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MTRとは? 〜ピンポン録音のしくみ〜 [vol.014]

MTR(Multi Track Recorder)

を重ねて録音ができる(多重録音)機器のことをいいます。
カセットテープを使って多重録音する「カセットMTR」、MD(Mini Disc)を使って多重録音する「MD MTR」ハードディスクを使って多重録音する「デジタル MTR」などがあります。

ひと昔前は家庭で音楽を聴くのはレコードカセットテープでした。
レコードの音をカセットテープ録音してカセットデッキ音楽を聴くというスタイルで、CDが普及してもCDカセットテープ録音してカセットデッキ音楽を楽しんでいました。
その当時、どこの家庭にもあるカセットテープを使って多重録音ができる機器、それが「カセットMTR」です。

カセットテープの構造

カセットテープカセットデッキに入れて再生して音楽を聴く、そういう用途でたくさんの人に使われていました。
カセットテープにはA面B面があり、A面を聴き終わったらカセットをひっくり返してデッキに入れることによってB面が聴けるというしくみになっています。
LR(左右)に分けて聴くことができ、A面にもLR、B面にもLR、というようにあの黒いテープ4つ(そう)に分かれています。
そしてカセットMTRではこの4つレイヤーにしてレコーディングができるということです。

ピンポン録音

カセットMTRでとても重要になる作業にピンポン録音という録音があります。
4つのレイヤーに分けて録音できるという説明をしましたが、4つではドラム、ベース、ギター、キーボード、これだけで4つトラックを使ってしまいます。
そこでドラム、ベース、ギター、録音したら空いているひとつのトラックドラム、ベース、ギター、をまとめて録音
そして単体で録音したドラム、ベース、ギター、を上書きしながらキーボード、ボーカル録音していくという、かなり男気のある録音方法無限楽器を重ねるという技法です。

ピンポン録音4トラックカセットMTRを完成させるためには、なくてはならない録音方法です。

カセットMTRの良さ

カセットMTRもの楽曲を作ろうとするとピンポン録音が必須ですが、現在のDTMと違って後戻りができません。
これは不便なように思えますが、音楽生き物なので、そこにしかないその時の音楽ピンポン録音で閉じ込めて魂を記録するということは、これが本来アートだと思ってしまいます。
あの、後戻りできないドキドキ感は、陶芸に通じるものがあると思います。

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カセットMTR』をもっと詳しく知りたい方はこちら


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