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「クラウドファンディング」ってなに?🟥その3「クラウドファンディングの支援者の構造」

こんにちは、クラウドファンディングコンサルタントのまっつんです。「クラウドファンディング初級講座」も、第3目です。夢を叶えるために独立したり、自分の開発した商品を売り出したりする選択肢の1つにクラウドファンディングを活用したいと考えている人も多いと思います。今回は、知っているとプロジェクトの成功率を格段に上げることができる支援者の構造についてです。

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↑ 一発逆転を目指すよりクラウドファンディングを学んだ方が堅実です。

🟥クラウドファンディングの支援者ってだれ?

その1の回でご説明した通り、クラウドファンディングでは、インターネットを通じて不特定多数の人から、小口資金を調達する仕組みです。つまり、大勢の人に自分のプロジェクトを知ってもらい、プロジェクトを達成するために必要な資金を少しずつ援助して貰う仕組みなのです。これまでこの手法をリアルで行うと、資金を調達するためのコストが高くなり現実的な手法ではありませんでした。

例えば、街頭募金などは、ボランティアで参加してくれる人がいるので成り立つわけで、仮に正規で人と雇ってアルバイト代を支払へば、募金が支援には回らないかもしれません。

一方で現在は、インターネットを活用することで、劇的に調達コストが削減され、不特定多数の人から小口の融資を募ってもコスト的にも成り立つようになったのです。特に最近はSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の発達により、誰もが「Facebook」や「Twitter」などを通じて大勢の人と知り合いになっていますから、SNSは、インターネット経由での資金調達を行う上での「クラウドファンディングの強い味方」なのです。

🟥クラウドファンディングを行う前にSNSで友達ネットワークを作ろう!

みなさんは、2008年のリーマンショックの際に職を失った人の中で、いち早く再就職できた人は、SNSを通じた「知り合いの知り合い」という「弱い繋がり」の人からもたらされた情報によるものだという話をご存知でしょうか?

実は、学術的には1970年にマーク・S・グラノヴェターが示した仮説があります。それは、ちょっとした知り合いや知人の知人のような弱いネットワーク(弱い紐帯)は、家族や親友、同じ職場の仲間のような強いネットワーク(強い紐帯)よりも、価値ある情報の伝達やイノベーションの伝播においては優れているという社会ネットワーク理論です。

弱い紐帯は強いネットワーク同士をつなげる“ブリッジ”として働き、情報が広く伝播するうえで非常に重要な役割を果たすことを示しました。

クラウドファンディングで成功するには是非、参考にしたい仮説です。

『strength of weak ties』米国の社会学者マーク・S・グラノヴェター(Mark S. Granovetter)が示した仮説で、企業と労働者のジョブマッチング・メカニズムを検証した実証研究が基となっています。参考文献:Granovetter, Mark;(1973)"The Strength of Weak Ties"; American Journal of Sociology, Vol. 78, No. 6., May 1973, pp 1360-1380. [マーク・グラノヴェター(大岡栄美訳)「弱い紐帯の強さ」野沢慎司(編・監訳)『リーディングス ネットワーク論-家族・コミュニティ・社会関係資本』勁草書房,2006年]

🟥クラウドファンディングの支援者構造ってどうなってるの?

下の図で示した通り、支援者は関係性から①家族・親友、②友達の友達、③他人、という3つの階層に分かれていると言われてます。

①の家族・親友から②の友達の友達という階層はプロジェクトの起案者であるプロジェクトリーダーと強弱の差こそあれ、何らかの関係性があります。しかし、第三層の他人とは全くの無関係です。一般的にはこの第三層からの支援をいかに多く集めることができるか?にプロジェクトの成否がかかっていると言われています。

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      出典:まっつんが参考文献をもとに作成

🟥起案するならチームを組もう!

起案するならチームを組んだ方が成功する確率がさらに高まります。普通に考えてダントツのカリスマ性があるとか、周りを巻き込む話題性があるかという人以外は、ごく普通の人間関係を持っている人だと思います。通常、ひとりの人間の親しいコミュニティは150名程度と言われています。

人間の大脳新皮質の大きさから予測される人が安定した関係を保てる「友人」の数は、約150人と推定されており、この上限をダンバー数という。仮に親族を約30名と仮定すると友人は120名程度となる。ロビン・イアン・マクドナルド・ダンバー(Robin Ian MacDonald Dunbar )の説より

先に示したクラウドファンディングの支援者構造でいうところの第一、第二層にあたります。少なくともあなたのプロジェクトに何らかの支援をお願いできる関係者が150人見込めるということになります。では、4人でチームを組んだ場合はどうでしょう。

✅ クラウドファンディングでチームを作るメリット

メリット1:スケールメリットが見込まれる。

①一人×150人=150人 うち、10%の人が支援した場合、15人が支援者    

②4人×150人=600人 うち、10%の人が支援した場合、60人が支援者

そして、支援者が一人あたり、3,000円の支援をしてくれた場合で計算すると、

①15人 × 3,000円 = 45,000円               

②60人 ×   3,000円 = 180,000円 (プラス 135,000円)

となります。比べるまでもなく4人の方が優位ですね。

メリット2:マンパワーがある。

クラウドファンディングは、プロジェクトを始める前から終わった後までいろいろやることがあります。一人でこなすには少し荷が重いと感じて二の足を踏んでいる方もいらっしゃるかもしれません。

そんな時に仲間がいると、役割分担もでき、一人ではできないことも可能になったりします。クラウドファンディングは、仲間と目標に向かって頑張っていくようなプロジェクトが支援者の共感を集め易い傾向があります。メンバーで楽しそうに頑張っている姿を見て、「面白そうなプロジェクトだな」と興味を持って支援をしてくれる人が多いのです。

まっつんの私見ですが、一人で孤独にやっていく姿は、クラウドファンディングには似合わないと感じています。支援者を含めてみんなでワイワイと勢いをつけて目標達成に向けて突き進む楽しさが醍醐味じゃないかと思っています。

✅ 「クラファン1/3の法則」を達成し易い!

クラウドファンディング研究で、日本の第一人者である板越ジョージ氏のレポートでは、プロジェクトの大小にかかわらず、成功しているプロジェクトは、「最低30%以上の資金は、自分の直接の知人から集めている」としています。

一人よりは、メンバーが多いほうが知人の分母も多くなるので、この「クラファン1/3の法則」をクリアしやすくなるのは当然ですね。「4人以上のチームは一人だけより70%も多く資金を集められる」とのデータもあるようです。

🟥あなたの応援団的なコミュニティ を作ろう!

SNSなどを活用してインターネットを通じて行うクラウドファンディングは、コミュニティ形成という点でも親和性が高く、アメリカのガジェットなどの通信販売的な活用が主流のクラウドファンディングと比べても日本のクラウドファンディングは、プロジェクトの応援団的なコミュニティを形成できる点が特徴です。

まっつんは、日本のクラウドファンディングには独自性があると考えています。ですから1度きりのプロジェクトでの資金調達ツールという通説とは異なり、日本のクラウドファンディングは、連続性を有しているというのが、まっつんの仮説です。

あなたの形成した応援団は、プロジェクト終了後も継続してあなたを応援してくれる可能性の高いコミュニティとなるはずです。従来型の人との接触型のビジネスが制約を受ける現状では、クラウドファンディングで作られた非接触型のコミュニティは今後のビジネスや地域創生を志す方には大変力強い応援団となると思います。

今回はクラウドファンディングの支援者の構造について書いてみました。最後までお読みいただきありがとうございます。

次回は、クラウドファンドを成功させるための視点について書きたいと思います。

少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。

次回もよろしお願いします。

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