見出し画像

ワンオペ生活が教えてくれたこと

諸事情により2か月間、子供二人(中学生男子、小学生女子)を抱えてのワンオペ生活を過ごす機会をえた。これが事前に想像していた以上になかなか大変な日々だったが、結論から言うとこの2か月とても多くの気付きと学び、そしてオジサンながらに僅かながらの成長を得られたような(気がする)貴重な期間だった。ということで、せっかくなので記憶が薄れないうちに備忘であり自分への戒めのために記憶の限り書き記しておこうと思う。

まず、代表的な一日の様子について。とにかく慌ただしい。 ※(  )内は心から漏れる声だ。

娘が6時半に家を出るため起床は5時半。自分は超がつくほどの夜型で朝は苦手。一方の娘は寝起きがとてもよく、飛び起きるが如く起床するので気持ちが良い。二人分の朝食の準備と息子の弁当の準備に取り掛かる。朝食はホットドッグかホットサンド、サラダとフルーツに野菜ジュース。ワンオペだから栄養が偏ったとか、朝食が貧相になったとか感じさせたくないので頑張って少しだけ手間をかける。食後は娘の髪を結うのに手間取りつつ僅かながらの幸せふれあいタイムを過ごす。まだ娘からウザがられていないことにも安堵する。

そうこうして6時半に娘を見送る。と同時に息子を叩き起こす。息子は寝起きが超悪くそう簡単には目覚めない。文字通り叩き起こす。いや蹴り起こす。のろのろと布団に座す地蔵のような動きに軽く苛立ちを覚える。食事も着替えもとにかくスローで生気がない。もはや透けてみえなくもない。そこだけスローモーションで時が流れている。(DIOのスタンドが使えるようになったかのようだ)

また、息子は遅刻と忘れ物常習犯のため、なんども「大丈夫なのか?」と確認をいれる。が、依然として反応は薄く「ぁー」との気の抜けた一言が返ってくる。(こいつマジでふざけてんな)苛立ちゲージが更に一段あがる。そんなこんな最後は弁当を渡し、蹴りだすように息子を家から送り出す。ここで7時。

さぁそこから一気に食器を洗い、子供たちのベッドを整え、ざっと家中に掃除機をかけてようやくの一息。(普段気にならなかったが髪の毛ってこんなに落ちるものなのか。埃もたまるなぁ) コーヒーを入れて少しだけ一休み。そして家じゅうのタオルや布巾類を回収して新しいものに代え、朝のうちに衣類とともに洗濯機を回す。スイッチオン。

午前

仕事は8時頃から開始。メールのチェックをしつつ午前中に何本かmtgを。mtgの切れ目で洗い終えた洗濯物を干す。(洗濯機は性能が向上しても、干すという作業は何十年も変わっていないんじゃないか。洗濯DXがなぜ起きないのか?を考える)が、考えるだけカロリーと思考の無駄だということに気付き、心を無にして淡々と済ます。あぁ面倒だ。地味に面倒くさい。そして息子の靴下が必ず裏返っているか丸まってることに対する苛立ちが4足目にいたったときに殺意にかわる。(マジでぶっ〇〇すぞ)

そうして引き続きmtgをしているうちにタイミング的に給食がない時期ということもあり娘の帰宅時間が近づいてくる。午前が一瞬で終わることに焦りつつ、mtgの切れ目で昼食のスタンバイへ。レトルトのソースで申し訳ないなと思いながらパスタを茹でて娘の帰宅時間に備える(茹で7分、ソースレンチン2分、まぜまぜ1分、計10分で準備完了)。娘の帰宅後は、学校であったことを聴きながら昼食を食べる娘の横で仕事。食べ終えたら食器を洗い、午後のmtgへそのままGO。(シンクに汚れたままの食器が溜まっているとソワソワするためすぐ洗いたくなってしまう。。一日の最後にまとめて一気にやったほうが効率的なんだろうけど、洗わないと気持ち悪いし)

午後

昼食後、娘は一人で宿題に取り掛かる。終わったら読書(曜日によっては習い事へ)などのフリータイム。僕は午後もmtgが続く続く。そうして夕方には地蔵の息子が帰宅。このあたりから夕食の準備に意識が半分もっていかれる。夕方のmtg終了時には献立が頭をぐるぐる。経験値的に作り置きというスキルを身につけていないため都度対応になってしまう。子供たちに食べたいものをヒアリング(といっても提示できる選択肢は3つ位(´;ω;`))し、簡単レシピをチェックしつつ、15分で買い物へダッシュ、15分で調理。24時間のスーパーが徒歩圏内にあるのは本当に神だ。

子供たちがシャワーを浴び終えたら晩ご飯を並べられるように段取る。なるべく効率的に時間を使っていきたい一方で、晩ご飯は子供たちにとって楽しみになるような時間にしてあげたい気持ちも棄てきれず出来る限りの工夫を凝らす。この過剰なサービス精神が自分を追い詰める。

※ちなみに食事の準備でお世話になったのがこちら「料理研究家リュウジのバズレシピ」! めっちゃ簡単で材料費も安くて旨いレシピが満載。忙しいパパママにオススメ。子供たちも大好き「サイゼリアの辛味チキン」再現レシピなんかもある。

引き続きmtgを済ませ、20時頃に調理器具や食器類、弁当箱を洗い、洗濯物を取り込んで畳み、制服のシャツ、スモッグなどにアイロンをかける。アイロンは地味で時間もかかる作業だが、実は衣類の皺を丁寧に伸ばすというプロセスは集中すると心の皺すらも伸びていくような感覚になる。これは大いなる発見だった。(アイロン掛けは心の皺との対話会、もはや瞑想だ。)

そして娘の宿題のチェックと次の日の準備状況を確認しつつ少しだけお喋りをして21時頃に娘就寝。(おやすみなさい)天使の寝顔を確認して癒されることは決して忘れない。

一方の息子は宿題をやっていると見せかけて隙あらば漫画(主に「こち亀」チョイスは悪くはない)を読むのでその都度部屋をチェック。いたちごっことはこのことだ。とにかくひたすら面倒くさくてキリがない。せっかく娘の寝顔に癒された心もすぐにささくれだっていく。とはいえ仕事も残っているので落ち着いて21時半頃から残りのメール対応に取り掛かる。22時半頃に一旦終了。そこから足りない日用品(洗剤やらティッシュやらシャンプーやら水やら減るの早いなオイ!)をリストアップしてスーパーへ買い出しへ。なんだかんだ毎日何かしら足りなくなる。不思議だ。こびとが盗みに入っているのかとすら疑いたくなる。一応何かあると心配なので息子の起きている時間に買い出しを済ませる。

買い出しから帰宅。明日の朝食と弁当について脳内シミュレーション。23時過ぎに残りの仕事を片付けてようやく一日が終了。23時半頃から風呂に入って晩ご飯をすます。ここでようやく少しだけリラックスタイム。(ふぅ)そして24時ごろに息子就寝(寝起き悪いんだからもっと早く寝ろ、この〇〇ヤロウ)。息子の寝顔からは癒しどころか猛烈なイビキでウザさもマックス。心のささくれを過剰なまでに刺激してくる。(寝よう、もう寝よう)そうこうしながら25時ごろに僕就寝。気を失うように夢の世界へGo to heaven。

この生活を約二か月続けて気が付いたこと。

画像1

こんな生活が二か月間。とにかく目まぐるしいし慌ただしい。思考する時間なんてほとんどなかった。世の中のワーママの皆さんは超人なんじゃないか。一体どうやって生活を成立させているのか。リスペクトという言葉ですらチープに聞こえてくる。

と、そんな思いに駆られつつ、最後にオジサンがこんな生活を続けてみてあらためて気が付いたことを書き記しておく。しかし書けば書くほどに当たり前のことばかりすぎてこんなこと公開したらなんだか各方面から怒られそうな気がしてきた。が、その当たり前すらも意識できていなかったということに気が付けたことだけでも感謝しかない。人としてごめんなさいと言いたい。これはもう贖罪だ。


家は黙っていると埃もたまるし汚れていく。そりゃそうだ。

画像2

当たり前といえば当たり前のことなんだけど普段奥さんが掃除機を掛けたり、拭き掃除をしてくれているからこそ綺麗な状態なんだなということを再認識する。「ある程度妥協することが大事だよ」とアドバイスをもらい実践するも、それはあくまで妥協であって、本当は綺麗にしておきたいなという気持ちをゼロに出来ているわけじゃない。なので無邪気に子供から「髪の毛落ちてるよー」とか「埃たまってるね」とか言われると、「いやいやそれわかってるから!!」とついイラっとしてしまう。

悪気があったわけでも嫌味が言いたいわけでもなかったけど、相手の心を想像せずに指摘とかしちゃってたな自分。ごめんなさい。

ご飯は毎日のルーチンだけど作業じゃない。旨い?旨い?

画像3

子供たちは夕食時にテレビをつけて黙々と食べ始める。不味いとは言わないものの、美味しいともいわない。とはいえ創った側としては味が気になるので毎回「今日の味、どう?」とヒアリングする。そうすると「うん、普通にうまいよ!」の一言が出てくる。表情もまずまず。ここでようやく達成感に浸れる。

ご飯が「うまい」ってたったこの3文字だけで創り手は達成感に浸れるし純粋に嬉しくなるんだよなって。これも当たり前のこと。普段から「うまい」って言えてたかよ自分。ごめんなさい。

めまぐるしくて自分の時間なんてほぼないわ。

画像4

自分は無理矢理に寝る前の晩酌タイムを1時間確保していたけど、基本的に家事と仕事を並行すると朝から夜まで自分の時間なんてない。本を読む時間すらとれない。それを考えれば出勤途中に本を読んだり、仕事中に休憩してお茶を飲んだり、どんだけ楽をしてたんだろうという思いに至る。

ちょっと家事やっとくからお茶でも飲んできたら~、って一回でも言ったことあったかよ自分。ごめんなさい。

「やっておいたよー」って心遣いの嬉しみよ。

画像5

mtgの終盤では次のmtgが始まるまでの隙間時間のなかで片づけるべき家事をシミュレーションして即座にそして一気に取り掛かる。時間がない。そんなとき、いざ取り掛かろうとしたタイミングで「やっておいたよー」(洗濯物畳んでおいたよーとか)って息子、いやほぼ娘から声が掛かるともう100万回ハグする勢いで嬉しみに満たされる。畳むとか、洗うとか、ゴミ捨てるとかやる側にとってはほんのちょっとした作業。でもやってもらった側からすると急にぽっかりと時間が出来る(マジで神)し、忙しくしてることを気遣ってくれたってだけでめっちゃくちゃ嬉しい。これは本気で。

このちょっとした気遣いって、なんだか忘れがちだったよな自分。ごめんなさい。


ドヤってた自分が恥ずかしい。

画像6

なんとなく普段男性が対応する家事って週末にお風呂を掃除したり、大きなものを買いだしたり、と一つ一つのサイクルが長い類のものが多いんだなと。そういう類の家事ってなんか成果がわかりやすくて「やった感」が得られる。たまにやる窓掃除や風呂掃除は明らかに見た目でピカピカになるのでやった感がすごい。自分もやるたびに「やってやった感」でドヤ顔してた。でも毎日毎日短いサイクルで淡々と繰り返しやってくる家事って、一つ一つの達成感はそこまで大きくないかもしれないけれど、一つ一つ手を抜くわけにいかない重要なものばかり。それを毎日毎日同じ品質で永遠にやりつづけること。これってめちゃくちゃ凄い。家族の感謝の言葉がなかったら心折れちゃうんじゃないかってくらい。

この感謝の言葉って「ありがとね」のたった5文字。このたったの5文字、言えてたのかよ自分。ごめんなさい。

  :
  :

そんなことを元の生活に戻ったいま、ようやくゆっくり振り返れた。たった2ヶ月、されど2ヶ月。このワンオペ生活は、気遣いと感謝についてたくさん考えさせてくれる貴重な時間となった。マジでありがとうございました。

そしてワーママの皆さんに全人類を代表して心からの感謝をもうしあげます。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?