個人事業(自営業)を舐めている人が多いので書いておこう/起業を見誤るポイントについて
自営業、個人事業をなめている人が多いので書いておこう。
雇われることが嫌だから、人から指図されたくないという理由「だけ」で、安易に起業、というのを僕は基本的にオススメしていない。
雇われる経験が、もしかしたら、役に立つ可能性もある。まあこれはよくわからない。
または、雇われた方が収入を確保しやすいという面もある。
何れにせよ、
単にそれが嫌だ、という短絡的な思考なのであれば、起業してもうまくいきようがない。
何を舐めているのか?説明をしていこう。
まず手始めに、小さく起業してみようとトライする。
小さくと書くのは、時代的にも、コストを異常にかけて立ち上げができるのは特殊な例だと思うので、小さく、つまりコストはあまりかけずに起業するとしよう。当然、従業員は0、一人起業。
そこであなたを待っているのは、
ほとんど全部の、「あらゆる領域の仕事」をしなければならないという現実だ。
もしかしたら、やりたくないことを書き出せ、とよくあるノウハウ本は教えてくれたかもしれない。
しかしながら、○○はしたくない、と思っているあなたに、現実は冷たく訪れる。
なにせ実際のところ、「誰にも頼めない」のだ。
よほどの大富豪の出でもない限り、あなたが使えるお金には限りがある。普通の富豪くらいではすぐにお金は底をつくから、大抵の場合は、ほとんど手元にお金はない状況のはずだ。
だとすると、○○はやりたくないし、やりたくない仕事は人を雇えば良い、という思考が通じないことがわかる。
もしその余裕があるなら、そのまま経費は削減して、それを投資に回す方が商売としては筋が良い。なぜなら、ビジネスで目指すところは再投資だからである。
だからまず、起業をすると決めたら、
最初にすることは、
「あらゆる領域の仕事は自分がする」と覚悟しておくことだ。
もう一点。
大抵の場合のよくある起業は、「コストの見積もりが甘い」。
多分、ほぼ万人が犯す間違い・勘違いと言ってもいいだろう。
このくらい売り上げが上がれば、手元にこのくらい残る、これなら、生活できるか、その見込みが大抵の場合甘くなる。
それはコスト(経費)の読みが甘いからだ。
このことがわかれば、
先述した「自分があらゆる領域の仕事をする」必要がなぜあるのかに気づけるはずだ。
以下にまとめよう、2点だ。
・経費の読みが甘い(思う以上に、しょーもないことでもお金がかかってしまう→手元にお金が残らない→売り上げの目標値を誤っていることに気づき目標額を修正)
・読みが甘くなることを前提に、起業する際にはできるだけ経費をかけない、つまり自分というプレイヤーが最大限の仕事をする
お分かりだろうか。
ただ雇われるのが嫌、他人に指図されたくないという理由「だけ」で起業しても、あなたには現実的に「いやでも苦手でもやらないといけないタスク・仕事」が待っているために、あなたは現実に打ちのめされてしまう。
あらゆる領域、経理も事務も掃除も、雑務と勘違いしている仕事ですら、あなたにはそれをしなければならない現実が待っているのだ。
今時のYoutuberなら楽そう?
話を聞いていなかったのだろうか?
たとえ、youtuberであっても、まずは一定期間、誰も見てくれもしない動画を上げ続ける胆力が試されることになる。多くの人は、結果が出る前にやめてしまう厳しい世界だ。
売り上げが上がってきても、経理やマネージメント、各種交渉は自分でやることになる。フォロワーを獲得するために、時には撮りたくない動画を撮影する可能性だってある。
僕が「なめている」という表現を用いた理由がわかるだろうか。
なめている人は現実に打ちのめされるので、起業をオススメしない。
しかし心配ご無用。
逆に言えば、その覚悟を決められるやつは、むしろ起業すべしということでもある。
「終身雇用」はすでに崩壊が宣言された制度になってしまった今、雇われの身「一択」で生きていくことが一番のリスクとなる。
真に自分ブランティングを求められる時代に入るわけだから、真の実力がないと生き残れない過酷な時代と言っても良い。
また、貧困日本、経済が底を這う日本、を想定すると、「複業」はもちろんここにセットとなる大事な概念となる。
複業は戦略であり、武器そのものとなろう。
起業するという選択は、雇われ、且つ、複業ができないスタイルよりも、随分とリスクが下がる。
雇われが悪いと言いたいわけではない。
リスク分散を考えれば、雇われの場面を持っておくことも一つの選択にはなりうる。ただし、それ一択が危険であることは間違いない。
話を戻そう。
小さくスタートすることで、様々なトライが可能だ。失敗してもダメージは小さい。トライし、修正しながら進めば良い。
起業は一つの選択肢となりうる。特に自分の力をより伸ばすことにおいては、一番向いているものとなるはずだ。
しかし見誤ってはならない。
「より良い選択」=「楽(らく)」ではない。
楽しい=楽(らく)ではない。
まとめよう。
・自営、個人事業は、舐めていてはできない。
・嫌なことを回避したい「だけ」の起業はオススメしない
・多くの場合、「コスト」の想定が甘い(ゆえに売り上げの想定も間違える)
・覚悟を決めて望めるなら道は拓かれている
以上、今回はこの辺りで。
(なお、僕は現在、自営も法人も両方持っている経営者だ)
(おわり)
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