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カラフルな世界を楽しもう

モンテッソーリ園に通う弟の新学期が明日から始まる。今日は6月の始まりの日だが、園児やママたちにとっては長い長い春休みの最終日で、明日の持ち物やら課題提出やらの話で、ひさびさにママ友LINEが活況を呈した。

課題の中にひとつ大物がある。半分サイズの2枚の模造紙に「おおきなかみをいっぱいにつかって、じゆうにさくひんをつくってみましょう」と書かれた紙が添えられていた。1枚はひとりで完成させる。もう1枚はおうちの人が手伝ってもいいし、ひとりで作ってもいいという課題だった。「何つくる?」と弟に聞いてみると、「うーん、いまはわかんないや」という答えが2日続いたので、こりゃいかん、弟の技量でできそうなことで、楽しく取り組めそうなことを提案することにした。その結果、折り紙を毎日1種類ずつ折りためて、模造紙に貼り付ける作品と、兄がちょうど図工の課題で使っていた絵の具セットを拝借し、絵の具で好きな絵を書く作品にすることで、弟と意見が一致した。

園児向けの折り紙の本が家にあるので、本から弟が自分で選んだものを折らせることにした。難易度の高いものを選択してうまく折れずに泣き出すときもあったが、日に日に上達し、ハサミで切り込みを入れて折る作品なんかも作れるようになった。気づけば弟は、虫や動物ばかりを選んで折っていたので、「いきものずかん」と名付けて作品とした。なかなかの出来になった。

先が読めなかったのは、絵の具作品の方だ。普段から絵を書くことを特に好んではいないので、こちらは今だからこそやってみようか、というチャレンジの意を込めていた。絵の具は弟にとってはめずらしい画材なので、絵の具を扱うことを楽しめたらそれでいい。使い方を教えたあとはお任せにした。

少し考えてから、一気に筆が動いた。シャッシャッと潔く水色を塗りのばし、半円の弧を描き上げる。次は黄色を選び、水色の下をなぞるように描く。次は青、次は緑。「虹を書いているの?」「そうだよ」「何で虹にしようと思ったの?」「だって、にじがすきだから」。園ではテーマやモチーフのある絵を描くことが多いので気付かなかったが、虹が好きなのか。本物は一度か二度しか見たことがないのに。よっぽど印象的だったのかな。小学校で自由画をよく描いてくるようになった兄も、虹を組み入れた作品をたびたび作る。ふたりとも、虹に対して特別な想いを持っていることが分かった。

私のママチャリのブレーキケーブルは、購入時にレインボーにカスタマイズした。先日、都内で大きな虹が見えたと、インスタに虹の写真が乱立した日があった。虹への憧れは万世の想いか。弟は、悠々とした虹をふたつ描いて「できあがり」と言った。

明日から少しずつ、子どもたちも外での活動が増えていく。どんな日々になるだろうか。答えはひとつではなく、今まで以上に色彩に富むであろう世界を怖がらず、愉しめるようなバックアップを続けたいと思う。

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