大学院がつらい人へ。ときには人に頼ってもいいんです。
研究がつらくなって大学院を退学したぼくから、大学院に通うのがつらいあなたへ伝えたいことがあります。
それは、人に頼ってもいいんだよってことです。
真面目な大学院生がつらくなる理由
理系大学生の8割以上が大学院に進学する昨今ではありますが、それでもきちんと進学し、修士あるいは博士をとろうとしているあなたはとても真面目なんだと思います。
そして、真面目で誠実な人であるがゆえに、心を病んでしまったのかもしれません。
精神医療界隈でよく言われることです。
「真面目で責任感が人一倍強い人はうつになりやすい」と。
そんなあなたはきっと、研究に関しても、私生活に関しても「自分が頑張らなきゃ」という意識が強いのだと思います。
自分がやらなきゃ。
自分がしっかりしなきゃ。
自分が頑張らないからうまくいかないだけだ。
…自分が。
……自分が。
自分の力で物事をやり遂げることは素晴らしいですし、達成感もひとしおです。恥ずかしい話、ぼくも家庭の事情で中学生の時から「自分が」の意識が根強くありました。それでもなんとかやってこれたのですが、大学の研究生活でついにガタがきてしまったようで。
そして、本格的になんとかしようと思って治療に踏み切るにあたり、情報収集をしているときにも「自分が」の意識がありすぎることに気が付きました。
あなたも、「自分が」の意識が強いタイプではないでしょうか。もしそうなら、ちょっとずつでいいので人に頼る練習をしていきませんか。まずは本当に小さいことからでいいんです。
「そこにあるものを取って」とか。
そして取ってもらったら感謝を伝える。
ほんとにこれだけ。
ぼくはこれだけのことすらできないタイプでした。
「ものぐらい自分で取りに行けばいい、わざわざ人の手を借りることではない」と本気で思っていました。居酒屋で醤油が欲しいとき、多少遠くても自分の腕を伸ばして取るタイプです。でも、あえてそれを人にお願いしてみると、コミュニケーションが生まれます。
そして信頼関係の構築ができます。
信頼関係ができれば、研究相談なども気兼ねなくできますし、それによって研究もスムーズに進みやすくなりますので、精神衛生的にもとてもよいです。ぼくは人に頼れなくて失敗しているので、あなたに希望を託したい気持ちでいっぱいです。
研究室で人に頼ることができたらどんなによかったか。
「ちょっとスライドをチェックしてほしいんだけどいいかな?」
「研究のここで悩んでいるんだけど…」
など、そのほかにも些細な愚痴をこぼしたりすることもできなくなっていました。「ここでは、過剰に他人の時間を奪ってはいけないんだ」と、そう思い込んでいました。
でも実際は、案外人の頼みごとは聞き入れてくれるものです。だってあなたもきっとそうでしょう。人が悩んでいるんだったら話くらいは聞いてあげようと思いますよね。
もしよければ、明日からちょっとずつ人に頼ってみませんか。
限界が来て研究が手につかなくなったら
頭では分かっているんだけど、それでももう研究に手が付かない。体調が悪い、吐き気がする、眠れない…。という症状がでたら、一度研究室内で人に頼る話は忘れてください。
今度は、研究室の外の世界で人に頼ってみましょう。ぼくがおすすめするのは、学内カウンセリングです。大学内には学生の怪我や悩みをケアするために保健センターのようなものがあるはずです。そちらにプロの臨床心理士さんが常にいて、話を聞いてくれる体制を整えてくれています。
もちろん、相談をしたことが研究室側に伝わることはありませんので安心してください。こちらの記事にポイントをまとめているので、よろしければ参考にしてください。
カウンセリングに通ってみれば、研究に前向きになれるかもしれませんし、そうでなければ精神科のクリニックなどに紹介状を書いてくれたりもします。
お金もかかりませんし、心とからだが動かなくなる前に利用してみることをおすすめします。
よりよい発信のための投資(書籍など)に充てさせていただきます。なにより応援のお気持ちが嬉しいです。