見出し画像

安倍首相の「非常事態宣言」を聞いたその夜に見た夢

2020年4月7日、安倍首相が非常事態宣言をした。その夜、夢を見た。それは次のような夢だ。

安倍さんが赤坂の薄暗いBarで「時代が来た」と言う。「人権を制限する。その当たり前のことが出来る世の中がようやくやってきた。まさに私はついている」そう喜んで、ゴマすり側近たちと美酒に酔っているところ、奥の席に座って聞いていた真っ白なひげ面の、暗くて影になっていて顔の詳細が分からない老人、きっと政界のフィクサーである老人が小さな声で言った。「安倍くん、そのためにもキミには最後の仕事をしてもらわねばならない」安倍さんはゆったりと微笑んで「なんでも言ってください。いまの私ならなんでも可能です。私が国家です」。その力強い言葉に老人はにこやかに微笑んで言う。「きみは、明日、緊急事態宣言を出すんだ。そしてこう言うのだ。我が国はウイルスをうまくコントロールしている。うがい手洗いをいつもより多めにしながら、でも明日からも普通に暮らしてください。なにも変える必要はありません。私は、人権は制限しません。何より尊いのは人権です、とね、安倍くん、キミはそう言うんだ」その言葉を聞きながら、安倍さんの顔は引きつっていく。そして、かすれた声で言う。「・・・どうして、そのようなことを・・・、むしろいまこそ人権を制限し、ロックダウンを・・・」そんな反論は承知の上というように老人はやさしく安倍首相の肩の上に手を置き「残念なことにキミが人権を制限したい人間であることはもう国民の誰もが知っておる。また、統計を改ざんし、自分の都合の良いことしか言わぬ最低の人間であり、言い訳をしヤジを飛ばし、自分の嫁の行動もコントロールできない、すべて安倍友といわれるお友達優遇の、わが国のトップにあるまじき人間であること、もはやそれは国民の誰もが知っておる。だからその最低最悪のキミが、問題なく、戒厳令を発令し、憲法を改正すること、人権を制限すること、それは、もはやありえない。いまキミがむりに戒厳令を発するなどすれば、人々の反発は群れをなし、暴動が起き、せっかくめぐってきた憲法改正の好機は消え、憲法改正など夢のまた夢となってしまうだろう」そんなことを言われるとも思っていなかった安倍首相は絶句した。老人はグラスの中の氷を指で回す。「しかし、だが、その最低最悪のキミだからこそ、できる最後の仕事がある」そう言って、安倍首相の顔を伺う。安倍首相は気落ちし、まるで校長室に呼ばれて泣きそうな小学生である。老人はその安倍首相に向かって優しく言葉をかける。「キミができること。それは人権を守ることだ。人権を守ることが、どれほど国民の命を奪うことになるのか、それを人々にしらしめることだ」驚き、安倍首相は顔を上げる。老人はいたずらっ子のように笑って言う。「人権を守るために私は決してロックダウンはしない。・・・そう笑って言うのだ。いいな、これは我々の、すなわち、わが民族の総意だ。反対は許されない」ようやく意味が分かった。自分はおとりになるのだ。トカゲの尻尾のように切られるのだ。安倍首相は悔し涙を流した。もはや老人は安倍首相を見ていなかった。「気の済むまで泣けば良い。泣いたあとは、国民に向けて、その三文芝居のために生まれたようなお前のアホずらで言うのだ。「非常事態宣言」を発令します、と」。反論しても無理と分かっていたが、安倍首相は動く口を止められなかった。「しかし、それでは、我が国民が、新型コロナウィルスの餌食になってしまいます・・・」老人は笑って言う。「そのとおり。そして、そこが肝心なのだ。国民には人権を守ることがどんなにひどいことになるのかを身をもって知ってもらわねばならない。そのための犠牲だ。それはやむを得ない。そして人権を守りロックダウンを行わなかった卑怯なお前が恨まれれば恨まれるほど、次の首相が人権を制限することはたやすくなる。だからお前は踏み台になるのだ」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?