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築地で見えた、日本が外国人に愛される理由

こんにちは、いつものマッシ(@massi3112

最近は街を歩いていると、外国人観光客が増えているなと感じる。実際僕もイタリア人の通訳や案内の仕事が増えていて、来日を楽しみにしている外国人は大勢いるのだろうな、と嬉しく思う。

ある日築地をぶらぶらしていると、やっぱりここでも外国人がたくさん賑わっているなぁ、と思いながら、手に持っているものをよく見るとでっかい干物だった。
それを嬉しそうに美味しそうにそのまま食べていて、なんだか微笑ましかった。

さらに歩くと細くて狭い路地裏に佇む海鮮丼のお店が出てきた。意外にそこにも外国人のお客様がいて、メニューの写真を見てちょっと難しそうな顔をしながら、でも楽しそうに注文していた。

お店に入って席に案内されているときに視界に入った多くの人が頼んでいた料理は僕も無意識に頼んでいた。海鮮は新鮮そのもので、口から日本を感じられて非常にうまい。ふと隣に座っていた外国人を見ると同じものを頼んでいて、ちょっと目が合ってお互いに笑顔になった。言葉はなかったけど、わかる。「これは間違いないよね」の合図だ。その彼は追加で瓶ビールも注文していて、ビールの美味さもきっと世界共通なんだろうな。

満腹になってお店を出ると、ちょうどさっきの彼も出るところだった。おそらく日本語ネイティブではないだろうけど、きっと予習してきた日本語で店員さんに「ありがとう!」と元気に伝えていた。その姿を見て、僕は全く関係ない人だけど何故か嬉しくなって、彼はこの後の日本巡りもきっと素晴らしいものになるだろうな、と感じた。

海外では魚や生魚を食べない国、地域があって、実は僕の故郷のイタリア・ピエモンテ州もそのうちのひとつ。正確にいうと食べないわけではないけど、ピエモンテは山に囲まれた地域で海がないため、魚がほとんど獲れない。あったとしても川魚だ。だから自然と子どもの頃から肉料理、煮込み料理、豆料理などが中心だった。

お肉煮込みのパスタソース
リゾット

そんな僕が日本に来る16年前、不安だったのが食文化だ。魚に慣れてない僕が日本に対して持っていたイメージは寿司、刺身などの生魚だったから自分の口に合うのか怖かった。もちろんイタリアでもお寿司のお店はあったけどめちゃくちゃ高くてそんなにたくさん食べに行ける場所ではなかったし、刺身なんて当時は見たことがなかった。(今はもしかしたらイタリアでもあるかも)

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