最近の将棋

11~12月でいくつか将棋を指す用事があった。
・朝日アマ名人戦のブロック予選
・アマ名人戦の全国大会
・ローカル大会①の地区予選、本戦
・ローカル大会②(賞金大会)の本戦

ほか、VS数件。だいたい20局ほど持ち時間のある将棋を指した。
本来の運用からすれば大会が終わるごとにさっさと書いていくべきなのだが、自分や指した相手が全国大会を控えている身で将棋の中身をあまり詳らかにするのもどうかと思ったし、そうこうしているうちに全国大会の日が来て、おもっくそバカ負けしてしまった。いろいろ反省点は見つかったし心境の変化もあったのだが、持って行った自信や研究に見合う将棋が指せなかった精神的ダメージがわりとでかく後回しになっていた。
幸いにも、朝日のブロック代表を取ることができたので数か月スパンで課題を解決していければと思う。

ということで棋譜が溜まっているので、アイデア、備忘としていくつか書いておく程度に留める。時系列ばらばら、適当に振り返り並べます。

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10年ぶりとかで遭遇するやつ。学生時代に研究したのだが指される機会はなく、温めていた手順をようやく指した。
作りとしてはすでに居飛車がだいぶ厚いのだが、具体的な良さを求めるにあたっては▲3五歩 △同歩 ▲5八金右 がかなり強いと思う。そこで後手の指す手は△6四歩 △4四歩 △5六歩ぐらいしかないのだが、好きなタイミングで▲3四歩を打つ権利があるのがあまりにも優秀。絶対に4三銀型を作られないので、必然的に4一の金も働かない。超激レアの部類に入る形だが、急に出番が巡ってきて短期間で3局これをやることになった。十分おいしい思いはしたので書いてしまう。

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ノーマル中飛車、三間飛車の相穴には最近こんな感じでやっている。個人的には6六銀型よりも居飛車と振り飛車の差を出しやすいと思う。
△6四銀には▲6七金+▲8六角、△6四歩には▲7八金寄+▲6八飛が強い配置なので、このあたりは後出しジャンケンポイント。▲3六歩や▲6八金寄の兼ね合いでよい条件を作れるかどうか。

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立ち上がりの駆け引きで、古いほうの一手損。実戦は▲5五銀 △3五角に6九へ引いて6八〜▲5七金と上がる将棋になったのだが、▲7七玉のほうが強いっぽい。△4四角と引いてくる筋が気になったが耐えているようで、▲6八金~▲7八玉と整形する味がすこぶるよい。△5七角成を恐れない判断は悪くなかったがもう一歩。この配置でも▲5五銀で指せるとなるとだいぶ気楽なものである。

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雁木の上手な破壊の仕方は確立できそうもない。上の図までいってしまうと攻め勝つのは難しい…はず。△6三銀型が消滅したのを見届けて矢倉にスイッチできれば少し得になるはずだが、攻撃形に手をかけすぎるとそもそも矢倉に組む分の手数が足りなくなる。互いに視野に入れるべき形が多すぎて、整理するのに時間が必要。

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後手から何度か仕掛けのタイミングがあったが、すべて見送るとこんな感じ。▲4五歩△同歩▲2四歩と仕掛けてすでに有利。▲4四歩や▲6六角の味が潜在的にあり、立派に手ができている。そのまま攻め切って勝ち。毎回矢倉に組めればいいのだが、突き詰めて考えると手が足りない気はする。課題。

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後手矢倉、流行のやつからの派生。脇道だが、アマチュア将棋ではしばしば出そうな形ではある。
実戦の進行は△5四銀▲7五歩△6三銀▲7四歩△同銀▲7五歩△6三銀▲7七銀△7二金▲7六銀△6五歩。
迷っていたのが△6五歩▲同歩△8八角成▲同金△5四銀。どちらも少し後手が指せており、好みの範疇のようだ。
5手目▲7七銀スタートなので、銀の動きと飛車先を換えさせかつ△3三角を上がっていないことで3.5手ぐらい得している。手の勘定の活かし方と△7二金型の評価は近年出てきた感覚だが、少しずつ身についてきたと思う。逆に、▲7五歩の位とこの金銀の配置は世間で言われているよりも価値が高くないっぽい。このあたりは対局中の判断と水匠先生の言説がほぼ一致しており、悪くない感覚。

手得が玉形の差に変換されており、この後はまっすぐ殴り合った変化がすべて少しずつ後手に分がある展開だった。並の形では突けていない△1四歩が入っているのがポイントたかしくん。


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ノマ四からの派生。▲6五歩を突いている形だったら取る手から考えたい。飛車取って△4二金寄が実は後の先で、のちのち△6七角から7六に成る配置で手勝ちが見込める。こういうのは形で知っておかなければいけない。

実戦は△8五歩▲8八飛△3二金▲6六角△7三桂の進行で、悪くないと思っていたし実際その通りだったのだが、勘違いで+400点ほどあったのを千日手にしてしまった。指し直しまでの5分でふたつの逃しに気づいたのが激痛で、指し直し局はメンタル的に揺れてしまった感じで終盤乱れて負けぽよ。個人的には+400の将棋は少なくとも8割、努力目標で9割勝たなきゃいけないと思っているので、一気に3回くらい負けた気分。ぽよ〜



他にも面白い将棋はいくつかあったが、まだ整理できていない種の段階ということでしばらくテーマとして持っておく。

今年について。学生生活の終盤以降、しばらく将棋から離れていた時期があったのだが、2年ほど前から思うところあってもう一度真剣に取り組もうと決めて努力し始めた。やりだしてすぐに某ロナが始まったり、なんやかんやあって仕事を辞めたりしたのだが、今年から少しずつ出られるようになった大会ではそこそこの結果、内容を出せているのはありがたい。(たまに言われるが、別に将棋をやりたくて無職になったわけではない。ガチのマジで将棋に懸ける志があって辞めた方を知っているので、一緒にされるのは申し訳ないと思う。)

思うところについては、また別の機会に書きたい。直近の目標は朝日と社会復帰。アマ名人の全国大会で今のアマ棋界のレベル感、自分の実力を知れたので、なんとかまともに戦えるようにはしたい。
ここ2年の取り組みを発揮する場が徐々に出てきて、それなりに成果が出ていることが分かったし、今の延長線上でもう一回りは強くなれる見通しがあるので、引き続き続けていく予定。

今年はいわゆる無敵の人のメンタルでやっていたが、貯蓄がいい加減寒くなってきた。大山康晴十五世名人も語っているように、生活に不安がある状況ではなかなか一意専心できるものではない。終戦後すぐ、家で製粉業を始めて収入を確保できたのが大きく、将棋に邁進することができたのが大きかったという語りを見たことがある。年収年収年収。将棋の他にもいくつかやりたい勉強はあるのだが、寿命が削れて行くのを感じながら積み上げるのはなかなか険しいものがある。ということで働きます。朝日の全国大会時点では肩書きが有職になっているといいのだが。年収年収年収。

これまでとやることはそんなに変わらないので、ほどほどに焦りつつ来年も頑張ります。それではまた年収。


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