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下積み奉公日記④三人目の師に学ぶ

開業より20年。福井にて、はり・灸・マッサージを施しています。

汗水涙流せるものはすべて流し尽くした、開業までの苦難を綴る下積み奉公日記。最終回!どうぞ、お付き合いくださいませ。

Ⅰ一人前へ

勉強に励んだ成果?でしょうか 笑。なんと見事!鍼師・灸師・按摩マッサージ師の国家試験に合格して国家資格を取得することができました。それから1年間は、御礼奉公といって、見習い時代の給料で働いて治療院に恩を返させていただくシステムでした。空いている時間には、他の治療院でも働き、技術や経営の勉強をしました。とにかく惜しみなく働きました。京都という地は、学生の街で、学生を育ててくれるシステムが整っており、掛け持ちした治療院は、3人目の師との出会いでした。

Ⅱ“感性”を大切に

3人目の師からは、感性を磨くことを学びました。またしても、掃除から始まりました。毎朝、掃除、掃除、掃除の日々の繰り返しです。寺の修行僧のように掃除をしていましたね。玄関のしつらえや、お花の生け方、予約を承る際の電話の応対など、細かく指導をいただきました。

そして、先生は、医・食・住 を整えることが治療の基本である、という考えを持っておられたので、食事の指導を含めて、薬膳料理を提供されていました。玄米粥や玄米スープでの断食の合宿をしたこともありました。余分なものに溢れている日常から、必要なものだけを見極める訓練のような指導ともいえると思います。自分自身を訓練していますと、患者さんの身体を施術した時、自然に手のひら(掌)で感じるようになっていったのです!この感覚は言葉では伝えにくいのですが、身体が(弱)しているのか、(強)しているのか、滞っているのか、溢れているのか、身体の細胞の調子を感じるのです。ちょっと大袈裟でしょうか 笑?この、不思議な感覚をもとに治療をしています。患者さんの細胞に聴きながら治療していますと、細胞が元気になってくるのが分かります。

私の手で、全部を元気にする必要はないと思います。おこがましい考えです。ほんの少しのお手伝いをさせていただくだけで良いのです。生きているもの全てには、自然治癒力という力があり、その力を働かせるお手伝いをさせていただく!これが3人目の師の教えでした。

Ⅲ恩師に感謝

今、この仕事に全ての経験が生かされています。個人経営でほそぼそとではありますが、患者さんが繋がっているのは、3人の恩師から学んだことが本物だったからです。恩師に心から感謝しています。完

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