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HIFIMAN SuperMini という快DAP

このご時世に、モノクロディスプレイですよ!
イコライザーとかプレイリストとか気の利いた機能も無し!
ラインアウト?2.5mmバランス?USB-DAC?Bluetooth?何を言っているんだ、7個の物理ボタン、1つのmicroSDスロット、2つの3.5mmジャック!

これだけで良い音楽は聴ける。

そう、HIFIMAN SuperMiniならね。

潔さにあこがれる

いままではPlenue Dを使っていたんです。小さくて扱いやすい筐体、タフなバッテリー、豊富なイコライザー。それはまさにシンプル is ベストの体現でした。

しかし、SuperMiniはそれを上回る潔さを引っさげてやってきました。

凄い。音楽をただ聴くというだけの存在か。それは言い過ぎかもしれませんが、先に述べたように本当にシンプル。昔のMP3プレイヤーを彷彿とさせます。

そうそう、こういうのでいいんだよ。

ハイパワーな駆動力、DSD対応(2.8MHzまでだけど)バランス駆動(3.5mmだけど)というところまで抑えているので、ポータブルでのハイレゾ運用にはうってつけですね。

Plenue Dに少し飽きてきた自分は、次に買うならこいつだなと夢見ていたのでした。

そしてやってくるSuperMini

紆余曲折あり、e☆イヤホンの週末特価でイヤホン付きのSuperMiniを手に入れました。(イヤホンなしは売り切れてしまいました)

手に取ってみると、まず軽さと薄さに驚きます。こんなに小さくて本当に大丈夫か・・?
黒くサラッとしたアルミボディにはガタつき無く、ボタンもシッカリとした押しごたえで、チープ感は感じませんでした。

大丈夫だ、問題ない。

早速聴いてみよう

Plenue DのSDカードを挿してみたらフォーマットしろと言われたので、手持ちの他のカードをフォーマットして使ってみます。
(うちのmacはUSB3.0ではないので、曲の転送に恐ろしい時間がかかります・・)

まずはheavenVで。クリアで整った音という印象のheavenVですが・・

音の威力(?)が違う!音が濃いんです。なんというか・・音の密度というか・・

音の傾向

音の傾向を5段階で表現してみましょう。試聴イヤホンはheaven Vです。

音の押し出し感(5控えめ 〜 3バランス 〜1強い)
 2:小型&ハイパワーを謳っているだけはあります。グイグイと音が押し出されてきます。

音の柔らかさ(5柔らかい 〜 3バランス 〜 1シャープ)
 3:固くもなく、柔らかくもなく。明瞭感がある感じです。聴いてきて疲れるような感じではありません。

音の広がり感(5頭の中央 〜 3耳のあたり 〜 1耳の外)
 3:イヤホンにもよりますが、基本的には広い感じではありません。

音の解像感(5鈍い 〜 3普通 〜 1細かい)
 2:パワー感に負けず、音を丁寧に拾ってくれます。

音のバランス
高域:★★★
中域:★★★
低域:★★★☆

 音のバランスとしては低域がやや強めに出ていますが、印象としてはフラットな感じです。タイトでもなくルーズでもない、弾むような低音がいいですね。

音に関して感じたこと

音の再生力に余裕があるからか、Plenue Dでは掠れるような、余裕のない鳴り方をする箇所も余裕のある感じで鳴らしてくれます。また、明瞭感と解像感があるので全体的にははっきりとした音になっています。

もう少し言うと、音に芯を感じます。例えば、弦楽器の弦の鳴り方なんですが、Plenue Dで聴くとあっさりとした音なんですが、SuperMiniだとコシのある?身の詰まった?確かに弦が鳴っているという音なんですよね。
これが8個のオペアンプを搭載している実力ということなのでしょうね。

全体的にバランスが良いのでどんな曲でも聴けるのではないでしょうか。

個人的には弦楽器の音が良く感じます。オーケストラの相性は良いと感じます。密かになっている打楽器の繊細な響きも(イヤホン次第ではありますが)しっかりと聴き取れますよ。

付属イヤホンの良さ

最初はイヤホン無しを買おうとしたんですが、付属イヤホンの実力は大したものです。RE600に似ていますが、RE600ではないようです。

このイヤホン、なんと3.5mm4極のバランス端子なのです。買ったその日からバランス出力ですよ!これは嬉しいですね。

音の傾向としては

高域:★★★★
中域:★★★☆
低域:★★★

という感じで、中〜高域を重視した音になっています。左右の広がりが広く、音の分離も良いのでバランス端子の恩恵を十分に感じられる逸品です。

イヤホン有りとイヤホン無しでは1万円の差がありますから、このイヤホンもその金額のレベルであることは間違いないですね。

また、ダブルフランジのイヤーピースが良いんですよ。耳への圧力は弱いのですが、重いイヤホンでもしっかりと保持してくれました。

ツメの甘い箇所も

音に関しては文句無し!と思っています。しかし、それ以外の箇所にはちょっと目を瞑らなくてはいけない所もあります。(ファーム:UI2016-09-22-V015Betaでの状態です)

・再生開始時に音が鳴らない。
これは、再生時に音がフェードインしてくるような感じです。ギャップレス再生にまだ対応していないのです。

・ホワイトノイズが聞こえる
高感度のイヤホンだとホワイトノイズを拾います。iFi-AudioのiEMatchを使用することで対策する方も。iEMatchだと3.5mmバランスに対応していますしね。

・SDカードを入れ替えたときの挙動が安定しない
電源OFFにしてからSDカードを入れ替えると、時々フリーズしたり、フォーマットを要求してきたりします。
SDカードは電源ONの時に入れ替え、DBの更新をするようにした方が良いでしょう。

・SDカードによっては音飛びする
これは結構辛いですね。Twitter等で情報収集をしてみました。東芝製かSunDisk製だと安定しているようですね。まとめてみます。

SunDisk製:使用している人が一番多かったです。ただ、96kHz/24bitのfackで音飛びするという話もあります。

東芝製:音飛びをするという話はありませんでした。HIFIMAN JPのオフィスにあるSuperMiniは東芝製を使っているようです。
EXCELIA 64GB を購入してみました。自分の環境では音飛びは発生しませんでした。
(http://www.toshiba-personalstorage.net/product/microsd/muf/index_j.htm)

Transend製:私も使っていますが、2枚中1枚は音飛びします。使っている方は、フォーマットを変えたりしているようです。

Team製:私はPlenue DにUHS-1の128GBを使っていました。Plenue Dでは大丈夫でしたが、SuperMiniでは音飛びしました。COLOR CARDシリーズなら大丈夫という方がいました。

SiliconPower製:音飛びはしないようですが、時々ブート時に固まる事もあるとのことでした。

音飛びが発生する条件はよくわかりませんでした。同条件のフォーマットでも必ず起こるわけではなく、ファイルによっては必ず起こるという状態でした。

ファームウエアの更新で安定するようになるとは思われます。不安な方は新しいファームが出るまで様子見というのもありかもしれませんね。

使用感の良さ

使っていると、このシンプルな構成で充分だなと感じます。物理ボタンで全て完結するので、触るだけで操作出来るのも楽ですね。

軽さ、薄さは正義です。どのポケットに入れてもなんの問題もなし!ボタンが引っかかるようなこともなく誤動作もありません。

電池の持ちは良くもなく悪くもなく、ですね。基本的にCDのロスレスか、96kHz程度のハイレゾを聞いています。電池の持ちとしては8時間くらいですかね。

聴いてみて特に良かったイヤホン

final FI-BA-SST25:音のバランス、解像感、素晴らしいです。自分が求めていた音はここにあったんだ‥

final E2000 & E3000:いやぁ、文句無しでしょう!Eシリーズの実力の高さがよくわかります。

SIMGOT EN700BASS:音の広さ、解像感が素晴らしいです。柔らかい音に包まれるのですよ。

雑感

う〜ん、ここまで書いてみたのですが、DAPの評価って難しいですね。
イヤホンに左右されると言うか、イヤホンの実力を発揮させるのはDAPというか‥このイヤホンはこんな音がなるのか!と感じさせてくれます。

それなので、レビュー用のイヤホンや曲を決めておかないとイヤホンが凄いんだかDAPが凄いんだか、よくわからなくなるんですよね。
それゆえに、昔のイヤホンを引っ張りだして聴くのもまた楽しいですよ。

気になるDAPは沢山ありますが(Shanling M2s、aune M1sとか良いですよね〜)、末長くお付き合いしていきたいDAPですね。

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