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コロナ禍でも私が旅にでた理由


「2021年は自分の頭で考えて動く」

そう宣言してから3週間。
私は現在、トルコのイスタンブールにいます。

いまこの時期に旅にでたのには幾つか理由があります。
とその前に、この情勢下で海外にでた私を不謹慎だと思う人もいるでしょう。みんなが我慢してるのに迷惑をかけるな、と。

けれど私は人間同士の飛沫では感染しないし、よほどのイレギュラーがない限りうつすこともないと、半ば本気で確信していました。

なぜなら日本でも海外でも週一回しか買い物にいかないような引きこもりで。昨年会話した人なんて美容師さんや珈琲焙煎所の店長など、片手で数えられるほど。

親兄弟はもちろん、友達とも仕事上の関係の方とも会っていません。逆に寂しい人だと同情されそうなレベルです(笑)

そんな訳で、渡航が許可されている国で家を借りてひっそり暮らすくらいなら、誰にも迷惑をかけないんじゃないかなと思い、今回この時期に渡航した理由を綴ります。


理由1 花粉から逃げるため

すごく大層な理由があるかのようにはじめましたが、私が2月初旬に日本を出た1番の理由はこれです。

え、そんなこと?と思われそうですが花粉症は重い人にとっては本当に辛い。生活に支障をきたすレベルです。

朝起きたら目は開かないし、内臓までずっとかゆいし、頭痛いし、肌荒れもひどい。精神的にもかなりきつい。

ツイッターでちらっと書きましたが、こんな風に人生の中の『何となく毎回つらいんだよな』という原因をみつけて回避するだけでも、幸福度は大きく向上すると思っています。


私にとっては脆弱すぎる胃腸やすぐ眠くなってしまう体質も花粉と同じく回避したいこと。

電車の中で具合が悪くなったり、仕事の合間に仮眠したり…以前はそんな会社員時代を過ごしていました。

3年前にフリーランスになってからは、朝目覚ましをかけなくなりました。「いつでも眠れる」「具合が悪くなったら休める」そんな自由が何よりも幸福です。

しかしフリーランスでもどうにもならないのが花粉。

毎年大量の薬と対処グッズを買い込み(文字通り)涙目で過ごしていました。

1、2年前は東南アジアで冬を過ごしていたので、昨年3月に帰国して「むずっ」と鼻が反応した瞬間、「ひえッ!忘れてた…」と思わず背筋が粟立ったものです。

北海道や沖縄には花粉がないそうですが、国内の自粛モード&自粛警察モードを見る限りとても行ける状態ではありません。

日本人の自分を律する姿勢は本当にすごいけれど、他人を気にすぎることでメンタルを病んでいく傾向もあると思っています。


理由2 春節の前に動きたかったから

2021年の春節がどうなるか考えたとき、自粛する人もいればしない人も沢山いるだろうと想像していました。

春節が始まってから移動したら、中国人と間違われて余計なトラブルに巻き込まれる可能性がある。失礼なのは重々承知ですが、その前に引きこもり先を確保しておいた方がいいと考えたのです。

感染症の流行に関して、決してどこの国が悪いという話ではありません。

中国国内でみれば武漢を非難する人もいるでしょうし、日本や韓国からみれば中国を非難したくなる気持ちもわかります。
けれどヨーロッパやアメリカからみれば、原因はアジアだと一括りにしている人は大勢いるでしょう。


実際に海外で「中国人なら追い出してたよ〜hahaha」と言われた人もいると聞きます。

以下の記事でもふれていますが、どの程度の差別に合うかはわからないけれど、可能な限りリスクを減らしておくことは大切だと思います。


ただでさえ陰性証明書があれば入国できる国に、人が集まっている現状です。

入国管理局の人も、たくさんの中国人がきた時期に不意にきた同じアジア人を入れてくれるか。ハードルが上がる可能性も、警戒される可能性も、余計なリスクを背負う可能性もあるのではないか。

この記事を書いている2月11日現在、ちょうど中国では春節に合わせて7日間の大型連休がはじまりました。実際に渡航してみると、イミグレではフランス語が飛び交っており、想像していたような中国人の移動はなさそうでした(すみません…)

けれど、外国人旅行者を受け入れている国に多少人が集まる傾向は避けられないので、早めに家を見つけて引きこもるぞ!という意気込みで春節がはじまる直前にやってきたという訳です。


理由3 日本にいて体調に支障をきたしだしたから

昨年日本に帰ってきてから、体重が5キロ減りました。

リモートワークで普通は増えるんじゃ…と思いますが、元から家で仕事をしており、お腹が空いたらご飯を食べるという程度でした。

海外にいるときは、家からスーパーまでの道のりでさえ新鮮だったので、週2、3日は散策していました。けれど日本に帰ってからは週1回、買い物かコインランドリーにいくだけの生活。

歩く量が減ったせいか、当然お腹も空かなくて。

1日1食で十分、それすらも食べきれない、お腹が全然空かないという状態が半年近く続いていました。

そのうち脂肪だけでなく筋肉も落ちてきて、ヨガや筋トレを始めてみたものの体重の減少は止まらず。

朝起きて細くなった腕にギョッとしたのは初めての経験です。(歳をとったらこんな気持ちになるんだろうか)

「このままだと痩せすぎて死ぬ!」

1日3食食べていた頃の自分からは、想像もできない事態に悩まされることになりました。

これは精神的なものもあると感じて、ニュースはできるだけ見ないようにシャットアウトしました。

しかし自ら情報をとるように心掛けていても、ネットニュースで流れてくる煽り見出しや、SNSで繰り広げられる誹謗中傷がふいに目に入るのは止められません。

重箱の隅を突くような不毛なやり取りに、同調圧力の強すぎる視線。日本社会の鬱屈とした閉塞感に呼応するように自分が鬱々していくのがわかりました。

こういうとき、家族や共同体の中で暮らしている人は「人に話す」ことが捌け口になるのかなと思います。

けれど私はぼっちですし、独り代表のようにこの一年を過ごしてきた。このまま日本にいたら間違いなくメンタルやられる…と我慢できなくなって飛びだしました。


飛行機に乗るとき多少は嫌な思いをするだろうと覚悟していたのですが、空港職員の方々もCAさんも優しく、相手を思いやる空気に溢れていました。

私の座っているエリアには文字通り誰もおらず、「密」という言葉とは無縁の旅程を過ごしました。

日本出発からトルコに入国するまでのレポは、なんだか需要がありそうなので別途詳しく書こうと思います。

そもそも日本に向いてなくて移住先探そうとあちこちで暮らしていたので。

一年頑張ったよ、自分。と褒めることにして2021年は海外で過ごすことに決めたのでした。



2021年もコロナとの付き合いは変わらない

2020年の年末にイギリスをはじめ、各国の変異種が話題に登り始めました。

感染症の根絶がどれだけ難しいかは、すこし歴史を齧っただけでもわかります。2021年前半も日本の自粛ムードはある程度続くでしょうし、感染者も増減を繰り返すと予想。

そんな中、私は「我慢し続けている人々の限界」がいつくるのかが心配で不安でした。


世間のために、誰かのためにと我慢をし続けて、私のように体調に支障をきたし出したり、メンタルを病んで死にたくなってしまう人も増えてしまうのでは、と。

人によっては、日本で引きこもってるのは本当に精神的によくないです。

コロナの”せい”で人生が台無しになったと考えるのは違うと思うし、感染症もその対策も誰かを責めて解決する問題ではありません。

いまでも渡航可能な国はあり、運航している航空会社もあります。独りならなおさら、誰にも迷惑をかけずに旅行することだってできます。

絶対に誰の迷惑にもならない、なんてそれぞれの判断基準が違うので一概には言えませんが…。それさえ自分の頭で考えれば、コロナ時代の人生をどう生きるかはそれぞれが考えて、自由に行動していいと思っています。

何年も「誰かのせいで」辛い目にあったと考えるほど無駄なことはありません。

私は、私がひとりで飛行機に乗って、買い物して、海外で家を借りて過ごしても誰かに迷惑をかけることはない、と考えました。

その国が合法的に旅行者を受け入れている限り、自分のライフスタイルで楽しく過ごせばいい。

この時代に受験する人、成人する人、就職活動する人、結婚する人、出産する人。人生の大切な節目を抱えるたくさんの人がいます。

けれど例え自分がその立場になったとしても、決して可哀想だとは思わないです。

だっていつ何があるかわからない、そんなの当たり前のこと。

東日本大震災を経験していますし、むしろ特別な出来事がない年なんてありません。何かあるのが人生です。

この時代をふまえて、自分らしい生活を謳歌する。

マイナス要素をプラスに変えるのはいつだってその人の考え方次第ではないでしょうか。


今年はシンガポール、台湾など中国語圏へのプチ移住を考えていました。(詳細はこちら)

けれど、これらの国が制限がまだまだ解除されそうにないこと、ビザ獲得のための求人情報もなかなかでてこないことなどから、もうしばらく好きな国で過ごす日常を満喫することにしました。

まだまだ暮らしてみたい場所がたくさんあります。

いつか「あ、一生ここで暮らしたい」と思える場所に出会うことを求めて。またどの国で暮らしたいかレポをお送りしようと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました。



関連リンク

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数ヶ月ずつ滞在して「どの国に住みたいか」を考える自由研究をしているフリーランスの考察・感想です。このnoteは移住計画の頭の中を綴っています。よろしくお願いします。