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愛だろ、愛・・

noteをはじめるにあたり何を書こうかと考えましたが、やっぱり最初は、自分が大好きなコトについて書いていこうと思います。誰得な内容になってしまうことが今から想像できますが、まずは書いてみよう、ということでお暇な方はお付き合いくださいw

僕が大好きなコト、それは・・・

行きつけのお店でホルモンを愛でることです!

ちなみに誤解されがち(誰にだw)なのですが、僕はどんなホルモンであっても好きなのではありません。ある特定のお店でなければダメなのです。人生でこんなに特定のお店に(2つ目の自宅のように)通ったのは初めてというくらい、、まさに虜です。そしてこのお店、自分が楽しむだけではなく、大好きな方々を連れていきたくなる。そしてみんなが虜になっていくという。

さて、今日はなぜそのお店で愛でるホルモンがこんなに好きなのか、なぜ虜の連鎖が起こるのか、考えうる限り要素に分解して考察していきたいと思います。きっと、この考察の先には、人を惹きつけて止まないというのはどういうことなのかのヒントが隠れているはず、と真面目な想像もしつつ、誰得な考察を始めていきます。

大好きな要素考察その1 試合前のボルテージ

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お店の入るビル。これがまず雑居すぎる。雑居というかいかがわしさが漂っている。駅前から少し歩く繁華街からは外れた場所にあり、入口にはアジアンマッサージやらバニーガールズBarやらの看板が。見た目がすでに怪しい。一見では絶対に(絶対にw)入る人はいないであろう門構えなのだ。一人でこのビルに入っていく姿を目撃されたら初心者はかなり微妙な気持ちになること間違いない。エレベーターも超狭く、目標である最上階の店舗フロアまでそもそもエレベーターが通っていない。一つ下のフロアで降り、怪しいマッサージ店を右手に仰ぎつつ非常階段的なルートで最上階へ向かう。裏口かよと。もうここまでで自分はいけないことをしてるんじゃないかというドキドキの連続である。

何度通ったかもわからないのに、この非常階段を踏みしめるときのムネノコドウは変わらない。なんだろう、子供の頃の秘密基地感に近いのか・・え?ここ?こんな階段からいっちゃうの?そう、ここを抜けた先にある桃源郷を想像するプロセス。この秘密感はヤバイ。そうお店に入る前から試合は始まっている。

つまりボルテージは最高潮ってやつだ。

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大好きな要素考察その2 実家のごとく


階段を最上階まで上りきり、鉄製のドアをギギギッとあけ、上着と荷物を整え、ビニール製の暖簾をくぐると、さあ「おかえりぃ!」というあったかい声と満面の笑みで店長が迎えてくれる。帰ってきた。

このお店は、3年前(2020年現在)に独立した若いご夫婦二人が経営している。板場に立つのが年下の旦那さん料理長、フロアは超元気な年上の姐さん店長。この二人がとにかくヤバイ。何がヤバいのかは更に追って分解するが、とにかくまず入店前にあれだけ高まりきっていたボルテージ=ムネノコドウが姐さんに迎えられると、ススッと整っていく

あぁ帰ってきたなと。今日もまた。僕は実家に帰ってきた

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大好きな要素考察その3 達人の間合い


店内にはデカイBGMもなければ派手なパフォーマンスもない。至ってシンプルだ。フロアは4人掛けテーブルが6つとカウンター数席のみ。このフロアを姐さんが一人で回す。そう、ここでは姐さんのコミュニケーションが空気となって空間を彩っている

人が飲食店にいくコンディションは色々だ。嬉しいことがあった、お祝いがしたい、相談がしたい、愚痴をきいてほしい、ただただ話したい、静かに考えたい、騒ぎたい、などなど。人はそれぞれのコンディションでお店を訪れる。

そのコンディションと店が創り出す空気感にギャップがあるとき、人は心地よさを失う。逆にその空気感と自分のコンディションがシンクロしたとき、居心地の良さ、心理学でいう良い意味でのComfort zoneに入る。そう隣に天使が舞い降りてきたかのように。

姐さんの創り出す空気感は、まさに変幻自在である。こちらがアゲアゲのとき、落ち込んでいるとき、シリアスなとき、、どんな状態であってもすぐ近くにいながらも、これ以上は・・・というところは絶対に超えてこない。目線が合えばすべてが伝わり、何も言わずとも網が交換され、お代わりがやってくる。会話も最小限でありながら、楽しい。気持ちが良く楽しいのだ。絶妙な身のこなし、目配り、トーン、距離感、、まさに達人の極みといえる領域に到達したお師匠様のような。どんな人生経験をつんだらこの若さでこの高みにのぼれるのか。


そう、この店ではいつも隣に天使が舞い降りてくる。

Comfort zoneへようこそ

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大好きな要素考察その4 ぴかぴかすぎる


ヤバすぎる料理長にも早く触れなければいけないが、その前にもう一点。このお店が入るビルの雑居ぶりと門構えのいかがわしさは前述のとおりである。が、このお店はピカピカなのである。オープン3周年がたつのに頬ずりできるほどにピカピカなダクト。寝転がることも出来るほどに磨かれて綺麗な床。姐さんの掃除にかける熱量はハンパない。店内からお手洗いに至るまでとにかくピカピカなのである。そして、一般的なホルモン屋は煙がモクモクと立ち込め、洋服につく匂いが気になったりするものだが、この店ではまったくその心配がいらない。すべてがクリーンなのである。

あぁ、清潔は神だ。

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大好きな要素考察その5 味の秘訣はワザにあり


書いていて忘れかけていたが、これはホルモン屋の話である。ホルモンに触れないままに1800字を超えてしまった。さて、いよいよ主役の登場である。遅い!

ホルモンには流派がある!・・・・のだが、この流派に触れると非常にマニアックな話になっていくのでこの話題はまた別の機会にさせていただくとする。今回は総称としてのホルモンの味の話をしたいと思う。

結論、ホルモンのウマさは2つのKeyDriver(変数)に左右されるといっても過言ではない。これは元同僚と2年かけて新橋中のあらゆるホルモン屋を訪問し、調べ尽くした結論だ。

KeyDriverの一つは、下ごしらえ。もう一つは焼き方だ。

ドヤ顔で言うことか!という突っ込みは一旦スルーさせていただき、もう少し解説したい。


肉の仕入れ先というのは、都内のホルモン屋ではそんなに違いがないものらしい。では、同じようなところから仕入れる肉なのに、お店ごとになぜ味に違いがあるのか。これが不思議でならなかった。勿論、鮮度や肉の目利き力にも左右はされる。が、本当の意味でウマさのレベルの違いは、下ごしらえにあるということを自分はこのお店で知った。

口にいれるとコリコリッと噛み切れてすぐに溶けていく。堅さがあるのに溶けていく感覚。そうかと思えば、ぷにゅんぷにゅんのかたまりがじゅわーっと口の中で消えさっていく。ほんの少しの余韻を残して。これはもう魔法である。ホルモンを口にして呻き声が出るという体験をしたことがあるだろうか。ここではそれがおきるのだ。

この店のホルモンをよーく観察するとわかるのだが、肉の表面にとんでもなく細かい切込みが入れられている。料理長のワザだ。包丁だけではなく、色々な部位ごとに丁寧に丁寧に繊細な手仕事が施されている。その仕事を愛でながら一枚一枚焼き、食させていただく。さぁ口のなかでこのホルモンがどう変化していくのか、料理長の仕事を想起しながら味わう。これはもうドラマである。いや、ファンタスティックなショーだ!口にいれた瞬間、そしてひと噛みした瞬間「ぐぐぅぅ、、、これは」と、自然とにやけてしまう。我ながらヤバイ。

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また、安易にタレに逃げないというこだわりも料理長の仕事に対するプライドだ。肉の臭みを消すためにホルモンを濃いタレに浸して出す店が多いが、このお店はタレには逃げない。ホルモン本来の味と可能性を料理長のワザで最大限に引き出していく。ここでのワザとは芸術的な包丁捌きのみならず、ときに胡麻油、ときに大葉、ときに梅紫蘇、ときに山葵谷とさりげない隠し味の無数のバリエーションを包含する。我々はそのワザによって引き出された可能性をいただくのである。

大事なことなのでもう一度言う。


可能性をいただくのだ!!


・・・、興奮してしまったので少し落ち着きたい。ゴホン。
そして決して忘れてはいけないのが焼き方である。

ホルモン本来の味を引き出していくのが料理長のワザ、というのは前述のとおりだが、そのホルモンに網という舞台上で最高のパフォーマンスをさせるのが姐さん店長の手腕だ。

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ホルモンには部位によってとても強い個性がある。だれもが主役であり脇役でもある。まるでミュージカル役者のようにお互いが際立った存在感を放つ。その個性に仕上げを施すのが焼き方である。どの子にどんな焼き方を施すと最高の状態に仕上がるのか、もっというとどういう状態が最高なのか。姐さんはこの焼き方を研究し尽くしている。※ここでの焼き方とは、炭や網へのこだわりも含んでのこととご認識いただきたい。

そしてそれをときにやさしく、ときにシンプルに伝授してくれる。お店に通い詰めて2年が過ぎたくらいからようやく自分でも焼けるようになってきたが、それでもまだ姐さんの焼きの足元にも及ばない。スポットの当て方によって役者は輝きもするし、褪せても見える。あぁ奥がクソ深い。

料理長が役者の可能性を引き出し、姐さんが舞台上の演出を施す、幕が変わるごとにシーンも役者も入れ替わる。この全員が奏でていく旋律を観客として最前列で楽しませていただく

そうここはミュージカル劇場なのである。

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大好きな要素考察その6 愛なのか


はじめてのnote執筆。自分の大好きなことを!と思い、本当に誰の得にもならないようなことを深夜にここまで書いてきたが、想いが溢れすぎて本当に我ながら誰のための、なんのことだかわからない記事になった。

でも、自分自身こうして「なぜこんなに好きなのか」を分解していくなかで、気付いたことがある。

それは、「愛」だ。

そう、このお店のいたるところに「愛」が充満しているということだ。

お店への愛、仕事への愛、お肉への愛、お客さんへの愛、

そしてお二人の愛・・・・


人は愛に触れたとき、感動を覚え、そして強烈に惹きつけられていくということなのだろうか。神は細部に宿る。そして愛もまた、細部にまで宿る

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・・・なんのことかわからない僕のホルモン愛について長文お付き合いいただきありがとうございました。お店に興味がわいた方はご連絡ください。

一緒にミュージカルにいきましょう。スタンディングオベーションが待っています。

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