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日本のトマトに驚いた僕

こんにちは、日伊通訳マッシ(@massi3112

イタリアと言えば、ピッツァ、カプレーゼ、ミートソースなどのトマト料理が有名だ。確かに、イタリアではトマトの種類は数えきれないほどある。料理によって使うトマトも変わる。
イタリア人にとって、トマトは料理に欠かせない食材だと思われがちだけど、実はそうではない。イタリアにいた頃はこだわりが強いというより、深く考えずに子供の時からトマト料理を食べていた。僕にとってそれは当たり前で、他の使い方がないという固定概念が強かった。

日本に住んでトマトの楽しさ、自由さがやっとわかってきた。イタリアにいた時と比べて、今の方がトマト料理が好きになった。日本人は気が付いてないかもしれないけど、1番驚いた食べ方がある。それは「生トマトを切ってそのまま食べる」だ。サラダや冷やしトマトなどの料理が多く、和風サラダも洋風サラダも最高に美味しい。トマトに大根やのりという意外な食材まで合うし、日本の独特なドレッシングさえあれば楽しめる。イタリアの有名なカプレーゼは、チーズの代わりに豆腐を使うという発想で、とても食べやすくてしかもヘルシーに生まれ変わる。

イタリア人として言いたいのは、イタリア人はトマト料理とトマトの使い方についてうるさい時がある、ということ。ピッツァの場合はこのトマトではないとダメとか、パスタのソースの場合はこうしないとダメとか。シェフや料理関係者ではない人はわからないことだらけで、にも関わらずこだわりが非常に強い。スーパーでトマトを買うときは形で選ぶか、いつも食べているものにするか、それ以外は信用できない。イタリアのスーパーはトマトの説明や味などのことが書かれてないからますますわからなくなる。だからこそこだわりが強くなるのかもしれない。
その点、日本は本当に素晴らしい。トマトの特徴、甘さ、オススメの作り方まで書かれていて、イタリア人から見ると「ありがとう」と自然に言いたくなる。

日本に住むことで、トマトの楽しさがもっと増えた。今まで見たことがなかった商品にたくさん出会って、イタリアに帰られなくなった。その大きな理由の一つは「トマトジュース」と「ケチャップ」だ。トマトジュースは濃厚でトマトを本当にそのまま食べている感じだけど、トマトより美味しく感じる時もあるのだ。最近、トマトソースではなくトマトジュースを使って冷製パスタなどの料理を作っているほどに。

トマトジュースと生トマトとツナ缶詰と海苔

ここから多くのイタリア人が怒るかもしれないけど、ケチャップを使ったパスタも美味しい。日本のナポリタンは実はナポリになくて、完全に日本料理だけど大好物になった。甘酸っぱくて濃厚な味にソーセージやピーマンなどを入れて、考えた人は天才ではないか。名古屋に住んでいた時に、鉄板ナポリタンに恋に落ちた。デートのように毎週、会えるのを楽しみにしていたのだ。

名古屋の鉄板ナポリタン

説明するだけで、「美味しくない!食べたくない!イタリア料理に失礼!」と言うイタリア人は今までたくさんいたけど、知識もなく食べたこともないのになぜこう言っちゃうのかが本当に残念だ。料理の部分に対していつも変なプライドが出てきて、正直言うと、同じイタリア人として恥ずかしい。麺=イタリア料理、トマト=イタリア料理という考え方は1番良くないし、その国の素晴らしい料理を一口も食べず、文句で終わっちゃうのがもったいない。

ここからトマトを使ったマッシレシピを書いておく。

  1. トマトとしらす大葉のオリーブオイル
    トマトは水で洗って半分に切ってへたを取ってからくし切りにする。大葉も軽く洗って、まとめてくるくると巻いてせん切りにする。ボウルに材料をすべて入れて軽く混ぜ混ぜする。最後にオリーブオイルをかけて、完成。

  2. プチトマトのマリネ
    プチトマト10個は横半分に切る。にんにく1かけは包丁で軽くつぶす。器にオリーブオイル大さじ4、塩少々、オレガノを混ぜ合わせる。プチトマトとにんにくを加えて混ぜ混ぜしてから10分おいて完成。

  3. フレッシュトマトソース
    トマト5個は熱湯に10秒ほど入れて冷水か氷水で皮をむく。横半分に切って種を取り出して1cm角に刻んでボールに入れる。オリーブオイル大さじ4、塩1/2小さじ、レモン出汁少々を加えて混ぜ合わせる。完成。


長く日本に住んで、トマトという存在はイタリアにいたときより身近になっている。トマトの食感と味は、日本食とフュージョンしてスーパーサイヤ人のような最強の存在になった。
日本のトマト料理が、世界中に広がってほしいと思っているイタリア人がここにいる。

Massi

みなさんからいただいたサポートを、次の出版に向けてより役に立つエッセイを書くために活かしたいと思います。読んでいただくだけで大きな力になるので、いつも感謝しています。