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シティセールスとは何か

1、シティセールスとは何か
2、シティプロモーションとシティセールス
3、広報とシティセールスはどう違うのか
4、シティセールス後期研修会の企画
5、さあて、難しいな、まち・ひと・しごと創生総合戦略×シティプロモーション
6、メディアを使う
7、クレヨンしんちゃんを使ったシティセールスはあまり役にたっていないということ
8、もううんざりな奇をてらったセールス
9、シティセールスって言葉はあまりよくないな
10、本当はシティセールス云々よりそこが大切
11、シティセールスって何を売るんだ?
12、シティセールスに取り組むにあたっての思い

1、シティセールスとは何か

それは全く広報とは異なる。

一言で言えば、それは宣伝・広告・キャンペーンを司ること。

シティセールス所管は、行政では珍しい戦略的な組織だ。

職員一人ひとりがシティセールスマンであるために、様々なメディアを選び取り、組織横断的に戦略を畳み掛ける。

マスコミへのリリースだけじゃやっていけない。

デジタルメディア、動画、イベント、車内広告、展示会をはじめとして、訴求先によって効果的なメディアを選び取る。

だから、これらは民間の広告関係会社が展開するマーケットそのものであり、本当は行政の割に費用もかかる。

シティセールスの仕事の始点は、もちろん市民の参画意識に配慮しながら、

一人ひとりのニーズを意識した良いサービスを全庁で作り上げること。

つまり当たり前の行政職員の営みだが、

我々は、市のブランドを構築し、それを縦横無尽に活用しながら、ターゲットをしっかり見極め、

キャッチコピーで人々に訴求し、タグラインに商品を買うべき理由、いや、ウチは自治体だから、

しっかりと本市を選び取って住んでもらう、観光に訪れてもらう。

その理由をタグラインに落とし込みながら、皆の思いに訴えかける。

好感度はキャッチコピーで醸成する感覚。

タグラインで実現するのはコンバージョン(選び取ってもらう成果)。

しっかりとコンバージョンを確認しながら、PDCAを回していかなければならない。

キャッチコピーに好印象を持ってもらっただけじゃ、PDCAが回らない。

今日は、国際ミーティングエキスポに参加した後、ビデオリサーチが主催する、”VR FORUM 2015”に顔を出した。

味の素広告部の名久井統括部長と小霜オフィスの小霜社長の対談は、示唆するところが多く、とても参考になった。

ビデオリサーチのサービス展示では、オンライン広告や屋外広告の効果とその測定手法、

ブランドやターゲットに係る課題を探り、未来を予測するブランド情報ダッシュボードの説明を受けた。

明日のために、実りある時間だった。

もうそろそろ、全庁のシティセールスへの期待を研ぎ澄ましたものに変えていかなければいけない。

各所管ができない、いや、やらない"広報”の補完をシティセールス部門にやってもらおうなんて、

まるで戦略的じゃない姿勢は改める時期だ。

2、シティプロモーションとシティセールス

シティプロモーション。それは、地域参画総量を増やしながら地域の魅力を高め、地域を盛り上げていこうということ。

それはそれでいいんだが、シティセールスのイメージからは全然遠い話になる。

シティプロモーションの説明が理念的であり、意識を徐々に時間をかけて醸成するようなイメージがあるなかで、

シティセールスの語感には、もっと効果がすぐでそうな期待を感じる。

3、広報とシティセールスはどう違うのか

シティセールスは、ターゲットを明確にして、訴求先の行動変容を促すもの、なんて説明すると、

広報だって、訴求先に情報を届けるようパブリシティ(リリースの文言等)に工夫してがんばっていると

言い返されそうだ。

もっと単純に説明すれば、広報は記者クラブに情報を提供し、新聞やテレビなどのマスメディアを活用しようとするものだ。

さらには、オウンドメディア、つまり、広報紙やウエブ、SNS等で、行政サービスの内容を"告知"していくものだ。

それに比べてシティセールスは、様々なターゲティングがしやすいメディアを活用して、

その自治体のブランドや際立たせた魅力を細分化されたターゲットに届けていくものだ。

広報は一般にマスメディアの特性に対応しながらパブリシティを進めていく。

そして、マスメディアの利益に適うように形を整えながら、自治体がリリースした情報がマスメディアに載っていく。

シティセールスはオウンドメディアを使うか、代理店やメディアの持ち主を通じて、そのメディアをツールとして買うということだろう。

そのように買ったメディアには、あまりメディア側の意図や、彼らの期待する利益は伴わないだろう。

そして、これらのメディアを活用するためには、マスメディアの活用とは異なり、やはり一定の購入予算が必要になる。

そして、シティセールスが活用するメディアとしては、様々なイベントや展示会、商業施設の空間等も含まれる。

広報とシティセールスの一番の違いは、広報については、その載せ方、記事のタイトルや本文は新聞社等マスメディアの意図で、

考えていくのに対して、シティセールスについては、自治体自らキャッチフレーズを考えたりキャンペーンを企画立案するなど、

表出の形式を考える必要があるということだと思う。

まあ、このように広報とシティセールスは少し考えただけでも、全然違うものだ。

今日は国際ミーティングエキスポで情報収集。

各都市のコンベンションビューローが多数参加している。

大都市はどこも予算をかけて展示ブロックを作りこみ、会議などの誘致宣伝に気合いをいれている。

4、シティセールス後期研修会の企画

昨日は部の職員と、シティセールス研修会の企画会議を持った。

充実した時間だった。

今年度の前期研修においては、東海大学の河合先生から、シティプロモーションとは何かを学んだ。

ほぼ全ての自治体において総合戦略の策定が進む中で、地域の財政難をを克服するための将来的な人口を得て、

地域経営を確保するためのシティプロモーション。

河合先生の話は、市内で行政への関心を共にする市民、そしてNPOや企業の参画総量を増やしながら、

社会(地域)貢献に係る市内の幸福度をアップしようとするもの。

それにより、シビックプライドやアイデンティティが獲得され、魅力が掘り起こされ、

地域のブランドが形成されるとするもの。

で、河合先生の話は各所管の職員が自分の仕事を進めるについて、常に考えなければいけない当たり前のスタンダードなんだと思う。

この研修に参加した職員の感想によると、具体的に我々は何をやったらよいのかとか、

本市のシティセールスとは何なのかが具体的な説明が無く、分かりづらかったという意見が多い。

こういった感想がでるのは、今、本市の計画や事業の進捗管理の意義やプロセスが職員に理解されていない証拠か?

シティセールスやシティプロモーションよりも、より基本的な計画や事業の回し方、PDCAサイクルの必要性を学ばせたくなる。

そのような職員の感想を得て、うちの職員はまず職員にパブリシティの基本から学ばせたいと言う。

パブリシティはほとんどマスメディアに対するもの。

各職員が、自分の所管する事業において、差別的優位性を実現し、具体的に訴求先を明確にしながら、情報を選択的に届け、

ターゲットの行動変容を促すことこそシティセールスだと思うので、

何やらマスメディアに対して市の良いイメージを流すということだけでシティセールスを語ってよいのか悩む。

しっかりとニーズを把握し、ターゲティングを明確にして宣伝をかけていくことこそ、尖がったシティセールスの基本だと思うが、

従来のパブリシティ、そしてそれを届ける先のマスメディアではそれは容易に実現できないだろう。

個別ニーズに適う情報をどう選択的に届けるのか。

そのための適切なメディア選択こそ、研修において意を用いるべきところ。

もちろん各職員が日常行う様々な事業には、本市のブランドとして成長する可能性のあるシンボル的な事業が含まれているだろう。

それをどうブランド化して、もしくはブランド化を目指して、市内や市外のターゲットのニーズに適うように事業を育てれば良いのか・・・、

そこが重要な研修ポイントではないかと思った。

それこそシティセールスとして具体的な成果がでやすい方向性ではないか。

事業自体を改革していく、または新規事業を企画するということもあり、さらには、メディアを選ぶ、言葉を選ぶ、胸に響くコピーを作る、マークを作るということも必要だ。

ただ、研修を担当する職員の印象では、そこまで研修をやるということになると、受講者の現状を考えると大分レベルが高すぎるという印象のようだ。

もっと日常的なパブリシティの改善から始めたいということだった。

ただ、パブリシティの話になると、従来の広報(普遍的に情報を垂れ流ししがちな)とシティセールスが職員に混同される危険も増す。

そして、ますます職員が迷うことも想定される。

パブリシティで本市の良いイメージを工夫しながら流すことはある程度はできるかもしれない。

でも、ただ良いイメージを受け取っただけの時と、自分のニーズが充足されサティスファクトされた時では、CSの深さが全く違うのではないか。

いずれにしても、事例を豊富に紹介しながら、よりイメージしやすいように説明すること。

さらには、本市が考えるシティセールスについて、そして各職員に取り組んで欲しい戦略もなるべく簡単なイメージで届けなければいけないだろう。

なかなか難しいトライだが、職員は考え、がんばっている。

この機会に組織としても、様々なカタカナ用語の意味するところ、もしくは本市で考えるシティセールスについての定義等を、しっかりと明確化する必要があるのではないか。

職員にはさらに企画にがんばって欲しいし、感謝したい。

 

5、さあて、難しいな、まち・ひと・しごと創生総合戦略×シティプロモーション

地方創生。

総合戦略。

自治体の全てが限られた人と金の獲得を目指すレッドオーシャンだからな。

無理を承知でお祭り騒ぎをするのも分かるが、

派手なキャッチコピーの浮わつき感と、

そこで生活をしていこうっていう堅実感が著しく解離するわ。

これでもか、これでもかの、こちらの思いに添おうとしない自分勝手なご当地セールスは、いやあ、鼻につく。

ゆるキャラが一番になった。

アイドルがご当地出身だ。

B1グランプリでカツ丼が優勝した。

で、それがどんなKPIを上げる?

そんなんで、本当の地域の誇りが醸成される?

テレビの中のバラエティー番組じゃないからね。

リアルな世界じゃ、誰も囃しちゃくれないよ。

6、メディアを使う

今、担当が、シティセールス研修を企画してくれている。

一生懸命話し合いをしながらがんばってくれている。

春に実施した1回目の研修の結果を踏まえて思考錯誤している。

2回目は冬場に実施するらしいが、今からどのような形の研修になるのか、わくわくしながら期待している。

1回目の研修は、東海大学の河合先生の話に続いて、シティセールス部の職員からの話があった。

河合先生の話は、シティセールスというよりも、シティプロモーションの話だった。

市民や事業者と一緒に市域全体(市民や事業者も取り込みながら)で、市のあるべき姿を実現しようとするもの。

で、ターゲティングを明確にして、彼らに何をやらせるのか、どうなって欲しいのか、どう感じて欲しいのかを明確にしていこうというものだった。

私はずっと今まで、教育方針、保健福祉総合計画、次世代育成支援対策行動計画、総合振興計画など、計画の策定や進捗管理のあり方の検討をしてきたが、

河合先生の話は、シティプロモーションという独立した取り組みというよりは、計画や事業の進捗管理の中でスタンダードとして活用していくべき内容と感じた。

様々な事業を進める上で、市民の参画、市民との協働・・、サービスを享受する立場だけでなく、事業の推進を担う立場やストックホルダーとしての立場を尊重しながら、

市域全体で市をプロモートする喜びや生きがいを得ていくということが必要だと思う。

まあ、いわゆるガバナンスの推進だ。

そういった先生の話の内容は、独立したシティセールスの取り組みとしてではなく、計画や事業の進捗管理、

つまりそれら振り返りの中でスタンダートとして取り込んで検討すべきものと感じたのだ。

で、先生の後に演台に立った担当職員から全庁の職員への話は、

そういったプロモーションの話じゃなくて、単純にイベントを活用して、各々が実施する事業にそれらを絡め合わせて相互にPRの効果を挙げていこうといったもの。

単なる手法の話、事業連携の話だけだった。

ようは、河合先生の話と、シティセールス部の職員からの話のレベル感が異なっていたので、聞く側も戸惑いがあったと思う。

今回実施予定の2回目の研修では、うまくメディアを使うことを中心に研修の組み立てを企画してくれているらしい。

とても楽しみだ。

ターゲットを明確にして、情報を彼らにどう届かせ、彼らにどうなって欲しいのか・・・。そして市全体としてどのような効果を期待するのか。

そういうことを考えると、今まで一般的に行政がメディアの代表として使ってきた新聞やテレビなどのマスメディアについては、その使い勝手がどうなんだろうと疑問が出てくる。

マスメディアにはマスメディアの営業的な目論見もあるだろうし、文字通りマスなわけで、ターゲットを絞り込むことは全くできない。

そういったマスメディアの活用を前提にしたいわゆるパブリシティ、その工夫にも限度があるように思う。

むしろ、マスメディアは市民が行政や立法への参画意識を高揚させ、アクションを起こす道具として考えるならば、その意義が明確になるような気にもなってくる。

これはほんの例だが、”まみたん”という子育てに係る無料ミニコミ誌があるが、私は、この出版元に協力し、これを市立保育園や幼稚園の父母に届くようにした。

これは子育て中の方向けのミニコミ誌なので、まさにターゲットをはずさず、効果・効率的に結構な量の情報が届いているだろう。

また、新聞は基本的には全国紙であり、1頁程度の地方欄があるのだが、それも都道府県単位がほとんどで、紙面に制約があり、市域の詳細な情報を届けるのは難しい。

その点、例えばJCOMなどのケーブルテレビや地域のFMラジオ等は、その対象範囲が小さいからこそ、きめ細かにターゲットに情報を届けることができるだろう。

今回の研修は、まずは庁内の各所管については、自分達の事業(サービス)を市民達に享受してもらうという観点だけでなく、

市民の誇りを醸成しながら、その思いを市外にも伝播させる・・、そういったシティプロモーション的な目標を持ってもらうこと、

そういった付加価値を庁内全ての所管事業に位置づけてもらうことをまずは前提とする。

これは、すなわち、市民一人ひとりのニーズや思いを慮り、一人ひとりの幸福感なりCSを大切にしていこうとするものでもあると思う。

その上で、研修では、我々が意図するターゲティングを明確に実現するための、メディアの活用方法を伝授するという。

たいへんに困難な目論見だと思う。

こういった方向性で、良い研修企画が完成するなら、全国のシティセールスの研修会に、シティセールス部の職員が講師として引っ張りだこになるのではないか。

今からとても楽しみにしている。

7、クレヨンしんちゃんを使ったシティセールスはあまり役にたっていないということ

西武百貨店春日部店が閉鎖された。

たしかに春日部は、駅前を見ても大分廃れている。

ほとんど飲屋しか目に入らないくらい。

東京圏の都市とは思えないほど。

まだ越谷市や草加市の方が全然元気。

人口はどんどん減っていて、西武百貨店もお客さんは入っていないで、皆そろそろかなと思っていたところだそうだ。

クレヨンしんちゃんを使ったシティセールスはあまり役にたっていないということ。

一時新聞を賑わせたけど、・・・ただそれだけだってこと。

人口は増えていない。

どの街に住もうかと考えている人は、きちんとその街の行政施策を探っているだろう。

キャラクターで街を選ぶ人はいない。

だから、まじめに良い施策を進めよう。

キャラクターで一時脚光を浴びるのも良いのかもしれないけど、

やっぱり、それならそれで、その自治体の本質とキャラクターが融合して中長期的なストーリーを展開することが望ましい。

キャラクターの使用は、一時注目を集めるには効果があるかもしれないが、

シティセールスとしてどれほどの効果があるのかと言えば、よほどのお金と時間をかけない限り、無いだろう。

無名の自治体は、まず名前を知られることが大事というが、全く順番が逆。

まずは、きちんと魅力的な"体"を固めようとする施策があってから、その名前を売ろうとすることだ。

名前だけ連呼しても、そんなものすぐ忘れられる。

そこに本質的な魅力があれば、その魅力に名前が長期に渡って伴っていくものだ。

名前を売ろう売ろうと焦れば焦るだけ、自治体の品性が無くなっていく。

8、もううんざりな奇をてらったセールス

大分県のセールスプロジェクト、新フロ。

いろいろな温泉でシンクロナイズドスイミングをする映像を映像として撮る。

もううんざりな奇をてらったセールス。

こんなんで、ゆったりと大分の温泉で寛ごうなんて気になるものか。

しっかりと温泉をお客様のために維持管理していこうっていう真面目さを全く感じない。

一時だけただ話題になればいいのかな?

品性を無くしてまで・・・。

こんなものはプロジェクトじゃない。

後に何も残らないぞ。

もっと本質を時間をかけて磨くことが必要だ。

新フロ? そういうのは駄洒落って言うんだ。

”駄”だ。

ただ単にメディアに載せれば良いってもんじゃないだろう。

誰も彼もがふざけすぎ。

うわべだけ取り繕っているだけ。

シティセールスの基本は、総合振興計画の適切な進捗管理に尽きる。

本質を磨くことだ。

本質を磨き、良い施策や特性を素直に自信をもってセールスすることが大切。

無理やり、半ば嘘をついてまで売る必要が無いのがシティセールスだと思う。

9、シティセールスって言葉はあまりよくないな

シティセールスって言葉はあまりよくないな。

シティプロモーションって言葉も本質的じゃない。

言葉が上滑りする。

具体的な意味を表象せず、多くの解釈を生みすぎる。

何かただ既成のモノやサービスを売るわけでもなし。

まあ、市の名前を売るための商品企画か?

サービスの企画なのか?

キャンペーン隊か?

チンドン屋か?

ちょっと違うな。

ユニクロとかGUとか随分売れているだろうけど、

皆、そこの商品を誇らしげに着ることができるか?

そんなことはないよな。

ってことは、単なる売れる商品づくりとも違う。

その地に住むとか、その地で事業を営むとか、その地を

旅で訪れるってのは、人間としては求めるところが多く、

結構な重みがあって、ただ1枚のシャツを買うなんてことよりも

とても大切なことだろう。

ちょっとやそっと自治体のモノやサービスのイメージが良いからって

手を出すもんじゃない。

生活に求めるところの価値は高い。

本当に我々がやらなくてはいけないのはイメージの向上なのか?

イメージとかそういう上辺の話なのか?

違うだろう。

我々がやらなければいけないのは、商品やサービス自体を誇れる

ように、その質の向上を図り、付加価値を増やし、

市のステイタスをあげることじゃないか。

誇りっていうものはそういう姿勢から生まれてくる。

市民ニーズを把握してそれに応えるだけじゃなくて、そのもう一歩先を

サジェスションする。

未来を見せていく。

さらに、自分たちのことだけじゃなくて、

周りの自治体住民や国、世界のことを考える。

利他的に行動する。

だからこそ自分自身が誇らしく思えてくる。

自治体や住民の役割や存在意義が高まる。

それがステイタスが上がるということじゃないか。

ってことは、やっぱり総合振興計画をしっかり毎年反省しながら、しっかり回していくってことだ。

ただ、しかし事業の企画に取り組む際は、そこには地球の行く末を心配できるような大きな心、慈悲の心が必要だ。

そして、そうは言いつつも、事業はきめ細かく、多様に組み合わさりながら、具体的な目標が実現されること。

誰にどうなって欲しいのか。明確な取り組みを複合的に継続すること。

そういうことだ。

やらなくてはいけないのは。

上辺の話じゃない。

くまもんみたいな物産セールスマンの話をしてるんじゃない。

何か啓発だけでもない。

戦略的な目標を定め、具体的な成果を見せていこう。

シティセールスとかシティプロモーションとかで、イメージアップを図りましょうなんていうことじゃなくて、

全ての事業を企画する際に、自分達の誇りを注入しよう。そしてステイタスを作り上げよう。

なんだかファッションと考え方が似てるな。

それに、これはまさに、ノブレス・オブリージュが必要だということか。

自治体職員だけでじゃなく市民にも・・・。

10、本当はシティセールス云々よりそこが大切

ツールドフランスさいたまクリテリウムには毎年ほんとうにたくさんのお客様が来場する。

皆その迫力にわくわくする。

これをきっかけにサイクリングを始めたり、フランス文化に興味を持っていただいたりしているだろう。

その先には健康増進、健康寿命の延伸というスマートウエルネスさいたまとしての効果もある。

文化も多様性を増し、より豊かに耕されるだろう。

観光的な意味合いも拡張されている。

そして、さいたま市の名前は良いイメージをもって広まっている。

今年は海外へのメディア戦略にも気を配っている。

さて、これからは、暮らしや観光にさらにどう自転車を利用していただくか。

市民の立場になって、暮らしに自転車をどうフレンドリーにしていくのか。

そこをがんばる。

魚屋さんは、魚を店頭に並べて終わりじゃない。

その美味しい食べ方をお客さんに語る。

刺身がいいのか、鍋がいいのか。焼き魚がいいのか。

お客さんが気持ちよく美味しく食べられるようなサジェスションをする。

一人ひとりの暮らしに自転車をどう位置づけるのか。

それがone to oneの、そしてCRMの基本的な考え方だ。

そしてどういった自転車先進都市になるのか。

そこまでしっかり考える。

シティセールスをどうするか云々以前の話だ。

事業のターゲティングと戦略性の話だ。

本当はシティセールス云々よりそこが大切。

そこがはっきりしていないと、セールスなんてできない。

11、シティセールスって何を売るんだ?

シティセールスって何を売るんだ?と
よく聞かれます。

何か物産を売るとかじゃなくて、

さいたま市を良く思ってくださる方を増やすために、新たな方策を考えたり、

様々な方と、様々な方策を組み合わせてみたり。

その仕事の本質は、コミュニケーションデザインとか、やっぱり研ぎ澄ました企画、戦略と

言ったほうが良いように思います。

ちんどん屋さんとは、ちょっと違うと思うんだ。

12、シティセールスに取り組むにあたっての思い

最近、そこらのスーパーでも、一定のワインが買えるようになってきた。

でも、なんだかどのスーパーも仕入先が同じなのか、同じワインが同じキャッチコピーの元で売られている。

つまらない。

で、そんなに高価なワインは売っていないのだが・・・

そのコピーは例えばこんな感じ。

※パーカーポイントで○○点を取った・・・

※○○の作り手が作った・・・

※神の雫に掲載された・・・

※○○円のワインに匹敵する・・・

こういうコピーは品が無いよな。

我々は安くて、多少高価なワインの風味が味わえるような偽者ワインを

血眼になって捜している分けじゃない。

この資本主義社会において、その価格に見合ったワインがスーパーに並ぶに決まっているんだから。

そんなお得品が大量に売られる分けはなくて・・・。

その価格に見合った風味を1本々味あわせてもらえれば、それでいい。

どんなワインだって、各々のクラスにおいて、しっかりと真面目に作られているはずだ。

そんな1本々を、そのまま、そのワインとして味わいたいと思う。

しっかりと作り手に敬意を表しながら・・・。

どんなワインもその土壌にあった葡萄の木が植えられ、そのテロワールにより、

各々の性格を持った葡萄が実をつけ、そこから個性あるワインが造られていく。

どんなワインであれ、その一本一本を愛でていきたい。

都市だって同じだ。

自分が住む町を、無理やりブルネッロやボランジェにしようとは思わない。

さいたま市にはさいたま市の土壌、テロワールがあり、それに合った木々が育ち、葡萄が実るのだ。

横浜になろうとは思わない。

ニューヨークでもボストンでもない。

はたまた千葉や川崎をライバルとも思わない。

さいたま市はさいたま市にしかなりようがなくて、また、さいたま市にしかなれない個性を持った市として発展する。

もちろん他の市もリスペクトするが、自分の町もしっかりとリスペクトしていきたい。

これがシティセールスの推進を前にした基本的な思いだ。

どこかの大都市に似ているとか、他者から評価されているとか・・・。

そういったことを自慢するような品のない市にはしたくない。

謙虚な気持ちを持って、しっかりとPDCAを回しながら、その都市の質や機能の向上を真摯に一歩一歩図っていくだけだ。

今現在、自分達の持っているものは持っている。

持っていないものは持っていない。

そういうプライドに生きたい。

そういう今のさいたま市を売っていく。

我々がこのようなプライドを持って街づくりを進めている、そして実は随分魅力の多いこのさいたま市で一緒に住みませんか?

一緒に子どもを育てませんか?

一緒に学びませんか?

一緒に仕事をしませんか?

一緒に未来を創りましょう。

そういった声かけを自信をもって続けていこう。
 
自分に無いものをあるように思ったり、あるような振りをしたり・・・。

それは倣慢ということだ。

また、自分が値打ちのあるものを持っているのに、それを持たないように思っているのは卑屈ということだ。

地道に、今のさいたま市に誇りを持って仕事を回し、そして後悔を繰り返しながらも、良心と謙虚な気持ちを持って歩みを続けよう。

これが私がシティセールスに取り組むにあたっての思いであり、地方創生総合戦略を策定するにあたっての皆の思いでもあって欲しいとも思う。

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