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ひたむきな人を冷笑する時代だからこそZARD「負けないで」

先日ZARDについての記事を書いたばかりですが、今日ばかりは書かずにはいられません。ZARDのシングル「負けないで」が発売された日なんです。

「負けないで」が発売されたのが1993年1月27日。毎年夏に放送される日本テレビの24時間テレビをはじめ、わりと耳にする事が多い曲なので27年も前の曲だとつい忘れてしまいます。

この曲が発売された1993年、私は高校3年生になる年でした。高校生最後の1年、これからの進路についてあれこれ思いをめぐらせる時期です。この当時WANDSやT-BOLANなどビーイング系の楽曲が流行っていたので聴く機会が多く、中でもZARDの楽曲は私の日々の活力になっていました。

それまで恋愛の歌詞のシングル曲が続いていたZARDが、そうではない応援の気持ちが強い歌詞を書いた事がとても新鮮でした。詞の内容が高校三年生になるという自分のタイミングとも重なり、「負けないで」は、誰かとの勝負に負けるな!という意味ではなく「自分自身に負けないで欲しい」というメッセージとしてとらえていました。

「人は17歳の頃に聴いていた曲を一生聴き続ける」という話がアスキー総研の編集長をされていた方のインタビューであったのですが、ヤマハの研究者から聴いた話と言うくらいなので、具体的な調査が行われたかなど根拠はわかりません。

でも音楽は人の思い出と深く結びついて「人生の目次」になります。曲のイントロが流れるだけで、当時の風景や香り、誰と何を食べたかといった細かい所まで、飛び出ているインデックスを摘まんで簡単にそのページが開けるように一瞬でよみがえってきます。

17歳あたりは多感で好奇心も旺盛、何気ない事でも思い出になりやすい時期なので、大人と同じ時間音楽を聴いたとしても「人生の目次」がたくさんできやすいのではないでしょうか。人は過去に作った目次を懐かしくめくる事がありますが、目次そのものが多いので結果として17歳頃の曲を思い出す機会が多く、一生聴き続けるという事になるのではと推測しています。

駅メロになるほど認知度があるZARD「負けないで」メロディもとても素敵です。数多くの名曲を生み出している織田哲郎さんによるものです。

織田さん自身の「負けないで」も味わい深い!たぶん若い頃ならこの雰囲気のバージョンは心に沁みなかったと思います。大人になったからこそわかる事もあります。

負けないで もう少し
最後まで 走り抜けて
どんなに 離れてても
心は そばにいるわ
追いかけて 遥かな夢を

負けないで ほらそこに
ゴールは近づいてる
どんなに 離れてても
心は そばにいるわ
感じてね 見つめる瞳

あなたを見つめている、口にはしなくても応援している人、見守っている人がいる。走り続けていれば目指しているゴールが必ず近づいてくる。だから負けないで、自分自身に負けないで。

私はこの詞にそんな思いを感じています。だから自分はゴールを目指していきたいし、何かを目標に走っている人を見つめていたいです。

人が一生懸命にやっている姿を冷笑するような時代だからこそ「負けないで」と大切な人を強く思う歌が必要なのかなと思っています。

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