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通訳日記

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日伊通訳・現場の話
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#日本

僕が通訳者になるまでの道のり

こんにちは、日伊通訳マッシ(@massi3112) 「日本語上手ですね」「ペラペラですね」「さすが通訳者ですね」など、よく言われている。この言葉には、マッシ=日本語を当たり前に話せる、の意味が少なからず込められているように思う。そう言う人たちは僕の現在の結果しか見ていない。 大学生になり、ようやく大人として学べる!と意気込んだ矢先に、まるで小学生に戻ったかのようにわからない事だらけ。社会人になって日本に来て、苦労しながら、泣きながら、毎日コツコツと勉強しつつ働いてきた結果

日本大手企業の通訳メモ

こんにちは、日伊通訳マッシ(@massi3112) 今日は日本大手企業で日伊通訳を担当させていただいた時の通訳メモを公開します。工場見学でイタリアの技術者と商品の加工を見ながら大きな音の中で通訳できた思い出です。 ご参考になれば嬉しいので、見せられるページはこちらです。 Massi

日伊通訳者の地獄名所5選

こんにちは、日伊通訳マッシ(@massi3112) 通訳者として問い合わせがあり新たな仕事を頂く事は、とても嬉しく喜ばしいことだ。だが、その気持ちは5秒と続かない。その後は地獄の始まりなのである。 お引き受けするにあたり準備、交渉、条件(追加料金やキャンセル料や延長など)が次々と迫ってくる。その中で資料の提供、スケジュールの流れ、移動先の確保をしながら具体的な通訳としての動きが始まる。 イタリア語の資料の場合、見て一瞬で不安が滝のように流れてくるが、準備を進めていくうち

日伊通訳者である僕にしかない日常

こんにちは、日伊通訳マッシ(@massi3112) 今だから良い思い出として話せるが、当時は先の見えない不安に振り回されたものだ。 今年の6月のことである。フランスのエージェントからイタリアのアパレル通訳の仕事の依頼を受けた。フランスのエージェントを介してのやりとりなので、当日までイタリアのお客様と直接的な連絡はなく顔も分からなかった。 集合は大阪駅でお客様は場所が分かるか心配されていたので、僕はタクシー乗り場が近いので桜橋口集合を提案した。お客様はそれでも不安でたまら

写真で分かる、日伊通訳者マッシ(依頼受付中)

こんにちは、日伊通訳マッシ(@massi3112) 日伊通訳者マッシとはどんな人物なのか、どんな実績があるのか。お恥ずかしながら全部書いて公開する! イタリア、ピエモンテ州カザーレ・モンフェッラート(トリノ近郊)出身。日本文学に興味を持ったことがきっかけで、日本語を学び始める。トリノ大学文学部日本語学科修士課程修了。 その後、日本に移住。現在の住まいは石川県金沢市。 イタリア語と日本語の逐次通訳(同時通訳の経験あり)とイタリア(ヨーロッパ中心)のビジネスコンサルタントがメ

医療通訳者の葛藤と苦悩

こんにちは、日伊通訳マッシ(@massi3112) 今日は日曜日なので短い記事になるが、中身は重い内容になるかもしれない。 医療通訳の話を少ししたいと思う。 産業、ビジネス、商談の通訳と比べ、医療通訳の場合は言葉だけではなく、患者さんという生身の人間相手の一発勝負だ。 医療通訳の依頼を受け、数ヶ月の病院生活を経て、患者さんや患者さんのご家族の笑いから涙までをこの目で見て、学んだことはたくさんある。 今日はひとつだけ紹介する。 医療通訳の下準備はいつもよりかなり大変だ。専

「海苔」と「イタリア大学教授」の間の通訳者

海苔を研究するため来日していた、イタリアの大学教授の通訳を担当させていただいた話である。 今、冷静に考えて当時のことを思い出すと、まるでドラマのようであったと振り返ることができる。海苔に情熱と愛情を持つイタリア教授と、船生活と、1日3食とも海苔、という僕にとって長い1週間だった。 時差ボケと寒さの戦い 案件ごとに現われる、新たな地獄を丁寧に説明したいと思う。 あの頃は非常に忙しく、国内外の出張が多かった。今回お話する案件の最初の地獄は、始まる前に起こった。 「時差ボケ」であ