作曲のお作法
作曲のお作法なんて大きなタイトルをつけましたが、ほんとは作曲ってお作法もなんもなくて、ハンバーグ♪ハンバーグ♪みたいなたまたまメロディが出てくるものだと思ってます。
一方で作曲してますというと「めっちゃすごい!」みたいなあらぬ誤解を受けることもあり、こんなやり方でやってて大したことしてないですよー、ということをまとめておく趣旨です。
作曲のよくあるパターン3つ
作曲の方法は人によりますがざっくり3パターンに分類されます。
●メロディから作る
これは最初に挙げたハンバーグ♪の例に近いもので、とにかく歌のメロディが先にできてしまうものです。
メロディが降りてきてるので、歌詞をつけて、コード(和音)の進行をつけて、演奏をつけるという流れがスタンダード。
メリットとしては、歌いたいメロディができてるわけで’歌いたい歌である‘といういい歌の条件を満たしやすいことがあります。
メロ先の人の歌はほんと心に残りやすいです。
デメリットは降りてこないと先にすすまないこと、降りてきた後に形にするために知識が必要なことです。
特に降りてこないと進まないのは致命的なので、メロ先の人はいつも、歩きながらお風呂入りながら通勤しながら頭で鼻歌していて、思いついた瞬間ボイスメモ!という人が多いです。
いわゆる作曲というイメージに一番近い方法で、いい歌作る近道でもあると個人的に思ってます。
●歌詞から作る
今度は同じ何を歌いたいかから作るのですが、メロディではなく歌う内容である歌詞から作る人もいます。
どちらかというと音楽そのものというよりは自己表現として歌を捉えている人が多く、フォークな人は詩先のイメージです。
メリットとしては、歌の世界観を表現しやすくなることです。
歌詞が先にできてこんなことを歌いたい!がわかるので、メロディをここは暗くとか、演奏をここは盛り上げて、、とかの工夫がイメージしやすいです。
デメリットとしては、歌いたいことを並べただけでは音楽的な意味での歌詞にはならないことでしょうか。
歌詞は必ずメロディと一体です。こなーゆきーもあのタイミングであのメロディだからこそ盛り上がるわけです。歌詞は韻を踏むことも気持ち良さに関係していて、そういうことを踏まえた歌詞が必要です。
詩先の人はどうしても言いたいことに引っ張られるので、音楽としての噛み合わせが後になりがちかなと思います。
一方でがっちり音と組み合わされば最強ですね。
●演奏から作る
最後がコード先などと言われるものです。
ポップスにはコード進行という和音の流れがあり、曲の構造が組みたっています。
Aメロはこのコード進行、サビはこのコード進行、と言った具合です。
なのでこのコード進行を先に作ってしまって、そのに鼻歌でメロディをのせていく、というのがコード先のよくあるパターンです。
ちなみにロックで言うリフ先もコード先の変形だと思っています。
メリットは作業のとっつきやすさです。
コード進行には理論があってある程度気持ちいい進行は決まっていること、黄金進行やカノン進行と言われるよくあるパターンも決まっていて、好きな曲の進行を真似ることもできます。
なのでなにもない中空からつかみ取るようなメロ先や詩先と比べると、持ってくる場所がある分んかりやすいんですよね。
とりあえず好きな進行を弾きながら鼻歌する、、、わかりやすいですよね。
デメリットは型にはまった新鮮味のない曲になりやすいということです。
コード進行にはパターンがあることがメリットですが、自分が好きな進行ってそれこそそんな多くないんですね。
数少ない好きな進行に鼻歌つけると、それこそ好きな曲のコピーみたいなものや自分の過去の曲に似て当たり前です。
メロディや進行の引き出しを増やさないと、とりあえず曲はできるけど、つまらないものが量産されてしまう可能性があります。
結局どれがいいの?
結論から言うとどれでもいいし組み合わせても全部やってもいいわけで、先にやれ!です。
メリットから引っ張ってみると
いい歌が作りたい→メロ先
言いたいことがある→詩先
初心者→コード先
かなー。
ただ、コード先でもいい曲ができることももちろんよくありますし、メロ先でつまんない曲にもなることよくあります。
個人的には一番音楽的になるメロ先をやりたいのですが、コード先で慣れてしまったのでコード先でやっています。
メロ先の人々を尊敬しております。
詩先は少し別の世界のイメージです。世の中に訴えたいことがあるなら詩先ですね。
自分はそういうものがあまりなく歌詞はある意味音楽的に気持ちいいことを大事にしてます。
初心者の方にアドバイスするなら
音楽理論について相談できる人がいる→メロ先をまずは修行
そういう人はいない→メロ先を修行しつつコード先も併用
歌詞ができる→歌詞を使ってメロディを鼻歌
何度も書きますがコード先が悪いわけではないです。
ただ手癖にすごーくなりがちですし、音楽的素養が恐ろしく現れやすいので、いい曲を書きたいならコード先だけでいくのは危険かと思います(というコード先派)
技術的なこというとこの先が山ほどあると思いますがとりあえず導入ということで。
今回はこの辺りで!
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