あさのますみ

声優業と文筆業をしています。猫たち、鳥たちと暮らしています。写真が趣味です。 http…

あさのますみ

声優業と文筆業をしています。猫たち、鳥たちと暮らしています。写真が趣味です。 https://twitter.com/masumi_asano

マガジン

  • cakes炎上と、消滅した連載

    2020年、cakesが立て続けに炎上をしたことを受けて、予定していた私の連載が消滅した経緯と、その後についてまとめました。

  • 生まれて初めてガチの野良猫を保護した話

    衰弱した野良猫を保護し、7ヶ月かけて仲良くなり、里親に出すまでの記録です。

最近の記事

noteから引っ越します

2020年は、cakesでの連載をめぐって、いろいろなことがありました。 沢山悩みましたし、沢山考えさせられました。くやしさや、虚しさ、やるせなさをいっぺんに味わいました。周りから人がいなくなることを覚悟の上で、思い切ってnoteにいきさつを書いたら、まったく予想外に、大勢応援して下さる方が現れた、驚きの年でもありました。 結果的に和解という着地点を選んだとはいえ、やはり、さまざま思うところはあります。 そこで、noteから引っ越すことを決めました。今後は、はてなブログ

    • 和解という着地点を選びました

      ご報告いたします。 cakes炎上により連載が消滅した件において、「和解」という着地点を選びました。私から提案した条件を、cakesが受け入れたからです。 cakesは、10月の炎上以降続いていた不誠実な対応を認め、私から提案した内容をすべて含んだ謝罪文を、掲載することを了承して下さいました(これまでの経緯については上の記事を、謝罪文については下のリンクをご覧下さい)。 原稿料をもとにした「お詫び」また、原稿料をもとに算出した「お詫び」を支払いたいというお申し出を受け、

      • 一貫性のない言葉 「cakes炎上と、消滅した連載」のその後

        数日前、「cakes炎上と、消滅した連載」というnoteを書きました。 1ヶ月以上迷って迷って、決断したことでした。noteにはたくさんの反応があり、約40万人の方が読んで下さいました。これをきっかけに、膠着状態だった問題が動き出し、前に進めるかもしれない。私はそう思いました。 けれど実際は、事態は一向に解決に向かいませんでした。cakesサイドの言葉に一貫性がなく、不信感がつのるばかりだったからです。 一体なぜこうなってしまうのか。答えは依然として見つからないままです

        • cakes炎上と、消滅した連載

          2020年10月と11月、cakesが立て続けに2度、炎上しました。 その炎上の影で、開始直前だった私の連載は、突然、運営サイドから「掲載できない」と言われてしまいました。「自死というセンシティブな内容を扱っているから」。それが、編集部が主張する理由でした。 一体どうすれば、この結末を回避できたのか。答えは、未だに見つけられないままです。今私は、協力して下さったご遺族になんて説明したらいいのだろうと、毎日そのことばかりを考えて暮らしています。 お母さまと、お姉さま友人が

        noteから引っ越します

        マガジン

        • cakes炎上と、消滅した連載
          3本
        • 生まれて初めてガチの野良猫を保護した話
          17本

        記事

          生まれて初めてガチの野良猫を保護した話・最終回

          ⑯はこちら 全部わかってる 2020年6月28日、私は里親さんに、しっぽを正式譲渡してきました。車にしっぽを乗せて、えつこさんと夫と3人で、里親さんのご自宅まで、しっぽを送り届けました。 しっぽを正式譲渡する日程が決まったのは、2週間ほど前のこと。その日から今まで、私は、とにかくしっぽがストレス最小限で里親さんのおうちにいけるよう、注意を払ってきました。 里親さんのおうちまで、何度か車で行く練習をしたり。しっぽが使ったケージやタオル、お皿に段ボール、爪とぎ、ブラシなど

          生まれて初めてガチの野良猫を保護した話・最終回

          生まれて初めてガチの野良猫を保護した話⑯

          ⑮はこちら 譲渡まであと一週間 2019年11月末に公園で保護した、しっぽ。保護期間中に、コロナによる外出自粛などがあり、予定が伸びてしまいましたが、ついにこのたび正式に、⑮でも書いた里親さんのお家に、譲渡することが決まりました。6月のおわりに、とうとう我が家を巣立っていきます。 私にとっても、生まれて初めての譲渡。決定までには、さまざまな過程がありました。 まずは、えつこさんによる面談。里親希望者さんと実際に会って話をし、お人柄や、猫に対する考え方――必要な医療を受

          生まれて初めてガチの野良猫を保護した話⑯

          逝ってしまった君へ

          君が突然、自ら逝ってしまってから、1年と数ヶ月が経ちました。 とにかくまったく理解ができず、常に君のことばかり考えていた最初の数ヶ月、悲しみが少しずつ薄れて、その、薄れていくという事実を怖いと思ったそれからの日々。1年以上経った今、私はどこにいるんだろう。自分でもよく分からず、うまく説明できません。 君とはじめて会ったとき、私は18歳でした。君は、ハッとするほど賢く、私が知る限りもっとも器用で、あらゆることができました。独学で次々と言語を習得し、いろんな国に友達を作り、世

          逝ってしまった君へ

          生まれて初めてガチの野良猫を保護した話⑮

          ⑭はこちら 3つのご報告 しっぽについて書いてきた『生まれて初めてガチの野良猫を保護した話』、読んで下さったみなさん、本当にありがとうございます。反響、ご感想、サポート、しみじみと嬉しく思っております。しっぽにもちゃんと報告しました。じーっと私を見つめながらくつろいでいるだけでしたが(笑) 今日は、しっぽを応援して下さっている皆さんに、いくつかご報告があります。 1つめのご報告、いただいたサポートについて 2月から書き始めたこのnote、1ヶ月間でいただいたサポート

          生まれて初めてガチの野良猫を保護した話⑮

          生まれて初めてガチの野良猫を保護した話⑭

          ⑬はこちら それぞれのスタンス 実はしっぽには、「ぜひこの子の面倒を見たい」と立候補してくれた方がいました。しっぽがいた公園の、向かいの工事現場で働いていた50代の男性。衰弱しているしっぽを見つけ、私たちと同じように気にかけ、ときどきごはんをあげていたそうなのです。 「明日から別の現場になっちゃうから、あの子が気になって」 捕獲しようとしていた私たちに、そう声をかけ、身分証のコピーまでくれました。 「怪しい者じゃありません。猫が自分に懐かなくてもいいんです。ただ、安

          生まれて初めてガチの野良猫を保護した話⑭

          生まれて初めてガチの野良猫を保護した話⑬

          ⑫はこちら はじめまして、しっぽです 心配8割、好奇心2割くらいの気持ちで、私は、柵をつけた状態で、我が家の猫たちとしっぽを会わせてみました。その反応は、それぞれまったく違ったものでした。 最初は、我が家で一番おっとりのんびり、ムードメーカーの男の子あっくん。 会わせた瞬間、まったく予想外のことが起こりました。なんとしっぽは、あっくんを見るや、自分から2段ケージを出て、るるる、と優しい声で呼びかけながら、まっすぐ近づいて行ったのです。 「猫って、お友達ができると元気

          生まれて初めてガチの野良猫を保護した話⑬

          生まれて初めてガチの野良猫を保護した話⑫

          ⑪はこちら ちゃんと分かってる 口の痛みが和らいだしっぽは、我が家の猫たちの中でも一番、というくらい甘えんぼな子になりました。朝、カーテンを開けにしっぽの部屋にいくと、小さな声で、くうん、くうん、と鳴きます。まるで、寂しかったよ、会いたかったよ、と言うように。 えつこさんには、LINEで毎日何本もしっぽの動画を送っているのですが、あるときこんなメッセージが。 「さっき送ってもらった動画で、しっぽ、お返事してるよ! ますみちゃんが名前を呼んだら、小さな声で『にゃあ』って

          生まれて初めてガチの野良猫を保護した話⑫

          生まれて初めてガチの野良猫を保護した話⑪

          ⑩はこちら 精いっぱいの握手 私は、病院から帰ったしっぽを見るまで「この子は、きっと一生触れないままなんだろうな」と思っていました。 ラシャトンというペーストは手から食べてくれるけど、どさくさに紛れて触ろうとすると、サッと体を引かれてしまう。やりすぎると、小さく唸る。朝、カーテンを開けるために部屋に入ると、シャーッと威嚇。 2段ケージの扉は、ちょっと前から開けっぱなしにしてあって、しっぽが自由に出入りできるようになっており、実際部屋をパトロールしている様子もあるけれど

          生まれて初めてガチの野良猫を保護した話⑪

          生まれて初めてガチの野良猫を保護した話⑩

          ⑨はこちら 病院に行くしかない 保護から、ちょうど2ヶ月。しっぽを病院へ連れて行こうと決めました。 相変わらずしっぽは、食べたり食べなかったり。最初は好き嫌いかとも思いましたが、食事する姿を見ていると、なんだか口の中を痛がるそぶり。 普段から口を、にゃむにゃむとガムを噛むように動かすし、舌で口の周りを頻繁に舐め回します。それになんといっても、きつい口臭。やっぱり炎症がひどいんだ、と思ったのです。 決断するまで、悩みました。猫は、動物病院が大嫌い。行くとなるとどうして

          生まれて初めてガチの野良猫を保護した話⑩

          生まれて初めてガチの野良猫を保護した話⑨

          ⑧はこちら 好物は、言葉と同じ しっぽが我が家に来てからも、心配な日々はずっと続きました。中でも一番悩まされたのは、食事をしたりしなかったりすること。早く体力をつけて、しっかり治療したいのに、食欲がある日もあれば、ほとんど口をつけない日も。これじゃあ元気になれない! えつこさんに相談しつつ、いろんな可能性を考えました。 毛玉が詰まって食欲がないのかも、と思えば、ウエットフードに植物性の油を少し混ぜたものをあげてみたり。 鼻をぐずぐずさせているので、部屋の温度と湿度を

          生まれて初めてガチの野良猫を保護した話⑨

          生まれて初めてガチの野良猫を保護した話⑧

          ⑦はこちら 極限の恐怖 しっぽが我が家にやってきて、3日後。待っていた2段ケージがようやく到着しました。よかった、これで少しは動き回れる! ホッとしました。猫をケージに入れっぱなしにした経験が一度もなかったので、いくら療養中とは言え、運動量の少なさが気になっていたのです。 驚かせないよう別の部屋で組み立て、二段ケージを、そっとしっぽのケージのとなりに運び込みました。毛布や段ボールも入れ、準備は万端。 「移動させるときは、猫の意思を尊重して。まずはごはんやお水を新しいケ

          生まれて初めてガチの野良猫を保護した話⑧

          生まれて初めてガチの野良猫を保護した話⑦

          ⑥はこちら ついに分かった性別、年齢 「性別は、女の子。年齢は、保護されたときの体の状態がよくなかったのでなんとも言えませんが、10歳から、15歳くらいの可能性もあるかなと」 動物病院で、先生にそう言われてびっくり。そんなにシニアの猫だったなんて! 3年前の写真があったから子猫じゃないと知ってはいたけど、シニアなら余計に、外の世界は辛かっただろうなあ。 「避妊手術されていなかったので、こちらでしました。血液検査の結果、猫エイズや猫白血病などの病気はありませんでした」

          生まれて初めてガチの野良猫を保護した話⑦