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蕎麦屋のラーメン(新宿)

時空画報

蕎麦屋のラーメン只モノではないのでは、と気が付かせてくれたラーメンというか蕎麦屋が新宿の「更科」。より正確には新宿3丁目~新宿御苑か。
かれこれ十年は経つだろう。仕事仲間と新しいクライアントの打合せの際、この「更科」に連れていただいた。「ここの中華そば行けますよ!」の一言に誘われてオーダーをした。背脂、ニンニクといった当時の流行とは一線を画した、というより全く進化していない、昭和の趣きをたっぷりと携えた「中華そば」は文字通り、記憶に残ったまま今もリピートされ、さらには「蕎麦屋のラーメン」というジャンルを自分の脳内に確立させてしまった。

一言でまとめると、「記憶の中の美味しいラーメンを忠実に再現してくれる」が自身を納得できる表現だ。蕎麦屋さんらしく、しっかりと鰹と昆布のお出汁をベースに鳥ガラスープと濃い口醤油が相まってシンプルかつ力強い味となっている。

昭和末期のバブルと平成のリセッションの経済状況によって、どこの駅前にもかならずといっていいほど存在していた家族経営の一軒家の日本蕎麦屋はほぼ絶滅した。この「更科」はどの駅からも少し離れており、当時の土地・建物の騒乱から奇跡的に免れた、今もなお存在している貴重な蕎麦屋だ。

「蕎麦屋のラーメン」は店舗の存在と供するラーメン/中華そばの秀逸な味のコンビネーションは絶滅危惧種といっていい。少しずつではあるが、このnoteに東京都下の「蕎麦屋のラーメン」:レッドリスト※を記録していきたい。

※レッドリスト:環境庁が作成する、日本の絶滅のおそれのある野生生物のリスト。国際的には国際自然保護連合(IUCN)が作成。

そば処「更科」 新宿一丁目。地下鉄丸ノ内線「新宿御苑」駅もしくは都営新宿線「新宿三丁目」駅から徒歩で。

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