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日本の行列文化から学んだこと

こんにちは、日伊通訳マッシ(@massi3112

日本人は子供の時から「行列文化」が身に染み付いている。どこに行っても何かを待っても文句を言わずに、行列を綺麗に作って、自分の順番まで待っている。この文化は外国人である僕から見てとても面白くて、素晴らしい文化だと感じた。
イタリア人は綺麗に行列を作れないことはないけど、日本みたいに綺麗にならない。すぐ諦めるか、周りの人より先頭がいいと思って1番前に行ったり、他の人のことを考えずに動いたりすることが多い。
指示を出したらイタリア人もなんとか並ぶことができるけど、そうではないと大変。例えば乗り物なんかは、順番抜かしは当たり前。遠慮がないからちょっとした口論になることもよくある。

外国人から見ると、日本の行列は文化。だけど日本人から見るとこれは習慣だ。この感覚の違いに気が付いた時に、何故か僕も自然に並べるようになった。日本では先生や家族に「きちんと行列を作りなさい。守りなさい」と小さい頃から教えてもらう。だから知らないうちに自分から並ぶ。毎日教えている結果、行列の習慣が自然身に付いてきたのだ。

食べるのが大好きな僕は「食べる行列」を見てその店に行きたくなる。食べる前から美味しさを感じることが多い。食べる楽しみの一つはこの行列にある。周りの人のことは全く知らないけど、並ぶだけ、それだけで共通点がある。並んでいるうちに気持ちの距離感が縮まっていると感じるのだ。
待っている人は10人でも20人でも40人でもみんな落ち着いて喋りながら、スマホを見ながら自分の順番まで待っている。イタリアではこれができるのか、難しい質問だ。多くのイタリア人は30-40分待つなら違う店に行ってしまう。イタリアにいた頃、僕も長く待たずに違うお店に行ったり、文句を言ったりしていたことを。今思い出すと恥ずかしい。日本に長く住んで一時帰国すると、決まりのないところに大人しく並ぶ。

日本人に行列を作る理由を聞くと、「これは公平だから」って。行列を作らないで急に列に割り込むのは、日本人にとって行儀の悪い行為という感覚があるらしい。ここまで考えなかった僕は、また恥ずかしいことが増えた。

「並ぶことは時間の無駄、意味がない」だった僕は、人生のいい勉強ができて成長した。日本人から毎日たくさんの学びを頂いているから感謝している。これからも楽しく、お店の前に並んでいこう。

Massi

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