読者による文学賞

「読者の、読者による、読者のための文学賞」を運営しています。利益関係から離れた受け手と…

読者による文学賞

「読者の、読者による、読者のための文学賞」を運営しています。利益関係から離れた受け手としての自由さを武器に、「もっと沢山の人に読んで欲しい作品」を発掘するため活動中。ぜひ、活動内容などについてお目通しいただければと思います!

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読者だけで運営する文学賞、とは

はじめましての方は、はじめまして。 お久しぶりの方は、ご無沙汰をしております。 文学賞の運営をしている「まつ」と申します。 今回はあらためて、この文学賞について紹介しよう、と思って記事を書きます。 読者による文学賞とは何か、ということですが。 その名前のとおり、「読者だけで運営・選考する文学賞」です。 ……だと、あまりにもあっけないので 「なぜ、読者だけの文学賞を生まれたのか」という話と絡めて、文学賞の考えについて紹介していきたいと思います。 わたしたちは「ひねく

    • 読者の声を、もっともっと集めようと思う。

      2024年が始まったと思ったら、もう1月の終わりも近くなりました。早いですね。 1月は行く、2月は逃げる、3月は去る、とはよく言ったものだなと思います。 さて、文学賞ですが例年なら今頃は二次選考のさなか……なのですが、今年は中止となったので、その間に今後の動きについての準備をしていました。少しずつ準備も完了していっています。 その中の一つが「もっと読者のおすすめを集める」というもの。 SNSで、HPで、様々な媒体で。 推薦方法はその媒体にあわせて策定しますので、引き続きご

      • 文学賞のこれからについて

        お疲れ様です。運営のまつです。 文学賞のX(旧・Twitter)ではアナウンスをさせていただいておりましたが、第5回の読者による文学賞は実施を見送る、という決定をしました。 ご期待いただいた方、ご協力を申し出てくださった方には本当に申し訳ありません。 今回、このような判断にいたるまで色々なことを考え、見つめなおしました。 中止に関する直接の原因は応募結果でしたが、その真因にはもっと沢山のものがあり、文学賞自体が抱える様々な課題を突きつけられたからです。 その課題を放

        • 文学賞の選考委員募集を延長します!

          こんばんは。文学賞の運営をしているまつです。 普段より遥かに短いnoteになります。 というのも、文学賞の選考委員を募集期間が先日、終了しました。 なのですが、現在、実施可能な選考委員の数が揃っていないため募集期間を延長します。 正直、これは完全に運営の力不足です。申し訳ありません。 今後についてですが、延長期間を14日まで延期して募集します。 もし興味がある方がいらっしゃれば、ぜひ募集ツイートを覗いてみてください。 興味がなくても、拡散の協力などをいただけるととて

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        • 第三回読者による文学賞
          4本
        • 「運営責任者」の個人的最終選考レビュー
          10本
        • 「運営」に関するもの
          6本
        • 「選考」に関するもの
          2本

        記事

          文学賞の選考委員って何してるの?

          こんにちは。運営のまつです! いよいよ第5回の文学賞に向けて選考委員の募集を開始しました! もしご興味のある方は、以下の内容を確認の上、ご連絡をお願いします! とはいえ、もうちょっと詳細な情報を公開できればな、ということで今回は実際に選考委員になったら、どう動いていくの?という話です。 選考のスケジュール感だいたいですが、以下の感じの動きになります。 え?一次募集と二次選考同時スタートなの?っと思ったアナタ。するどい! そうなんです。文学賞は「すべて読む」ことを掲げて

          文学賞の選考委員って何してるの?

          各選考の流れについて

          こちらでは、少し文学賞の選考について説明をします。 もし興味があれば、ぜひ参加を検討してみてください! 選考の対象となる作品 対象となる作品の条件は2つ その年に「発表・翻訳された」作品であること 単体で楽しめる作品であること です。 前者については、発表自体が昨年の海外であっても翻訳が今年、というパターンがあるので海外作品の場合もふくめてこのような条件にしています。 後者については、シリーズ物の途中巻などの場合、初めてシリーズに触れる人には評価が難しいです。そうし

          各選考の流れについて

          「本好きな人」を探してたら、自販機の下を覗く呪いにかかった

          自販機の下に鈍く光るものがある。覗いてみると、やっぱり!10円玉だ。 こんな経験をした人は一定数、いると思う。 逆に自分で落としてしまって、ああっ…しまった。えい! と這いつくばって拾おうとした経験がある人もいるかもしれない。 ちなみに私の知り合いが、同じように取ろうとした際、胸ポケットにかけていた眼鏡を地面へ強く押し付けて折った。 とれた!と喜んでいた笑顔が、眼鏡の破損に気がついてみるみる萎んでいくさまは未だに忘れられない。 みなさまも、どうかお気をつけて。 そんな

          「本好きな人」を探してたら、自販機の下を覗く呪いにかかった

          「面白い作品」と「ためになる作品」。世の中に広めるべきは、どちら?

          こんにちは。「読者による文学賞」を運営をしている まつ です。 久しぶりの投稿だというのに、少し挑戦的なタイトルですね。苦笑 ちなみに皆様なら、上の質問になんと答えますか? 「どっちも良い」「人それぞれ」なんて答えは禁止です。絶対にどちらかを選んでください。 ……なんて強圧的なお願いになってしまいましたが、実はこうした問いに毎年挑戦しているのが「読者による文学賞」に関わる読者たちです。 文学賞では読者に推薦された作品から「もっと多くの人に読んでもらいたい作品」を、これま

          「面白い作品」と「ためになる作品」。世の中に広めるべきは、どちら?

          最終選考会④

          選考のメインパートです!

          最終選考会③

          それぞれの作品に対する意見交換です!

          最終選考会②

          選考委員それぞれの推薦作品について伺いました!

          最終選考会①

          全体の雑感について参加者に伺いました!

          最終選考レビュー⑩『セバット・ソング』

          「セバット・ソング」 著・ 谷村 志穂 (潮出版社)さて、最終選考レビューも遂に、最後の作品となった。 この『セバット・ソング』。誤解を恐れず書くと、読み終わった時、よくこの作品が最終選考に残ったな、残ってくれたな、と思った。 今回、最終選考の作品を見てみると全体的に爽やかだったり、明るかったりする読了感を持った作品が多い。その中において、この作品は全体を通して重苦しい空気で満たされており、扱うテーマも突き刺すような厳しさがあるという点で特殊な作品だった。 知名度で左右さ

          最終選考レビュー⑩『セバット・ソング』

          最終選考レビュー⑨『日歿堂霊怪日録』

          「日歿堂霊怪日録: 遺品整理屋はいわくつき」 著・ 岡本 七緒(宝島社文庫)遺品整理業という言葉は、最近では珍しい言葉ではなくなった。 高齢化の進んだ現代社会においては明確に存在するニーズで、それは今後も成長を続けていくと思う。実際、ニュース番組においても、よく特集が組まれているのを目にする。 偶然だが自分は前職の時、間接的にこの仕事に触れる機会があり、その時「小説向きの職業だな」と感想を持ったのを覚えている。 といっても、想像していたのは、どちらかと言えば推理小説の方

          最終選考レビュー⑨『日歿堂霊怪日録』

          最終選考レビュー⑧『うつせみ屋奇譚』

          『うつせみ屋奇譚 妖しのお宿と消えた浮世絵 』 著・遠藤由美子(角川文庫)この作品は、今回の文学賞の中でも、少し異色の作品だった。 というのも、かなり多くの方からの支持を得て最終選考作品にノミネートされていたからだ。 一次選考においては、2番目に多い推薦数となり、二次選考でも投票推薦作品として多くの投票を受け、最終選考にノミネートされた。投票数の影響をできる限り排除した選考設計にしたとはいえ、これだけ多くの方の期待を背負っている作品となると襟を正さずにはいられない。 さあ

          最終選考レビュー⑧『うつせみ屋奇譚』

          最終選考レビュー⑦『線は、僕を描く』

          『線は、僕を描く』 著・砥上 裕將(講談社) 今回の文学賞で大切なことの一つが「透明性」である。だからこそ、正直に書いておきたい。 本を読む前、この作品に対して良い印象は抱いていなかった。文学賞の選考対象にならなければ手に取ることもなかったと思う。 ぶっちゃけた話、選考委員のAさんが「投票推薦作品」に選び、読者投票で対象に決定されたのを、かなり複雑な気持ちで見ていたのだ。 「読んだこともないくせに」という批判は、甘んじて受ける。 そもそも作品の内容そのものに理由はない

          最終選考レビュー⑦『線は、僕を描く』