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社員の退職→欠員補充で採用活動、本当にそれでいいのですか?

求人依存体質からの脱却! 今のメンバーをベストメンバーに

社会保険労務士として様々な会社を訪問し、経営や人事に関する相談を受けていると、いくつかの共通の問題が見えてきます。その一つが組織の「求人依存体質」です。
 
 人手不足が深刻な昨今、「社員が辞める」というのは会社にとって大きな痛手です。それまで蓄積してきたノウハウの損失のみならず、育成に費やしたコストも無駄になり、引き継ぎなどによる人的な負担も発生します。その穴を埋めようと、直ちに新規採用を…という流れになりがちなのですが、私たちはいつも「果たしてそれが正解でしょうか」と問いかけます。
 
 新規採用を繰り返す会社には、ある種の典型があります。新人が入って、他の人が辞めて、すぐに求人をして新人が入って…のループを繰り返す原因の一つが「社内に強いチームを作りきれていない」というものです。
 
 強いチームの条件はいくつかありますが、主なものとして、コミュニケーションが円滑であること、相互に刺激し合える関係であること、欠員が出ても補完し合える体制ができていること、などが挙げられます。
 これらを兼ね備えたチームができると、従業員にとっては仕事のやりがいが高まると同時に、会社に“居場所”ができ、会社側も新しいプロジェクトや急な欠員などにも柔軟に対応できるようになります。おのずと生産性も上がり、ベストメンバーによるベストの業務が可能になるのです。

“保有能力”から“発揮能力”への転換!

この“強いチームづくり”を行った上で、それでも人手が足りないと感じた時に新規採用をすればいい、と私たちは提案しています。強いチームが一旦構築され、持続可能な体制になっていれば、新しく加わったメンバーはそこに加わるだけで良くなります。
 
 マッチアップが提供しているのは、これまで蓄積してきたノウハウに基づく人材能力の底上げと、チームワークの強化で生産性を向上し、ゴールとして会社経営に貢献するためのサービスです。これは“保有能力”から“発揮能力”へのシフトと言い換えることもできます。
 
 ただし、この手法で大切なのは、あくまでも会社組織内の「チームづくり」。人材能力の底上げにより、突出したスタープレイヤーが誕生することもありますが、スタープレイヤーに依存する体質ができてしまうとチームバランスが乱れ、経営上のリスクはその依存度に応じて高くなります。これについては、後の機会に詳しく触れることにします。
 
 新規採用は企業人事の上で大切な手段の一つですが、新たなコストの上乗せでもあり、やみくもに動くのは禁物です。自社が求人依存体質になっていないか、ぜひ一度プロの診断を受けてみてください。