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睡眠の大事さはどんなに強調してもし切れません

※この記事は有料マガジンの土日版です。というわけで本日は無料です。

皆さん、毎日どのくらい眠っていますか?

活動量計の開発・販売するポラール・エレクトロ・ジャパンが同社の活動量計で測定したデータを基に解析結果によると、日本人の平均睡眠時間は男性が6時間30分、女性6時間40分で28カ国中最短なんだそうです。

うーん、短いですねえ。

思うに、睡眠が足りないとどのくらい心身に悪いかってあまり知られてないと思うんです。

パッと思いつくだけでも、このくらいは即座に挙げられるのですけどね…。

1. 発想力が落ちる
2. 生産性が落ちる
3. 慢性疲労が溜まる
4. 精神的ストレスが溜まる
5. 病気になりやすくなる
6. 太りやすくなる
7. 血圧が上がる
8. 鬱になりやすくなる
9. 認知症の引き金と言われる
10. 成人病のリスクが高まる

見ての通り、控えめに言っていいことは何一つないわけです。でもみんな、わかっちゃいるけど睡眠を削ってしまうわけです。ではまず、睡眠が足りないことがどのくらい体に悪いか、具体的なデータを出してお話しましょう。

夏時間を導入すると心臓発作が増えます
まずは、1時間だけ睡眠を削るとどうなるかというお話です。ちょっと前まで夏時間の導入が議論されていましたが、実は夏時間を導入すると心臓発作が確実に増えます。具体的に言うと、時計を1時間進めて1日23時間になる日には、他の日と比べて心臓発作の発生リスクが25パーセントも上がるのです。これは、実際に夏時間が導入されている国で数字が出ているんです。

Daylight saving time linked to heart attacks: study

逆に時計が戻って1日25時間になる日には、21パーセント下がります。たった1時間でこれなんです。このほか、1時間減る日には交通事故による死亡者数が上がることなども統計的に証明されており、議論の余地さえありません。たった1日1時間でこれなんですから、慢性的に睡眠が足りてないことの社会的損失がどれほど大きいかなんて、計り知れないわけです。

僕が子供の頃は「ナポレオンは1日5時間しか寝ていなかった」とか言って「睡眠が少ない方が偉い」みたいな風潮だったんです。アメリカでも同じで、どれだけ眠らないでいられるかというチャレンジがあっちこっちで行われたんです。1964年にはアメリカの高校生が264時間12分(11日と12分)という信じがたい記録を打ち立て、これはいまだに破られていません。

この高校生、実は晩年になってから10年以上に渡ってほとんど眠れないという酷い不眠症に襲われ、人格まで変容し大勢の友達を失ったそうです。本人がラジオ番組に出演し「あんなことしなけりゃよかった」と独白したほどです。また当時、同じような眠らないチャレンジに挑戦した人の中には、人格の変容や注意力散漫などで職を失ったりしてる人もいるのです。極端に睡眠を削ると、脳が不可逆的な損傷を受けてしまうではないか...というのが最近の定説のようです。

ま、睡眠が削っても大丈夫なら、母なる大自然が眠らなくても大丈夫なメカニズムをとっくの昔に生み出しているはずなんです。全ての動物が基本的に眠っているところ見ても、睡眠を削るのが利口な行為でないことは明らかです。

よく眠るといいことばっかりです
逆にしっかり眠るといいことがたくさんあります。

例えばローリングストーンズのキース・リチャードは、寝るときにいつもベッドサイドにギターを置き、カセットテープを回しっぱなしにして眠ったそうです。すると、夜中に半分眠ったまま寝ぼけてギターを弾いたのだそうです。そしてある朝録音されていたのが、ローリングストーンズを一躍有名にした「 (I Can't Get No) Satisfaction」です。

また、僕らが化学の時間に習う周期表も、ロシアの化学者ドミトリ・メンデレーエフが眠っている間に考えついたものです。

もしもキース・リチャードがよく眠っていなかったらローリングストーンズは世に出なかったかもしれませんし、ドミトリ・メンデレーエフが不眠症だったら周期表の発見は100年くらい遅れたかもしれないわけです。と言うわけで、睡眠は本当に大事なんです。

なぜ僕らは睡眠不足になるのか?
ではなんで僕らは睡眠不足に陥ってしまうかというと、要するに時間が足りないからです。時間が足りない原因は色々考えられますが、だいたい次の3つに集約できるんじゃないかと思います。

1. 通勤時間が長すぎる
2. やることが多すぎる
3. 生産性が低すぎる

一つずつ考えて見ましょう。

1. 通勤時間が長すぎる
昨日寝る前に


と呟いたところ、こんなリプをいただきました。

本当にこれに尽きるんですよね。このため、自分の時間を少しでも捻出しようとすると、睡眠を削るくらいしかやれることがないわけです。もう一つの手段は、「会社の近くに引っ越す」です。僕はこれをサラリーマン時代にやって、ソコソコの睡眠時間を確保しました。仮に家賃やローンが倍になっても、価値があるんじゃないかと思います。お金は後から稼いで取り戻せる可能性がありますが、使ってしまった時間は二度と取り戻せないからです。

あと最近よく「サラリーマンも副業しよう!」なんて言われますが、これ、通勤が短くない限り不可能です。

関連記事:通勤時間は壮大な無駄です

2. やることが多すぎる
それから、真面目な人ほどやることが多すぎます。家族もケアして、仕事もきちんとやって、友達づきあいもメンテして... なんて具合にすべてを完璧にやってると、絶対に時間が足りなくなります。

ぶっちゃけ色々とやるのをヤメてしまえばいいんです。家事はなるべく機械化する。あるいはアウトソースする。食事はお惣菜やデリバリーを多用する、などなどです。生真面目な人ほどできないのかもしれませんが、できる範囲で取り入れることをお勧めします。

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3. 生産性が低すぎる
さて、そして最後に残るは生産性です。生産性を上げる方法はハッキリしています。それは、「たくさん寝ること」です。しっかり寝て、朝一で一番大事な仕事をする。これが生産性を高める最善の方法です。

逆に生産性を下げたかったら、睡眠時間を限界まで削って夜遅くに一番大事な仕事をすればいいんです。日本の会社に在籍していた時には残業が常体化している方が少なからずいましたが、中には「午後5時からが本番だ」だとと嘯いている方もいました。つまり、生産性が下がってからが本番なんです。これでいい仕事ができたらそのほうがビックリですよね。そして帰るのが遅くなり、睡眠が削られ、生産性が下がると言う悪循環にはまっていきます。そしてこれを10年も続けるうちにストレスが慢性化し、体重が増え、成人病のリスクが上がります。

なので、生産性をあげたかったら、たくさん寝て、朝早くに一番大事なことをやり、夕方はダラダラ過ごし、夜はパートナーとまったりしてぐっすり熟睡がいいんじゃないでしょうか?

そうそう、スマホの「おやすみモード」もしっかり活用しましょう!

関連記事:スマホから時間を取り戻すための10のヒント

書籍の紹介
最後に書籍の紹介です。これ、ストレスマネージメントの本ですが、実用的なアドバイスに富んだ1冊です。会社の経営者から管理職の方から一般の労働者まで、必ず読むべき1冊と言っても過言ではないほどです。

自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れをとる技術 (朝日新書)

それでは良い週末をお過ごしください!


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