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鴨猟師直伝、市販の合鴨の仕込み

時空画報

常々、鴨猟師の諸先輩たちは「市販の合鴨は脂が多すぎて食えない」との愚痴をこぼしています。しかし、2年前の銃所持許可証の更新の教習射撃場で、福島と新潟に猟場を構える老ハンターから教えていただいた「市販の合鴨で作る鴨せいろ」が秀逸でしたので、ここに紹介します。

【レシピ】

① 合鴨胸肉の脂を外し、1㎝程に切り分ける。
② 切り落とした脂身だけをフライパンに落とし、弱火で焼く。油は不要。
③ 脂身から脂がにじみ出てきたら、中火にして長ネギを投入。
④ 葱が狐色になったら、取出す。葱の青い部位はさっと脂を吸い取るように炒める。鴨の脂を長葱全体が吸い込みます。
⑤ キッチンペーパーで、残った脂を吸い取り、弱火に戻し、脂身がカリカリになるまで「揚げ玉」状態になるまで炒める。(焦がさないように。)今回、合鴨の胸肉には260gの脂が乗っていましたが、焼きを入れて取り出した脂は200g。コップ一杯溢れる量です。
⑥ 蕎麦のつけ汁に、カリカリとなった脂身=「揚げ玉」と長葱を投入して温めます。
⑦ 最後に薄切りにした鴨の赤身肉を投入。身は完全に火が通すのではなく、赤身を少し残したミディアム程度に。火を通しすぎると、鴨肉が固くなり、風味が損なわれます。
⑧ つけ汁に、季節に応じて、三つ葉、セリ、クレソンなど香りのある野菜を少々投入して完成。お好みで、柚子皮を一切れ、すりごま少々追加するとさらに風味が向上します。

合鴨肉の脂をこんがりと炒めた「揚げ玉」から、肉の旨味と焼かれた脂の香りが麵つゆに溶け出していきます。また合鴨の脂が葱の旨味、甘み、香りを引き出します。これらが相まって醸し出す蕎麦つゆの豊穣感に、脂臭さの抜けた赤身の鴨肉のコクのある旨味が重なり、絶品「鴨せいろ」の誕生です。「脂」の文字を因数分解すると「旨い肉(月:肉付き)」。文字通り、肉の旨さの源。この熱々の「鴨汁」に冷たい蕎麦を通し、お楽しみください。至福の一品です。

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