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『湿潤療法における創傷治癒のエビデンス』

小動物獣医療におけるエビデンスに基づく創傷治癒と湿潤療法の効果
Moist Wound Healing versus Dry Wound Healing in Small Animal: A Review of Evidence
広瀨 正和

【背景】創傷治癒には、従来から行われているDry Wound Healingと人医療で始まっているMoist Wound Healingがある。Moist Wound Healingは、サイトカインなどの細胞成長因子や消毒薬の細胞毒性に関するエビデンスにより、多くの利点が再認識されている。Moist Wound Healing理論に基づく創傷治癒機序と治癒期間の短縮、疼痛軽減、治癒の質に対する効果について獣医療における意義を検討する。 

【方法】Moist Wound Healing とDry Wound Healingの治癒過程の相違を明らかにし、その理論的根拠を小動物におけるin vivoを中心とした多くの実験的文献に求め、これに付随したサイトカインの意義と消毒における治癒遅延のエビデンスを求めた。また、近代ドレッシング材の特質を調査し、実態としての使用方法を知るために動物病院における犬による症例を得た。

【結果】Moist Wound HealingはDry Wound Healingとの比較を通して、創傷治癒は湿潤状態により、痂皮を形成せずサイトカインネットワークを維持し正常な治癒過程を促進した。上皮細胞の移動の速さは2倍となり、治癒促進を示すことが分かった。消毒は、正しい洗浄とデブリードマンを行うことで必要はなかった。                                        

【結論】Dry Wound Healing は治癒の質を犠牲にしたものであり、Moist Wound Healingは生体の持つ治癒能力を最善の環境におく治療方法である。治癒の質においてその差は歴然としている。治癒期間の短縮、疼痛軽減、治癒の質にみられる瘢痕形成・拘縮の軽減などにより伴侶動物としての小動物獣医療における形成外科の重要性に応えうる。


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