見出し画像

怪奇現象

 深夜の公園。この公園を抜けると自宅。風もないのに、ブランコだけが揺れている。こんなことならやめておけばよかった、と後悔しても遅い。ブランコに合わせるかのように右に左にと揺れる自分の体を抱き、一歩また一歩と進む。
 ぐらりと足元が歪む。ぬかるみにヒールが沈むような感覚。しっかりしろ、と意識を取り戻すために首を大きく横に振る。ますますブランコは揺れ、足元は歪む。
 〆のテキーラのショットはやりすぎた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?