11日目 頬と顎の整復手術

朝の日課、足先の運動と左手ほぐし。朝は特にカチカチにかたまる左手。前日の夜には動かせたところも、また元通り。でもすこしずつほぐしやすさが変わっていくはずだと信じる。手術前なので朝の栄養剤はなく、抗生剤と薬のみ。10時までは飲水許可。ほうじ茶をしみじみいただく。

手術前の便は大事だ。どうしてもでないときは、浣腸しないといけない。幸い便は出た。よかった。

ぎっとぎとの髪の毛。縛りたいけれど、右手一本じゃ難しかった。

今日の手術は骨折してくぼんだ左頬と、おなじく骨折してずれた下顎に金属プレートをいれて正しい位置に固定するもの。しっちゃかめっちゃかなこの顔が果たしてどこまで戻るのか。

手術室に移動するためのベッドが迎えにきた。4人くらいで、寝たままを私を移動させてくれる。掛け声はいつも「いち にの さん」。

行ってきます。

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午後8時。再びのICU。術後の経過観察のため、専用の部屋で過ごす。この部屋は私ひとり。必要な器具だけがある。やけに広く感じる。

顎がパンパンに腫れていて痛く、口が閉じられない。そのくせ血混じりの唾液が溢れてくるので、看護師さんが頻繁に拭いてくれる。左目はガーゼで覆われている。何かが刺激しているのか、こちらは涙が止まらない。ガーゼの内側で血と涙が閉じ込められている。鼻水も出る。顔の穴という穴が洪水。痛みは、痛み止めの薬をつかって、耐える。

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