「ガザ・モノローグ2010」その19

19.ファティーマ・アタッラーさん 1996年生まれ アッシュシェイカーラドワン

ガザの魚は逃げました……でも人々は逃げられません。下水道が海に開放されました。もし彼らに口があるなら、「あなたたちがガザと私たちにしたことに恥を知りなさい」と言うでしょう。音楽と演劇の学校の代わりに、ガザは射撃と殺人の学校になりました。

私は自然が怖いのです。ゴキブリも、鳥も、昼も夜も……。
戦争が始まった最初の日、私以外の女子全員が家に逃げ帰り、私が学校に残った最後の一人になりました。震えて、自分の足で立つことができなかった……。最後に、自分を助けられるのは自分しかいないと感じ、勇気をかき集めて立ち上がり、まるで嵐の中の木のように体全体を震わせながら歩いてゆきました。行き交う人々は私の近くをすれ違っても、認識はしていません。ミサイルの音が大きくなり、心の中の恐怖は深まっていく……。

いつもなら、学校から家までの30分くらいかかるのですが、その日は恐怖から15分くらいで着きました。人生で最も怖い時間でした。毎秒死について考えていました。通りに人が溢れているのにも関わらず、ひどい孤独を感じたのは、その時が初めてでした。

家について、窓の近くに立っていたら、ミサイルが家の近くに落ち、私の体は地面から浮き上がって、背中を打ちつけました。戦争が終わるまでずっと、窓の近くに立つことができず、一つの窓もない、内側の部屋で寝るようになりました。

今もずっと、私は恐怖を感じていると思います。でも、そうじゃないフリをしているんです……。

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