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CGアニメーターが在宅勤務出来る仕組みを構築してみた。

感染症が世界中で猛威を振るっていて、いよいよCG屋さんにも在宅勤務待ったなしの状況になってまいりました昨今。

世間ではリモートワークが云々言われててもCGアニメーターにとってはリモートソフトのわずかな遅延の積み重ねがストレス極まりない訳で、感染を覚悟して出勤を続けてるCGアニメーターもいるんじゃ・・?

という訳で、そんなCGアニメーターでも出来る自宅仕事の一例として試してみたらそこそこうまくいったのでシェアしてみます。

ゴールの想定としてはCG会社のCGアニメーターが仕事場で作業する環境をローカルで再現し、会社と同じようにファイルをシェアしたりやネットワークレンダリング環境を自宅で構築することです。(ヘッダーの画像参照)

▪試した環境
windows10
QNAP ( HBS3 Hybrid Backup Sync)
my ip (interlink)
dropbox

♦用意する物-------------

・会社のNAS
クラウド同期のアプリがインストールできるタイプ
QNAP等。(NAS用ソフトはHBS3 Hybrid Backup Sync等)

・クラウドサービス
(BOX , dropbox, google drive , onedrive , amazon drve ,)
3TB以内ならdropbox、それ以上必要であればBOXの無制限プランがコスパが良くおススメ。NASのソフトの対応状況も確認ください。

・増設用HDD(3TB以上推奨)またはSSD(金持ちな方は)とSATAケーブル

・VPNでかつ固定IPのサービス
(例:インターリンクのマイIP等)

・自宅PCやネット環境やLANケーブル。(無ければ会社のを持ち帰る)
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1. 会社のNASの中で同期用のフォルダ構造を作成します。例えば「Sドライブ」で作業していたなら「S」というフォルダを作成して以下フォルダ階層をプロジェクトの構成に合わせてファイルをコピーする。(一部でも丸ごとでも)後に自宅PCの同期されたフォルダ内に「S」フォルダを作成してドライブ名を割り当てることでリンク切れは回避出来ます。

アルファベットのドライブ名ではなくネットワークのフルパスに直にテクスチャを繋いでいる場合はローカルで再現出来ない為、自宅にテクスチャ用のNASを用意して会社と名前を合わせる必要があります。+1万円程度かかりますが繋ぎ直す手間を考えたら価値があるでしょう。

2. 同期用に作成したフォルダをNASのソフト(QNAPであればHBS3 Hybrid Backup Sync等)を使用してクラウドサービスに同期フォルダをシンク(同期)します。(ネット環境によっては時間がかかる)

3. 自宅用PCでの設定ですが、ローカルで同期させるソフトウェアをインストール後、増設したHDD(またはSSD)の中にクラウドサービスの同期用フォルダを作成(「Sドライブ」であれば「S」等)にします。

4、同期用に作成したローカルのフォルダ(「Sドライブ」であれば「S」等)にドライブ名を割り当てます。フォルダを右クリックしてプロパティからネットワーク共有設定をONにして範囲をeveryoneにするとローカルのフォルダでもドライブ名が付けられるようになります。

5.ローカルに同期されるのを待ちます。この際、事前にHDDにデータをコピーしておくと同期時間が短縮されるようです。

全てが同期するとデータの同期が差分のみになるのでリアルタイムに近い作業環境が再現出来ます。


♦続いてネットワークレンダリングの設定です。

3dsMAXやMAYAであればback buernerを通じてVPNを通じて遠隔地のレンダリングサーバーでレンダリングすることが可能です。

マネージャのサーバーにVPNを設定し、ジョブを投げるPCにIP指定で接続することでジョブを投げることが出来るようになります。

また色々試したのですが適当なVPNサービスは上手くいかず、固定IPとVPNがセットになっているインターリンクのマイIPというサービスで上手くいきました。

レンダリングする際、保存先を同期フォルダ内に指定してあげればサーバーに保存された連番がローカルのPCに同期します。気を付けなければならないのはレンダリングサーバのドライブ名の割り当てを全部同期フォルダ内に指定し直す必要があります。一台でもズレていると正しい場所に保存されません。

▪運用中の注意事項としては問題が起こった時の為に基本的に会社等に一人は管理人が居た方が安全です。VPNが切断されるとネットワークレンダリングが使用できなくなるので再度繋ぎ直したり、サーバーが混戦した際の再起動等色々出るかと思います。


♦最後に
リモート作業も全部適切な条件下で試したわけではないので一概には言えないのですが、生産性をキープしつつクリエイターの健康を守る方法としてリモート作業より同期での作業の方が現段階ではCGアニメーターのストレスは無い環境なのでは?などと思います。セキュリティの問題もあるかもしれませんが皆がハッピーな働き方が出来れば良いですね。

今年は色々と大変な事が続きそうですがぜひ頑張って乗り切りましょう。


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