カタカナで音の響きを、漢字で意味を感じたあの頃

小さい頃から本が好きなのですが、絵本やマンガよりは図鑑や辞典が好きでした。昨日ふと図鑑や辞典に関する出来事を思い出したので書いてみる事にしました。

小学校入学に合わせて親に買ってもらった図鑑セットを日々飽きもせずあれこれ見ていて、特に植物や動物の図鑑に一番触れていたと思います。

この時季に多く花を開くバイカモ。澄んだ水の中に色の濃い緑が揺れ、そこに白い花がさくというもの。この「バイカモ」という音の並びが好きで覚えていたのですが、中学生頃になって何かのタイミングでバイカモが「梅花藻」と書く事を知りました。

そうか、そうだったのか。バイカモという単語は知っている、でもどういう漢字で書くのかという事をその瞬間まで全く考えた事がありませんでした。図鑑に書いてあったカタカナのままで止まっていて、しかも日常生活でなかなか出てこないワードなので、漢字表記まで思い至りませんでした。

そんな中で梅の花、そして藻という漢字の並び。バイカモの映像がその三文字で鮮やかに浮かんできます。

それからしばらくは、過去にカタカナで音の響きだけで知っている植物や動物を漢字で書くとどうなるのかあれこれ調べてみた記憶があります。図鑑を見直して気になった動植物を選び、それを国語辞典でひいてみるという作業です。

セキセイインコのセキセイは「背黄青」...セキセイと言う響きが不思議だなと何となく思っていたのですが、どうして今まで漢字表記を気にしなかったのだろう。その漢字を見た時に図鑑に載っていたインコの写真の色合いとカチッとはまり、何だかものすごく気持ち良かったのを覚えています。

他にもいろいろあったと思うのですが、エピソードとしてはバイカモとセキセイインコの事を今でも覚えています。

ふと昔の出来事を思い出して書いてみましたが、何ともユニークな子供ですね。今は加齢で漢字でどう書くのかを失念する日々です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?