会等の競技性及び興行性を向上させることが求められ
ているといえる。
以上を総合するに、上記の仕事の内容等に照らすと、本ケースにおいて
大会等における成績に応じて参加者に提供される賞金は報酬等として相当
であり、ゲーム会社等が当該賞金を提供することは仕事の報酬等の提供に
該当することから、一般消費者の利益を保護する景表法の趣旨に反するも
のでない限りは、景表法上の景品類の提供にあたらないと考えられる。」

ここで問題なのは、

「当該ケースにおける参加者は、上記のとおり、所定の審査基準に基づい
て大会等運営団体から審査を受けて、参加資格の承認を受けなければなら
ない。」

という部分です。

つまり、

「高額賞金を受け取れる選手=大会運営団体からの審査で参加資格を持っている選手」

ということです。
審査を経て、参加資格を持っている選手=JeSU認定プロ選手。
それ以外の選手はこれまで通り、景表法に準じる賞金額しかもらえないってことです。

今回のストリートファイターVでいえば、
大会の運営団体=カプコン(だと思う。CPTプレミア大会なので。)だから、この場合、カプコンの審査で高額賞金を受け取っても良いという審査を経ているかが問題でした。

それを裏付けるようにJeSU東京支部のみぞぐち氏がこんなツイートしています。

【JeSUの東京支部事務局長・みぞぐち氏が、ももち選手の優勝賞金6万200円に言及「判断を下しているのはカプコンなので、JeSUがどうこう言うのは違うと思う。」】
http://chigesoku3.doorblog.jp/archives/55845764.html

ちなみにももち選手は、カプコンからプロ認定の推薦をもらっていたのですが、本人の意思で断っている過去があります。

もし上記が本当なのであれば、カプコンは審査基準を明確化していませんし、大会エントリー時にその説明を選手にしていないのは問題があるように思います。
結局はJeSU認定プロでなければ、高額賞金が受け取れない仕組みであれば、問題は何も解決していません。

プロ選手は自らの生きる時間を削ってゲームをプレイしています。
高額賞金獲得は彼らが生活するための一つの目的でありますが、それだけで彼らはプロになっているわけではないと思います。
自身がプレイするゲームが大好きで、自分のプレイを見てもらって、
ゲームを愛してくれる人を一人でも増やそうとしてくれているインフルエンサーです。
ルールはもちろんあります。
ですが、選手が幸せにならない賞金制度であれば、今一度見直していただきたい。
切にそう願います。

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