カラーズストーリー 序章

黒い思いが泣いていて

白い光が強すぎて

赤い人はせせこましく

黄色い世界は動き続け

緑の地はリズムを刻み

青い期待はいつも独りぼっち

そんな時代に生きている彼らはカラーを持っている

どんな人も色を持っているそんな世界のお話で

どんなときも世界は色で染まってる

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ある村に「ミラ」という人物がいました。

ミラの仕事は「色を見る」ことでした。

人でもモノでもなんでもかんでも

ミラは毎日「色」を見てはそれについて教えてくれました。

そんなある日のこと

ミラのお店に一人の女の子が遊びに来ました。

「ミラさん、ミラさん、聞きたいことがあるの」

女の子は白いウサギを抱えていて、目をキラキラさせて聞いてきました

「なんですか?」

ミラは優しい口調で答えました。

女の子の名前は「ララ」そしてそのウサギの名前は「シロ」というらしいです。

「あのね、わたしが飼っているウサギさんの色が黒いの

私は白いウサギさんがいいんだけどどうすればいいのかな?」

どうやら女の子は自分の飼っているウサギの色を白くしたいとのことです。

ミラはララに聞きました。

「どうして白いうさぎさんがいいのかな?」

ララは答えました

「私の通っている学校も仲のいい友達もウサギを飼っているの

だけどその色はみんな白いの。だから私のも白くしたいの」

ララはウサギをじっと見つめながら言いました。

ミラはやさしく語り掛けました

「そのウサギを白くしたとしたら、あなた自身も色を変えなければいけないということです」

ララはじっとミラの目を見ていました。

「でもそれって難しいことです。とっても難しいこと。

できないことはありませんがあまり良くないことでしょう」

ミラは窓の外を見ながら言いました

「あなたの両親はあなたが白くなっても赤くなってもそして黄色になっても

変わらずあなたを愛することをやめないと思います」

「そして、あなたも同じでしょう。そのウサギはあなたにとてもなついてい

るように私は思えますよ。

だからそのウサギの色を変えることはあなたにとって

そしてこの世界にとって意味がないことのように思えます」

ララはウサギのほうを見て笑いました。

「うん、わかったありがとう」

ララはそういうと勢いよく店を飛び出していきました。

また今日もいい日が始まりそうです。




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