韓国のアイドル・グループ、(G)I-DLE((여자)아이들)が『I NEVER DIE』を今年3月にリリースした。彼女たちにとって初のフル・アルバムとなる本作は、スジン脱退という苦境を物ともしない力強さが際立つ作品だ。過去作でも顕著だった社会的規範に従わない姿勢はますます強くなり、そうした姿勢を表現するパフォーマンス能力もレヴェルアップしている。 (G)I-DLEといえば、リーダーのソヨン
イギリスのノーサンプトンから出てきたラッパー、スロウタイが2019年にリリースしたデビュー・アルバム『Nothing Great About Britain』は本当に素晴らしい作品だった。ヒップホップのみならず、インダストリアルやパンクなどさまざまな要素を掛けあわせたサウンドに乗せて、イギリスに対する愛憎を皮肉も交えながら表現している。それはさながら哀しみ色の喜劇と言えるユーモアであり、公営
アメリカのロック・バンド、パラモアでフロントウーマンを務めるヘイリー・ウィリアムスが昨年リリースしたファースト・ソロ・アルバム『Petals For Armor』は、とても素晴らしかった。ファンク、ディスコ、ジャズ、ヒップホップ、ブレイクビーツなど多くの要素を用いて、自らの音楽性を拡張しようとするチャレンジ精神に惹かれた。そのサウンドを聴いているとウォーペイントやハイムといったバンドも脳裏に
サウス・ロンドンの5人組ロック・バンド、シェイム。彼らが2018年にリリースしたデビュー・アルバム『Songs Of Praise』は、あらゆる情動が渦巻くエネルギッシュな音楽でいっぱいだ。性急なグルーヴを生むバンド・アンサンブルはささくれ立った緊張感が漲り、それでいて紡がれるメロディーは親しみやすいものばかり。“One Rizla”や“Friction”などは、ライヴハウスで観客とシンガロ