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歩きはじめる with crafts

「ウォーキング・ウィズ・クラフト」
– クラフトフェアまつもとの30年 - より抜粋

「クラフトフェアまつもと」ってどんなことをするイベントなんですか?

クラフトフェアまつもとは、長野県松本市のあがたの森公園を会場に、毎年5月の最終週末に解されるイベントです。芝生の広場を取り囲んで青空の下でクラフトの野外展覧会が行われ、木工・陶磁・金工・ガラスなど、全国から集まった様々ななジャンルの工芸作家が出品・展示・販売を行います。販売店で購入する際にはなかなか生まれることがない作り手と使い手の直接な交流・やりとりができるという魅力があります。今では出店数260を超すクラフトフェアまつもとですが、始まった当初45ブース程度の会場では、作家同士の濃密な交流の場というニュアンスも強かったようです。

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どんな人たちが運営しているんですか?

NPO法人松本クラフト推進協会内に組織された「クラフトフェアまつもと実行委員会」が運営を行なっています。1985年にもともと作家の有志活動をして始められたクラフトフェアまつもとは、クラフトの活動をより広げようと1987年に運営母体を任意団体まつもとクラフト推進協会と命名し、2004年にNPO法人格を取得しました。クラフトフェアまつもとの運営の他、「工芸の五月」(2007年〜)というイベントの主導や、「クラフトピクニック」(2002年〜)を秋に開催しています。
クラフトフェアまつもと実行委員会では、NPO専従スタッフだけではなく、作家、学生、サラリーマンといった様々なバックグラウンドを持った約20名がボランティアスタッフとして運営を行なっています。

どんな場所で開催されているのですか?

クラフトフェアまつもとは松本市街地の外れにあるあがたの森公園で開催されています。松本市は長野県の真ん中に位置する城下町。明治時代3度の大火を経ましたが、幸いにも戦火を免れた重要文化財や、雄大な山々の見える町です。サイトウキネンフェスティバル松本(1992年〜)など、県外からの多くの人が訪れる大きなイベントがある一方、町なかでは古くから続く老舗の飲食店が地元から愛されつつ、古い建物を再利用した個人経営のカフェやギャラリーなど、新しいお店やスペースも続々立ち上がっています。

松本クラフト推進協会は、どういう言葉を発信してきたんですか?

クラフトフェアまつもとは今までに様々な形式で、運営への思いや、作家の声、そしてクラフトや手仕事の世界に関する情報を発信してきました。まずは、1985年の第1回目開催から2年後、クラフトフェア冊子第1号「クラフトフェアまつもと’87 vol.1」が発行されます。紙面は作り手や研究者の寄稿によって構成され、フェアの企画意義、そして立ち上げた人たちのフェアへの想いが綴られています。vol.7まで発行された冊子の後は、『MANO』という冊子が発行されます。この冊子ではよりいっそう「作家」自ら語る言葉にフォーカスを当て、普段語られることのない作り手たちの言葉が引き出され、編集されていきます。20周年では「セレクション40」「素と形」という、まつもと美術館との共同企画でクラフトフェアまつもと29周年記念号を発行。「工芸と松本」といった記事の中で、民藝運動の流れから工芸とはなにかについて書かれています。

2020年 今年のクラフトフェアまつもと36thは中止になりました。

あがたの森公園で行われる春のクラフトフェアまつもとと秋のクラフトピクニックは中止になりました。松本クラフト推進協会は、このフェアの参加作家から参加費を募り、その年のフェアを開催し、さらには次年度のフェアの準備をしています。2020年は新型コロナウィルスの影響でいずれも開催することができませんでした。そのため活動資金を確保することができず、来年のクラフトフェアまつもとの実施の成否にまで影響を及ぼしています。そこで、松本クラフト推進協会は皆様から援助を呼びかけることにしました。
10月30日(金)午後11:00 までクラウドファウンディングを募っています。
あの春と秋の日差しのもとで広々とした芝生のあがたの森公園で行われるクラフトフェアまつもととクラフトピクニックが来年2021年も開催されるように、ぜひ力を貸してください。



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