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日本でイタリアのワイン文化を再発見できた話

みなさんこんにちは。いつものマッシ(@massi3112)です。

イタリアでは、水よりもワインの方がよく飲まれているんじゃないかというほど、ワインが普及している。家でもお店でも、昼でも夜でも、仕事の休憩中でも、いつでも飲んでいる。

僕もイタリアにいた頃はワインがいつもそばにいて、小さい頃はおじいちゃんに連れられよくワイナリーにワインの買い出しにも行っていて、それが毎週のおじいちゃんとの日課でもあった。大人が大勢いる場では必ずワインが振る舞われ、幼い僕もちょびっと味見したこともある。(20年以上前の話。もちろん当時も現在も、未成年の飲酒は絶対ダメ。)このことは僕の過去の記事でも書いている。

そんな国で育った僕が日本に来て、あまりワインを飲まなくなった。日本ではイタリアほどワインを飲む文化がなくて、暮らしているうちに自然と僕もそうなった。

とは言え、たまにあのイタリアでのワインが恋しくなる。日本でも美味しいワインが飲めるけど、中々足が向かないな、と思っていた。そんな中ご縁があり、あるワイナリーのワイン試飲会に招待いただいた。

そのワインは「ビービー・グラーツ」だった。

ビービー・グラーツさんはイタリアのトスカーナで、伝統に縛られず自由な発想でワインを生み出すワイン製造者というより芸術家の方。彼が造るワインは昔からトスカーナに根付く厳選されたぶどう、畑で生まれ、そして彼のセンスとワインに対する愛情がたっぷりと込められている。

試飲会は南青山にある、リストランテ イタリアーノ「エトルゥスキ」で行われた。シェフがビービー・グラーツのワインに合わせたメニューを提供する中で、周りの雰囲気からすでに美味しさを感じ始めていた。

今回試飲させていただいたワインの中で特に面白いなと思ったのが、3月1日から発売している「カザマッタ」「コローレ」「テスタマッタ」の3種類。この名前の意味を直訳すると、カザマッタ=狂気の家コローレ=色テスタマッタ=イカれた頭になる。イタリア人らしい発想でクスッとなって愛着が湧く。

それぞれロッソ(赤ワイン)とビアンコ(白ワイン)があって僕はロッソが好きだけどお好みで選ぶのがいい。フレッシュで瑞々しく、特にカザマッタは料理との相性も抜群だった。

僕がこの試飲会で感じたのはワインの素晴らしさ、料理の美味しさはもちろんだけど、それだけではない。一番は「日本にいながらイタリアにいた頃を思い出せる」という驚きだ。食事とは目や鼻、口だけで味わうものではなく、空気、雰囲気、会話、笑顔、心で感じるもの。目を閉じたら肌で感じたのはまさしく、トスカーナ州だった。

久しぶりにイタリアモード100%のスイッチが入って、席を立ってワインを見に行ったりまた戻って料理を楽しんだりしていた。最初はその場のラグジュアリーな雰囲気に慣れないな、と感じていたけど、やっぱり少しずつワインを飲んで喋り出したら「僕の家へようこそ!」という気持ちになった。

ワインはもちろんイタリア産だけど、お店の雰囲気、料理のクオリティは日本にいることを忘れてしまうほどに完全にイタリアだった。異国の日本でこのようなことを体験できるなんて、日本人の情熱や技術は逆にイタリア人が見習わなければいけない部分もあると思う。

日本料理だけではなく異国の料理までなんでもこなしてしまう日本。僕はまだまだ、この国について学ぶことがありそうだ。

Massi

みなさんからいただいたサポートを、次の出版に向けてより役に立つエッセイを書くために活かしたいと思います。読んでいただくだけで大きな力になるので、いつも感謝しています。