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『虎に翼』桂場の思い 美佐江・寅子の後悔

『虎に翼』マニアです


航一が
桂場の部屋に入ります
桂場は、
書類を読み込みながら
「何だ?」と静かに聞きます

航一は、
穂高先生が最高裁で争った
尊属殺人についての書類の束を机に置き
「もう一度
  見直していただきたいのです」と
こちらも静かに言います

轟と
よねさんから聴取した内容を
踏まえての事と思います
このままでは
美位子は実刑になるしかないのです

しかし、
桂場は「時期尚早だ」と突き返します

その返答を受けて
航一は
「わかりました」と書類を取り
「失礼します」とドアの前まで行きます
しかし、直ぐに出ようとしません

その様子に
桂場が「どうした?」と聞くと、
航一の様子が一変します
「…失礼します…じゃないんですよ!
  このままで良い訳が
  ないじゃないですか!」
そう言って書類を机に叩きつけます!

いつも多くは語らない
航一ですが、
尊属殺人の事、
美位子、
穂高先生、
朋一、
そして机上の戦争の事、
寅子…いろんな人への想いが溢れて
爆発したのです
桂場が今を乗り切る為に行った切捨てに
「今は時期尚早じゃあないでしょう!」
そう叫ぶと…
桂場の様子がはっと変わります
それに驚いたのは
航一でした
(何故だ…この沈黙は…?)
心の中で思ったのでしょう
そして
桂場が自分の顔を見つめている事で
何気なく手を顔をやると…
何と鼻血が
両方の鼻の穴から出ていました!
そして気を失ってしまいます

航一を支える
桂場…


廊下を走ってくる
寅子は、前に「もう二度と来るな!」と
桂場に言われた事に少し躊躇しますが、
急ぎの連絡を受けていたので
「桂場さん!どうされましたか?!」と
ドアを激しくノックします

中から「入れ」と
桂場の声がしてドアを開けると、
床に正座した
桂場に膝枕された
航一が倒れていました
鼻には血止めの塵紙
(ティッシュはもうあったのかな?)が
そっと差し込まれていました

驚く
寅子の様子に気付いて
航一もゆっくり口を開きます
桂場、かなり足が痺れている様子です!

航一がどうしてこうなったのかは
きっと見た事がないでしょうから
察した事になると思いますが、
寅子は、まずは
桂場に脚を休めるよう促します

すると、
桂馬の脳裏には
昔の、あの
寅子の思い出が駆け巡ります
「はて、君は変わらんな」
桂場は言います
寅子は
「変わった事も沢山、
  でも、何故かしら、
  今は昔と同じ様にやれる気がしてます

  桂場さんがした事で
  多くの優秀な人材を失った
  でも
  桂場さんが選択してきた事は
  桂馬さん自身が考えなければならない

  そうですよね」


航一は、既に穏やかさを取り戻し
「すみませんでした
  それでは失礼します」と
寅子を連れ立ってドアの外に立ち、
二人して深く一礼してドアを閉めます

それから
航一は
寅子に
「長官の膝で目を覚ました時から
  何かが軽くなった気がします」
と、穏やかに話します
微笑み合う
二人です


二人が行ってしまってから
書類を一つ一つ読み取り、
最後に尊属殺人の違憲についての書類を
目の前に持ってきます
そして肘を机につく
桂場は、
寅子の様に何か前に戻った様です


家に帰ると、
のどかが遊びに来ており、
家族に戻った
朋一の奢りで上等なお肉と
ビールを用意し、
すき焼きをしようとしています
朋一も
優未も笑っています
航一も、
「じゃあ、
  とっておきのワインも出そう」
と楽しそうです

いろんな事がありましたが
航一は戦争の事に区切りがつき、
朋一も苦しい思いに区切りがつき、
穏やかな家庭になってきましたね


そうしてある日の事、
美雪のお母さんである佐江子が
寅子を訪ねてきます
美雪の事と思うと不安が過ります

すると、
佐江子が話し始めます
「私、森口美佐江の、母です」
寅子は何となくは気付いていたので
ぎこちなく
「ごめんなさい、あの、私…」と
言葉を差し込みます
佐江子はそこに続けます
「ずっと、
  謝りたいと思っておりました
  あの時は娘を助けてくださろうと
  したのに」

寅子も続けます
「いえ、私は…
  あの、今、美佐江さんは?」
すると衝撃の答えが返ってきます
「美佐江は、死にました
  美雪が三歳になってすぐ、
  車に轢かれて」
そうして古い手帳を
寅子に渡して言います
「ここに、
  美佐江が最期に残した言葉が
  書かれているんです」

寅子は受け取った手帳をめくり…
思わず口を閉ざします

手帳の終わりの方には
こう書いてありました

「美雪
  愛してあげられなくてごめんね」

そうして白いページをめくると
あの赤い腕飾りが
栞として挟まれていました
そこには
美佐江の吐露が書かれていたのです

「私は確かに特別だった
  私が望めば全てが手に入った
  全てが思い通りになった
  盗みも体を売らせる事もできた

  けど、
  この東京で
  私はただの女に過ぎず、
  掌で転がすはずが、
  知らぬ間に転がされていた

  次々に湧く予期せぬ事に翻弄された
  身籠れば特別な何かになれるかと
  期待したが無駄だった
  私の中に辛うじて
  『特別な私』が消えぬ内に
  消えるしかない」
(…自殺なのか?…余談です)

そして最後にはこう書かれていました

「あの人を拒まなければ、
  何か変わったのか?
  あの人は
  私を特別にしてくれたのだろうか?」


最後に
美佐江にあった時、
優未が居なくなり
恐ろしい事を考えてしまう
寅子は漸く見つけた
優未を抱きしめて守ります

あの時…
美佐江は
寅子に救いを求めていたのではないのか

(あの日、あと一歩だったのだ
  それなのに、
  それなのに私は…私のせいで…)



寅子の生涯最大の後悔となる
事実を思わざるを得ない展開でした

何でもやれそうな気がした
寅子は
また深みに嵌るのでしょうか…?


いよいよ次週は最終週です
(30日があると勘違いしてました)

美位子の裁判、
少年法の改定の行方、
美佐江への悔恨の念、

寅子の、
桂場の、
みんなの問題はまだ残ったままですが、
素晴らしいエンディングを
期待したいです!


絶対観ますよ!

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