見出し画像

山に登りたく・・・

なるのか、ならないのか。
自分には到底登れない、というか、目指そうと思ったこともないけれど
好きであることには変わらないから観たくなる。
怖いもの見たさ、に近いかも。

<MERU/メルー>
監督:ジミー・チン、エリザベス・チャイ・バサヒリィ
出演:コンラッド・アンカー、ジミー・チン、レナン・オズターク

登山家のドキュメンタリー。
メルーを登るまでの日々が細かく表されている。
これを登山というのなら、私の登山は散歩だ。
これまで、登山と言ってしまってごめんなさい、したくなる。
垂直な岩盤にぶら下がったテントなんて想像を絶する。
夜はマイナス29度とかって場所に2週間も滞在するなんて、しかもテントで。
垂直以上の角度で、氷だったり、滑らかな岩壁だったり、もうなぜ登れるのか、
疑問しかない。
頂上が細すぎて、そこの映像を見るだけで足がすくむ。

登ることがどれだけ過酷で、登山中にもその前後にも厳しい判断を
強いられることや、ただ、山を登るとか、制覇するとか、
そういうことじゃないって、生きるってこういうことだって感じてしまった。
強靭な肉体は精神で作られるのだな。
ただただ全てが圧巻で言葉を失います。

あまりにもすごすぎて、ちょっと言葉が見つからないけど、
これは大画面で見るべき映画。
またどこかでやってくれないだろうか。
撮影がまさに登山者なので、映像の圧巻たるや。
これを観てしまうと他の登山映画が観れなくなるかも。


<エベレスト>
監督:バルタザール・コルマウクル
出演:ジェイソン・クラーク、ジョシュ・ブローリン、ジョン・ホークス

1996年に起きた多くの登山家の遭難事故に基づいた実話。
エベレスト登山が商業化となり、多くのアマチュア登山家がエベレスト登頂を目指すようになった。
そんな中で起きた事故が映画化されたもの。
エベレストに登るのに渋滞、ってこんなにも目指す人が多いのか。
富士山が渋滞しているのとは訳が違う。。

ちょっと登るまでの前置きが長いなあ〜と思ったけど、
「登る理由」について話しているシーンはちょっと印象的だった。

しかし、それ以降はもう恐怖。
山の脅威。畏怖しかない。
山をビジネスにするな、と警告をしているように感じる。

ゼログラビティを観た時、宇宙への憧れは宇宙の恐怖に変わったように、この映画もまた登山の恐怖を感じる、いや、教えてくれる映画に思えた。
救いがあるとしたら、登頂をしたこと。
そして登頂が登山ではなく、無事に下山するまでが登山であるということを改めて教えられたように思う。
メルーに続き、私の登山は”散歩”に過ぎないが、それですら怖さを感じることは少なからずある。
いや、怖さを忘れたら登れない、下山できないのかも知れない。
ブーム、というものに一石を投じる映画の一つである、と感じた映画だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?