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5歳児の脛骨骨折治療記②ー受診までの対応(ゲレンデ転倒〜病院到着)ー

前回の話はこちら↓


2.受診までの対応(ゲレンデ転倒〜病院到着)

ー骨折じゃないことを祈っている場合ではないー

長男と急いで坂を駆け上がると、次男が雪の上にひっくり返ったまま、微動だにせずにいます。少しでも動くと強い痛みが走るようでした。痛いのは、左脚脛の真ん中より少し下の部分と足首。脚を真っ直ぐにはできず、少し曲げて外側を向けないといられないとのこと。「脚が変な方向に曲がった」と言うので、この時点でひねり込みの酷い挫傷か、骨折しかないと確信。とにかく早く病院に連れていかねばと思いました。しかし、「折れているなら一刻も早く処置してもらわねば」と焦る私とは裏腹に、夫は骨折じゃない要素を何とか見つけたい様子。時間をかけて雪の上に転がる次男の脚を触ったり、痛みの質問をしたりしているもんだから、「長男と私で、夫と次男の板とストックを持って歩くから、先に次男を背負ってホテルに引き返して!」と夫に言い放ち、ホテルへ退散しました。ゲレンデ滞在時間20分。落胆半端なかったです。

ー左脚が動くたびに痛がる、骨折の予感ー

おんぶで歩く最中、少しでも左脚がブラッとすると泣く次男。私の中で「骨折だな」という思いを固めます。ホテルに到着し、フロントに事情を話して病院について聞くと、山の麓にある駅のすぐ近くに、赤十字病院があるとのこと。ホテルから30分の距離です。すぐにタクシーに電話。けれども、到着に30分はかかるとのこと。タクシーが来て、病院に到着するまでに今から1時間はかかりそうです。できる限りで痛みを和らげねば。待っている間にフロントの方が湿布をくれたので、痛いという左脛に貼りました。

病院へは私と次男のふたりで行くことに。脚を真っ直ぐにしないと痛がる次男をひとりで担ぐのは心配だけど、動揺を隠せない夫と、宙ぶらりんになってしまった長男を連れて行ってもプラスにならないと判断。特に長男は、まったく滑れずに帰ることになった場合に可哀想だと思ったので、ふたりにはリフト券を受け取って滑っていてとお願いしました。

ービンディングの確認は怠らないでー

タクシーを待つ間、夫に状況確認をします。気になったのが、滑って転んだ際に板が外れなかったこと。次男が板を履くとき、ビンディングに雪が入り込み、夫が手で掻き出していました。湿った雪がペッタリ貼り付くも、すべてをきれいに剥がさず履かせていた光景が思い出されます。そこに原因があるのか。はたまたビンディングの機能低下か。その点は検証できず、今後の要注意事項として心に留めるしかありません。さらにネットで調べを進めると、シューズのサイズが合っていなかったり、装着がゆるい場合に、転んだ衝撃で脛にシューズが強く当たって脛骨が折れることがあるようでした。

考えられたのは3つ。
①板が外れず、転んだ拍子に脛に当たった→外部衝撃による骨折
②シューズの装着が甘く、転んだ拍子にシューズが脛に衝撃を与えた→外部衝撃による骨折
③板が外れず、転んだときに脚が変な方向にとられてしまった→ひねりながらの骨折

幸いにも外傷はありませんでした。後に知ったのですが、皮膚も損傷し、折れた脛骨が外部に露出してしまう開放性骨折というのもあるそうです。厚いウエアを着込むゲレンデではあまりない症例かと思いますが、ここまでになっていたら、冷静ではいられなかったと思います。緊急事態の経験が乏しいので、いざというときの胆力を鍛えねばと思う次第です。

ー5歳児のお姫様抱っこはキツイー

あれこれ聞いたり、考えを巡らせているうちにタクシーが到着。ロビーからタクシーまで大した距離はないにも関わらず、大仕事でした。左脚を伸ばしたままでのお姫様抱っこはかなりキツい。しかも体勢を変えるごとにどうしても痛みは走るので、痛いと叫ぶ次男を宥めながら、腕筋の限界を突破するという至難の業が求められました…。

タクシーでは脚を伸ばすことができたので、30分間ゆっくりできました。痛みの疲れでウトウトする次男。わたしも一緒にウトウト。まさかこんなことになるとは…。タクシーは勢いよく山を下り、赤十字病院のレッドクロスが見えたときには、少しホッとしたのを覚えています。

→③に続く




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