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『新潮』2021年6月号

昨日、『新潮』2021年6月号が発売になりました。新作「オーバーヒート」と、川端康成文学賞を受賞した「マジックミラー」が同時掲載です。新作発表はこの号と決まっていて進めていましたが、川端賞はわからなかったわけで(ノミネートも聞いていなかったし)、二つ載ることになるとは本当に驚いています。でかでかと二つも名前が載ってしまって、なんだか申し訳ない気持ちです。

「マジックミラー」は既発表作ですが、この機会にさらに広く読んでいただければと願っています。ハッテン場というトポスに沈潜する作品で、自分としても気に入っていたので、これが評価をいただけて大変嬉しく思っています。

さて「オーバーヒート」ですが、これは「デッドライン」、「マジックミラー」と世界がつながっています。舞台は2018年で、「デッドライン」から20年弱、主人公は40歳。中年期を描く小説です。「マジックミラー」の時代設定とだいたい共通なので、重ねて読むことができます。この世界での話は今後シリーズ的に展開したいと思っています。タイトルはなんとなくカタカナ続きになりました。今後は変えるかもしれませんが。

「デッドライン」に比べ、今回の二つは「苦み」が増したかなと思います。

銀色の表紙は鏡のようでもあるし、また「オーバーヒート」に出てくる古い外車は銀色なので(この車は裏設定ではルノー4です)、どちらにも関わるイメージ。

Amazonを利用される方も多いと思いますが、昨日、Amazonでは残念ながら売り切れとなってしまいました。聞くところでは、雑誌の場合は基本的に再入荷はないようです(重版した場合は別として)。新潮社のアカウントでもお知らせしていますが、大型書店には十分在庫がありますので、ご確認いただければ幸いです。

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