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映画/ドラマレヴュー

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観た映画やドラマのなかから興味深かったものについていろいろと。
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2019年7月の記事一覧

映画『存在のない子供たち』



 レバノン出身のナディーン・ラバキーは、中東を代表する映画監督の1人だ。デビュー作『キャラメル』がカンヌ国際映画祭の監督週間で上映され、さらに同映画祭の“ある視点部門”の審査員長を務めた経験もある。

 そんなナディーンの最新作が『存在のない子供たち』だ。本作の主人公は、12歳の少年ゼイン(ゼイン・アル・ラフィーア)。だが、この年齢には“たぶん”という留保がつく。貧しい両親は出生届を提出してお

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映画『ワイルドライフ』



 『ワイルドライフ』は、俳優ポール・ダノにとって初の監督作品だ。リチャード・フォードの小説『Wildlife』を原作に、ポールとそのパートナーであるゾーイ・カザンが脚本を執筆している。
 本作の舞台は1960年代、モンタナ州の田舎町だ。仲睦まじい両親ジャネット(キャリー・マリガン)とジェリー(ジェイク・ギレンホール)のもとで、ジョー(エド・オクセンボールド)は暮らしていた。お世辞にも裕福とは言

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