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横断プロジェクトで推進する、攻めの人・組織オペレーション最適化

STORESのPX(People Experience)部門 カルチャー本部の高橋真寿美です。

主に人事企画領域を担当しており、ミッションである「Just for Fun」の実現に向けた、人・組織づくりに携わっています。

今回は、STORES PX Advent Calendar 2023 Spring 18日目の記事として、「人・組織関連のオペレーション業務の最適化」をテーマに書いていきます。バックオフィスのオペレーション改善などを考えている皆さんに読んでいただけるとうれしいです!

なお、今回の内容は「プロダクト開発をするように組織開発をする」というPXの考え方に基づいて執筆しています。ここでいう「ユーザー」は、主に社内のメンバーを想定しています(参考note:プロダクト開発をするように、 「Just for Fun」な組織をつくっていこう

組織の急拡大期を乗り越えた時、人・組織オペレーションの現場で起こっていたこと

PX(People Experience)部門は、採用・労務・カルチャー・IT・広報の5つの組織から成っています。

部門内の組織横断プロジェクトとしてオペレーション最適化プロジェクト(以降、Opsプロジェクト)を立ち上げたのは、2022年1月でした。

当時、STORES(2022年1月当時はhey)は、組織急拡大の最中。そして、PXのオペレーション業務は、採用・異動・任用・退職など、人が動く時に発生します。つまり、なんらかの手を打たない限り、人が増えれば増えるほど、その業務量は純増していきます。そんな中、各組織単位で、懸命にオペレーション増加に対応していたのが当時の状態でした。

組織横断でプロジェクトを立ち上げた理由は、一言でいうと「各組織での最適化を追求することが、必ずしも全体にとって最適になるとは限らないタイミングがきた」からです。

もちろん、各組織における最適化を目指すメリットも沢山あります。各組織にとって最適な形を追求できるし、何より早い。

ただ、その結果として当時は以下のようなことが発生していました。

① 人・組織に関するデータの分散

当時、STORESの人・組織に関するデータは、2つのシステムと複数のスプレッドシートに分散して存在していました。

これにより、正しい人・組織情報(どの組織に・どんな人が・何人いるのか)を把握するためには、複数のデータベースからデータを突合する必要がありました。さらに、個人を把握するための共通する一意のIDが存在していませんでした(正確には、社員番号やメールアドレスなどIDになりうるものはあったものの、それが全データベースに共通して登録されているわけではありませんでした)。

結果として、各組織の実態を把握しようとするだけでも、大変な工数がかかっている状況でした。

② 自動化の余地

自動化の余地も大いに残っていました。

分かりやすい例を挙げると、入社者が決定した時に採用アシスタントが手動で同じ情報を入力するためのフォーマットが3ヶ所に分散しているなどのことが発生していました。

各組織単位でオペレーションを磨き、なんとか組織の急拡大期を乗り越えてきた中で、全体を俯瞰して抜本的改善をする時間をなかなか割くことができてこなかったということも実態としてあったようです。

Just for Funな組織づくりを支える、攻めのPXを目指して。Opsプロジェクトの取り組み

Opsプロジェクトを通して実現したいゴール状態として置いたのは、以下の2つです。

  • 短期:なめらかで負担の少ない社内システムが、STORESに関わる人の社内体験を支えている状態

  • 中長期:人・組織データが蓄積・活用され、Just for Funな組織づくりをリードする状態

これらを実現するためには、「攻めのPX」としての活動が必要です。そして、攻めのPXとして活動をするためには余白が必要。

まずは効果的で効率的なオペレーションを実現するための土台づくりをした上で、その後にユーザー体験にインパクトする改善を行うことを目指す、中長期計画を立てました。

参考:Opsプロジェクトの全体像

具体的なアクションとして取り組んだ(取り組んでいる)ことは以下です。

① 人・組織に関するデータベースの一本化

まず、それまで分散していたデータを、PX基幹システムのデータベースに一本化しました。

PX基幹システムとしては、SmartHRを選定しました。

私たちは、データベースを中心に人・組織の各機能がシームレスにつながっていく状態を目指しているので、こうした目指したい状態に最もフィットすると感じたためです。また、データベース設計の柔軟性もポイントでした。

分散していたデータを一本化することには想像以上の苦労がありました。例えば、「就業場所」一つをとっても、採用視点・労務視点・IT視点で与件が異なるからです。

各組織をヒアリングしながら、データの定義・取捨選択を行っていきました。

② PX基幹システムを中心とした最適なオペレーションの再構築

現在は、PX基幹システムとそのデータベースを中心として、各組織のワークフローの「モレ」「ダブり」を減らし、「誰が」「いつ」「どこで」「何をするのか」が最適化されている状態を目指して活動をしています。

入社・異動・任用・退職など、社員が動く出来事ごとに、以下のプロセスで最適化を目指しています。

  • STEP1:現状の見える化

  • STEP2:課題のタネ発見(ユーザーの体験向上の余地 / 工数削減の余地 / ヒューマンエラー削減の余地があるものを洗い出す) 

  • STEP3:課題設定(課題解決によって得られるメリットと、かかる工数を天秤にかけてアクションプラン化)

③ PX横断でのタスクの見える化

私たちPX部門は、入社・異動・任用・退職など、社員が動く出来事が発生するごとにオペレーションが発生し、それを各機能(採用・労務・ITなど)が分担してタスクを実行しています。

現時点で、これらのタスクはバラバラのツールで管理しています(Asana/スプレッドシート/Trelloなど)。お互いのタスクが見えないことは、「モレ」「ダブリ」を生んだり、属人化を進める原因になります。

現在のタスク管理の状態

これらを防ぐために、最終的には、PX部門横断でAsanaでタスク管理を行える状況にしていく予定です。

最終的に目指したいタスク管理の状態

ここに書いたこと以外にも、情報流通の最適化や、コーポレート部門(経営企画・財務・経理・法務・リスクなどを担当する部門)と連携したオペレーション改善も行っている最中ですが、これについてはまたいずれ。

組織横断プロジェクトを通して得られた、一番大きなこと

Opsプロジェクトは、STEP1は6名の、STEP2-3は9名のメンバーが参加する、大きなプロジェクトになりました。

担当する領域がバラバラなメンバーで、共通の目的を目指してプロジェクトを前に進めるために、プロジェクトチームとして大切にしたいことを以下のように言葉にしています。

  • 三遊間のボールを取りに行くことを、楽しんでやりたい

  • 疑問や違和感があったら、迷わず口にできるチームでありたい

  • メンバー一人ひとりの強みを生かして、お互いに学び合うことができるプロジェクトにしたい

PX部門には、お互いの状況やこれまでの経緯を慮りながら仕事を進めるカルチャーがあります。このカルチャーがあるからこそ、組織の急拡大期を乗り越えてくることができたとも思います。

一方で、こうしたカルチャーと、オペレーションの全体像が見えづらいという状況が組み合わさった時に、お互いのオペレーションに踏み込みづらいということも起こってしまっていたのではないかと思います。

プロジェクトを進める中で、オペレーション全体像が見えるようになったことで、以下のようなやりとりが当たり前に行われるようになりました。

「ユーザー的には、ここをもっとこうした方がハッピーじゃない?」

「このプロセスは○○グループじゃなくて、△△グループが持った方が、オペレーション工数が減る気がしない?」

こうして、担当する機能を超えて、ユーザーの体験向上をいう目的をめぐって関わり合うことができるようになったこと、これがOpsプロジェクトを通して得られた最大の価値ではないかと思っています。

なめらかでまるいユーザーの体験の実現に向けて

これまでの取り組みを通して、PX内のオペレーションを当面の間良い形で回していくための土台はできてきたと思っています。

これからは、ユーザーの体験を向上していく段階です。

ユーザーの体験を考える上では、仕組みとデザインを通して結果的に「やりたいことができる」「ルールが守られる」世界を模索し続けることを諦めずにやっていきたいと思っています。

バックオフィスの運用する仕組みには、ルールやガイドブックがとかく多くなってしまいがちです(かくいう私も、膨大なページ数の人事制度ガイドブックなどを作成しまくっています。自戒をこめて…)

こういうことを「仕方ないよね」ではなく、「どうやったらもっとなめらかにできるか?」を追求することは、難しいけれど、ワクワクする道のりなはず!

ユーザー体験の向上に関連する試行錯誤や取り組みについては、以下のnoteでも紹介されていますので、ぜひご参考までに。

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