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議会制民主主義の要諦

今回のコロナウイルスの件で、法治主義(rulebylaw)に基づいて、すなわち議会で成立した法律に基づいて施策を執行するということは、行政部(執行部)にとって、施策実施の遅延について、その責任を立法部(議会)になすりつけ、自らの迅速な責任を伴う執行を忌避し、その責任を逃れるものであることを理解しました。しかしながら、平常時とは異なる、特に緊急な事態が起こった場合等には、行政部は己が責任において、法治主義(rulebylaw)に基づくのではなく、法の支配(ruleoflaw)に基づいているものとの仮説をもって自ら決断し、迅速に施策を執行することが必要なのではないでしょうか。
日本国憲法においては、行政府は法の支配に依ることが明記されているわけですから、その執行の是非は後に司法部が判断すればよいのです。それが国民に対する行政部の責任の取り方であろうと思うのです。
国の運営については、その制度だけではなく、その仕組の活用とか、運営に係る工夫について、もう少し迅速な課題への対応が可能となるように心配りをした方が良いと思います。
それが危機管理であると思います。
英国のチュードル王朝は、時代の要請に応じるためにしばしば国王の大権を行使しましたが、その辣腕な政治的な配慮により、国会の援助を得て、国民の意思に逆らうことがありませんでした。
政府と国会に本来求められているのは、このような、言わば政府と国会が協働して、遅れることなく国を引っ張っていくことができるリーダーシップを発揮することであり、また、それによる適切なガバメントの運営でありましょう。
議会制民主主義の要諦は、対立では無いと思うのです。

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