メロディアスな恍惚感 〜 DJ Heure「Outsider Resource」〜



 最近、クラブやレコード・ショップで「誰のレコード良かった?」って話をすると、DJウールの名がよく挙がります。DJウールは、オーストラリア出身のトラックメイカー。オーストラリアといえば、ジェットやAC/DCといったロックのイメージが強いけども、エアマックス97などダンス・ミュージック方面も興味深いアーティストがよく出てきます。その中でも取りわけ注目されているのが、DJウールというわけです。


 そんなDJウールの最新シングル「Outsider Resource」が本当に素晴らしい。特にオススメなのは表題曲。BPMが抑え目のジャングル・ビートを基調に、叙情的でメロディアスなシンセ・サウンドが鳴り響くという良曲です。このシンセ・サウンドは、ジャンルでいうとデトロイト・テクノを想起させるんですが、2016年にウォーレン・ロウ名義でリリースした「Ross」でもデトロイト・テクノの要素を取り入れているから、よほど強い影響を受けてると思われます。初めて表題曲を聴いたときはベース・ミュージックに接近したかな?と思ったけど、他の収録曲はディープ・ハウスと呼べる代物で、ビートもシンプル。おそらく表題曲は例外的なのかもしれませんが、僕としてはベース・ミュージックの方向性を掘り下げてほしいと願っております。


 全曲メロディアスな「Outsider Resource」は、玄人のダンス・ミュージック・ファンのみならず、普段あまりダンス・ミュージックを聴かない人も引き寄せるキャッチーさがある。なのでテクノ/ハウス系のパーティーだけでなく、インディー・ロック中心のパーティーで流れても似合いそうな気がします。

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