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ニンプ無責任記録 ~つわりについて~

予期せぬ妊婦生活が始まって3週間ばかり経った。
経過や思ったことなどを備忘録としてこのnoteに書き残していこうと思う。
仮だがタイトルもつけてみた。

さて、この数週間どうしていたかというと。
まァーーーーーーーーーーーーとにかくつわりがつらくてしおしおになっていた。

吐き気と頭痛、時々嘔吐。
ずっとベットにこもって暮らしている。常に二日酔いのような状態で、横になろうが丸くなろうが楽になることもない。唯一眠っているときだけが不快感から解放される時間。

幸い理解ある職場だったので、年一の繁忙期にも関わらず在宅勤務させてもらえている。これは本当にありがたいことだ。ベットの中でちまちまPCをいじる日々が続いているが、日によってはそれもできずにただただディスプレイを眺めるだけで横たわっている日もある。

何もしていなくてもその不快感に悩まされるところに、あの「におい」である。
自分の場合は、食べ物のにおいとなにか空間のにおいがまざって漂ってくるにおいが特にダメらしかった。
たとえば、パートナーが料理をしている間に部屋に漂うにおいがダメだった。できた料理そのものを直接嗅ぐ分には問題ないのだが、料理中にキッチンからベットまで漂ってくるにおいで気持ち悪くなる。
換気のために窓を開けていても、お隣さんの晩ごはんのにおいが入ってきたらアウト。散歩でもと思って近所を歩いているとふと漂ってくるどこかのお宅のごはんのにおいでアウト。

また、食べ物だったものがなんらか状態変化をしたり、他の工業的ななにかとまざりあった状態を想起させるようなにおいも無理だった。
たとえばシンクの排水溝のにおい。別に数日ため込んでしまったとかでもない、さっき料理して洗い物したクズがちょこっと残っているだけでもオエッとなる。
我が家の古いトースターは揚げ物の油などがこびりついてしまっているのだが、あたため始めるとその油のにおいが立ち昇ってきてダメだった。

特にきつかったのが、街中の飲食店のにおい。お店の近くを通った時に漂ってくる、油のすえたような路地裏のようなにおいを食らうと、たまらずえずいてしまう。公道で申し訳ないなあと思いながらゲェゲェやってしまう。
駅前ロータリーのチェーン店が並ぶ一角などは地獄だ。

たぶん自分は、つわりの症状があるひとの中ではまだ楽な方なのだと思う。
気持ち悪さはあれど、ダメなにおいがなければふつうに過ごしていられるし、ベットで座っていればデスクワークもできるし、食べられるものを選べば食事もできる。
聞く話では、吐き気がひどくてなにもできないひとやパートナーのにおいがダメになってしまうひと、水も飲めないような重症になるひともいるという。会社の同僚は、医者から絶対安静を命じられベットから一歩も動けなかったという。
逆にまったくといっていいほど症状がないひともいるのだろうし、ひとによるとしか言えないのだろうなと思う。

自分の場合はいわゆる「食べづわり」というのだろうか、食べた方が吐き気がやわらぐタイプだった。
胃が空っぽになると気持ち悪くなる。お腹が空いたときに胃が「グルグル~」と鳴ることがあると思うが、あの「グルグル~」の振動そのままに胃が収縮してそれが吐き気につながる感じ。
医者が言うには、胃が過剰に活動して、内容物がないのに消化しようとしてしまうらしい。唾液の量も増える。

仕方がないので食欲はないがなにかを食べる。りんごとかお茶漬けとかうどんとか、なるべく味やにおいが強くなくて胃に負担をかけないものを腹に入れる。
(参考まで、自分がいちばん重宝したのは玉子豆腐だった。レンジであっためるだけの手軽さと消化のよさとだしの薄味のちょうどよさ)

すると、あっという間にそれらが腹の中で消化されていくのが分かる。1時間もしないうちにまた胃が空っぽになり、「グルグル~」の気配が近づくのを感じる。なので慌ててまた何かを口に入れる。
手の込んだ料理をする気力はなく、手っ取り早く口に入れられるものを探すとおのずと食パンやらお茶漬けやらになる。炭水化物ばかりを口にしている。

お腹が空くと気持ち悪くなる、となるとしんどいのは寝起きである。朝起きたとき、はたまた夜中に何度か寝苦しくて起きてしまったとき、必然胃が空っぽのためどんよりとした気持ち悪さに襲われる。
夜中に起きてしまったときなどは最悪で、そこから起き出してなにか食べる気力もないので、目を閉じてひたすら眠気がやってくるのを待つしかない。

対応策として、寝る前に腹持ちのいいものを食べておくのがいいとネットの知恵を借りた。お餅やパスタなどを夜に食べ、そのまま眠る。目に見える効果があるかは定かでないが、夜中にお腹が空いて目が覚めるということは減ったような気もする。

なにより驚いたことは、こんな生活を続けて数日、恐る恐る体重計に乗ったところまっっったく体重が増えていなかったことだ。
日がな一日ベットでごろごろして1時間おきに食べて、寝る前に炭水化物を腹にぶち込んで…を繰り返しているにも関わらず、である。
知らぬ間に身体がエネルギーを消費しているのだな、と気がついた。

考えてみればそれもそうだ。いまわたしの身体の中で、とんでもないスピードで細胞分裂を繰り返しみるみる成長していく生命体があるのだ。

今は妊娠10週目、胎児のサイズはおよそ3~4cmと言われ、この3週間で5,6倍になった計算だ。
どれだけのエネルギーを費やしているのか、母体の神秘に思いをはせた。

一般的につわりは8~10週ごろにピークを迎え、16週ごろまでに終息するひとが多いという。
まだこれからピークが来るかもしれないという事実に打ち震えているが、明けない夜はない、終わらないつわりはないと言い聞かせてなんとか耐え忍ぼうと思う。


昨夜のクリスマス・イブはかろうじて食べられるごちそうとしてパートナーが作ってくれたすき焼きを食べました。
酒が飲めないことよりも、寿司が食べられないことの方が今は辛い…

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